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掲載日:2021年3月30日

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答申第145号 「埼玉県立図書館協議会委員の委嘱及び任命について」等の部分開示決定(平成21年10月20日)

答申第145号(諮問第182号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県教育委員会(以下「実施機関」という。)が平成21年1月13日付けで行った、「埼玉県立図書館協議会委員の委嘱及び任命について(教生文第566号)」(以下「本件対象文書1」という。)及び「「附属機関等の管理に関する要綱」に基づく協議について(教生文第614号)」(以下「本件対象文書2」という。)を部分開示(以下併せて「本件処分」という。)とした決定で、不開示とした部分のうち、下記の部分は開示すべきである。

(1) 本件対象文書1の埼玉県立図書館協議会委員候補者名簿(以下「名簿」という。)のうち、○○○○委員の「年齢」及び「性別」。

(2) 本件対象文書1の埼玉県立図書館協議会委員推薦書(以下「推薦書」という。)のうち、埼玉県立図書館協議会委員候補者(以下「候補者」という。)全員の「推薦の理由」並びに○○○○委員の「性別」、「生年月日」、「年齢」及び「略歴」。

(3) 本件対象文書2のうち、「2期を超えて任命しようとする理由について」の不開示部分。

(4) 本件対象文書2の名簿のうち、○○○○委員の「年齢」及び「性別」。

2 異議申立て及び審議の経緯

(1) 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成20年12月15日付けで、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し、「現在の埼玉県立図書館協議会委員の選考・推薦・委嘱に関して、浦和図書館から取得したもの及び課として作成したものすべて」についての開示請求(以下「本件開示請求」という。)を行った。

(2) これに対し、実施機関は、本件開示請求に係る公文書について5文書を特定し、うち3文書を開示決定し、残りの2文書(「本件対象文書1」及び「本件対象文書2」)のうち、各候補者全員の「年齢」、「性別」、「生年月日」、「略歴」及び「推薦の理由」並びに2期を超えて任命しようとする候補者の「2期を超えて任命しようとする理由について」の一部について、条例第10条第1号に該当することを理由に、平成21年1月13日付けで公文書部分開示決定を行い、申立人に通知した。

(3) 申立人は、平成21年1月20日付けで、実施機関に対し、本件処分について、不開示とされた部分の開示を求める異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。

(4) 当審査会は、本件異議申立てについて、平成21年1月27日に実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5) 当審査会は、平成21年3月2日に実施機関から開示決定等理由説明書の提出を受けた。

(6) 平成21年5月15日に実施機関の職員から意見聴取を行った。

(7) 当審査会は、平成21年7月14日に申立人の口頭意見陳述を行った。

3 申立人の主張の要旨

申立人が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1) 不開示情報のうち条例第10条第1号ただし書イ、ロ、ハに該当するものがないのか。
また、すべての不開示情報が個人情報に分類され、かつ当該個人のプライバシーを違法・不当に侵害するものに該当するといえるのかはなはだ疑問である。

(2) 例えば少なくとも「性別」は通常プライバシーを侵害するものではなく、条例第10条第1号ただし書イの「公にすることが予定されている情報」に該当すると解釈してよいのではないだろうか。

(3) 「推薦の理由」と「2期を超えて任命しようとする理由についての一部」の不開示情報については、「附属機関等の管理に関する要綱(昭和62年2月7日知事決裁)」(以下「要綱」という。)の制定の趣旨に照らすならば、委員(公募を含む)の選考過程の可視性の確保及び選考基準の具体的適用の明確性の確保のため、開示拡大が可能ではないか。

(4) 当審査会が申立人に対する口頭意見聴取の際、申立ての趣旨について確認したところ、申立人は、不開示部分すべての開示を求めているのではなく、推薦書のうち各候補者全員の「推薦の理由」、「2期を超えて任命しようとする理由についての不開示部分」のすべて並びに名簿及び推薦書のうち、現委員・埼玉県議会議員○○○○に係る「年齢」、「性別」、「生年月日」及び「略歴」の部分についての開示を求めるものであるとのことであった。

4 実施機関の主張の要旨

実施機関が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1) 本件対象文書1並びに本件対象文書2の名簿及び本件対象文書1の推薦書の「年齢」、「性別」及び「生年月日」については、個人に関する情報であって特定の個人を識別できるものであり、条例第10条第1号本文に該当するため不開示とした。

(2) また、名簿及び推薦書の「年齢」、「性別」及び「生年月日」については、条例第10条第1号ただし書イの「法令若しくは他の条例により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」にも、同号ただし書ロの「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」にも当たらないし、同号ただし書ハの「公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」にも当たらない。
一般に「性別」は他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができる情報と考えられている。名簿の部分開示決定については、氏名を開示しており、その性別についても相当の蓋然性で推察されるものの、あくまでも推察に過ぎず、必ずしも氏名、ヘアスタイル、服装で性別が明らかになるものではない。

(3) 次に、推薦書の「推薦の理由」では、被推薦人の経歴や個人の社会的地位及び活動に関する記述がなされており、これは、条例第10条第1号本文に該当する個人を識別できる情報である。
また、名簿及び推薦書の「年齢」・「性別」と同様に条例第10条第1号ただし書イの「法令若しくは他の条例により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」にも、同号ただし書ロの「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」にも当たらないし、同号ただし書ハの「公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」にも当たらない。

(4) なお、本件対象文書2の「2期を超えて任命しようとする理由についての理由の一部」の不開示についても同様である。

5 審査会の判断

(1)本件対象文書1について

当該文書は、埼玉県立図書館協議会委員の任期が平成19年6月30日に満了することに伴う、後任委員の委嘱及び任命についての起案書で、候補者の氏名、年齢、性別及び現職名等をまとめた名簿並びに各候補者の氏名、性別、生年月日、年齢、現職名、略歴及び推薦の理由が記載された推薦書等で構成されている。
実施機関は、本件処分において、当該文書のうち、名簿に記載されている各候補者の「年齢」及び「性別」並びに推薦書に記載されている各候補者の「性別」、「生年月日」、「年齢」、「略歴」及び「推薦の理由」について、それぞれ条例第10条第1号本文に該当するとして不開示とした。

(2)本件対象文書2について

当該文書は、要綱第18条の規定に基づく協議に関する起案書で、2期を超えて任命しようとする各候補者の任命理由及び名簿等で構成されている。
実施機関は、本件処分において、当該文書のうち、「2期を超えて任命しようとする理由についての不開示部分」並びに名簿に記載されている各候補者の「年齢」及び「性別」をそれぞれ条例第10条第1号本文に該当するとして不開示とした。

(3)本件異議申立ての趣旨について

申立人は、異議申立書において「本件処分を変更せよ」としているが、当審査会が口頭意見聴取の際、申立ての趣旨について確認したところ、不開示部分すべてを開示することを求めているのではなく、推薦書のうち各候補者全員の「推薦の理由」、「2期を超えて任命しようとする理由についての不開示部分」のすべて並びに名簿及び推薦書のうち、現委員・埼玉県議会議員○○○○に係る「年齢」、「性別」、「生年月日」及び「略歴」の部分についての開示を求めるものであるとのことであった。
このため、当審査会では、申立人が開示を求めているこれらの部分について、以下検討することとする。

(4)条例第10条第1号の該当性について

  • ア ○○○○委員に係る「年齢」、「性別」、「生年月日」及び「略歴」について
    当該委員は、埼玉県議会議員であり、公職選挙法の規定に基づき平成19年4月8日執行の埼玉県議会議員一般選挙(以下「県議会議員選挙」という。)につき、候補者として県議会議員選挙○第○区選挙長に届出をしている。その届出の内容である「氏名」、「性別」、「住所」及び「生年月日」等については平成19年3月30日付けで埼玉県報に告示されている。
    そのため、当該委員の「年齢」、「性別」及び「生年月日」については既に公にされている情報であり、条例第10条第1号ただし書ハに該当する。
    当該委員の「略歴」の内容を見分したところ、その内容は、「○○市立図書館協議会会長」及び「平成○○年度埼玉県議会○○委員会委員長・埼玉県議会○○○」であり、公務員等の職務に係る情報であり、条例第10条第1号ただし書ハに該当する。
    したがって、当該部分は開示すべきである。
  • イ 推薦書に記載されている各候補者の「推薦の理由」について
    当該情報の記載内容を見分したところ、各候補者の経歴等に基づいて図書館協議会委員として推薦する内容である。
    しかし、その記載内容は、既に開示している各候補者の「氏名」及び「現職名」並びに公務員等の職務に係る情報又は既に公にされている「経歴」及び一般に推薦する文書で使われる定型的な文言が記載されているに過ぎない。
    したがって、当該部分は条例第10条第1号ただし書イ及びハに該当するので、開示すべきである。
  • ウ 2期を超えて任命しようとする理由についての不開示部分について
    当該情報の記載内容を見分したところ、候補者の経歴等に基づいて図書館協議会委員の任期を2期を超えて任命しようとする理由の一部である。
    しかし、その記載内容は、公務員等の職務に係る情報又は既に公にされている「経歴」及び一般に任命しようとする理由の文書で使われる定型的な文言が記載されているに過ぎない。
    したがって、条例第10条第1号に該当するため不開示とした部分は、開示すべきである。
    よって、「2期を超えて任命しようとする理由について」は、既に実施機関が開示している部分を含めてすべて開示となる。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
鈴木 幸子、田村 泰俊、早川 和宏

審議の経過

年月日

内容

平成21年1月27日

諮問を受ける(諮問第182号)

平成21年3月5日

実施機関から開示決定等理由説明書を受理

平成21年4月17日

審議(第三部会第49回審査会)

平成21年5月15日

実施機関の説明及び審議(第三部会第50回審査会)

平成21年6月16日

審議(第三部会第51回審査会)

平成21年7月14日

異議申立人の口頭意見聴取(第三部会第52回審査会)

平成21年8月5日

審議(第三部会第53回審査会)

平成21年10月2日

審議(第三部会第54回審査会)

平成21年10月20日

答申

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