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掲載日:2023年10月20日

令和5年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(細川威議員)

児童養護施設小規模化の進捗状況と職員の負担軽減について

Q 細川威 議員(民主フォーラム)

児童養護施設は、家庭の経済的な事情や、親がいない、虐待などの理由で親とともに生活することができない児童を受け入れて、保護、養護する施設であり、児童福祉法に基づいて設置されます。施設の目的は、児童の安定した生活環境を確保するため、一時的、また継続的に生活の場を提供することです。親や親代わりの者が養育することが困難な児童、また養護の必要があると認められた児童が入所対象になります。
児童養護施設は、もともと大規模な施設が多くあり、家庭的な環境を提供するのが難しいという問題が指摘されていました。
これに対し厚生労働省は、平成24年11月に、児童養護施設等の小規模化及び家庭的養護の推進について図るよう、都道府県などに通知をしました。この目的は、平成23年に国が作成した「社会的養護の課題と将来像」に掲げた理念を実現するために、児童養護施設の大規模な運営を見直し、より家庭的な環境で児童が成長できるように定めているものでした。
平成29年には、「社会的養護の課題と将来像」が全面的に見直され、「新しい社会的養育ビジョン」が作成されておりますが、このビジョンの中でも、児童養護施設等の小規模化を推進する理念が引き継がれています。
小規模化においては多くの利点がある一方で、課題点についても幾つか指摘をされています。例えば、職員1人での勤務が多く、また、職員が生活全般の支援、調理、対外関係、地域対応、親と家族との対応、心理的ケア、自立支援、事務・金銭管理など多様な役割をこなすため、職員の力量が問われることや、人間関係が濃密となり子供と深く関われる分、やりがいもあるが職員の心労も多いなどが挙げられています。
私が実際に話を伺った児童養護施設でも、「職員の勤務が多くなり、長時間勤務になるのではないか」、あるいは「少人数のため職員のストレスについて気になる」などの声があり、さらに、「小規模化を図るために、近くに一軒家を借りて、そこを利用しようとしたが、自治会から反対があり、借りることができなくなってしまった」など、周辺地域への理解が進んでいない事例も聞きました。
そこで、児童養護施設での小規模化の進捗状況について、福祉部長に伺います。さらに、小規模化に対する職員のストレスや業務負担の課題についてどのような取組をしていくのか、お聞かせください。

A 金子直史 福祉部長

まず、「児童養護施設小規模化の進捗状況について」でございます。
国は、社会的養育が必要な子供たちが児童養護施設で暮らす場合は、生活単位を6人程度の小規模でのグループケアとするなど、できるだけ家庭的な養育環境の提供を求めています。
県の計画である「子育て応援行動計画」の中でも、「社会的養育推進計画」を位置づけ、児童養護施設等の小規模化や地域分散化による小規模グループケアを推進する取組を進めています。
その結果、県内の児童養護施設において、平成30年度は定員1,400人のうち小規模グループケアの定員は544人で全体に占める割合が38.9パーセントであったものが、令和5年度では定員1,379人のうち小規模グループケアの定員は666人で全体の48.3パーセントと、5年ほどの間で9.4ポイント上昇いたしました。
今後も施設の小規模化を進め、子供たちが家庭的で暮らしやすい環境整備に取り組んでまいります。
次に、小規模化に伴う「施設職員の負担軽減について」でございます。
施設の小規模化につきましては、「職員と子供の距離が近くなり、顔色や様子のちょっとした違いも気づきやすくなった」という声もある一方で、議員お話しのとおり「役割分担が難しく少人数で全てを受け止める必要があり負担が大きい」という声もございます。
また、負担が大きい理由の一つとして、職員の人材確保が困難など職員の人数が減ることにより一人当たりの責任が増すため、ストレスを抱えることが多くなっていることが考えられます。
そこで、県では施設の職員体制を強化するため、障害を抱える子供など特別な支援を要する児童の対応を行う職員を新たに配置した場合にその人件費の一部を補助することとしています。
また、埼玉県児童福祉施設協議会と連携して職員採用合同説明会を開催し、人材確保に力を入れるとともに、施設に対する研修を通じて、職員が孤立することのないよう職場環境の改善についても、助言を行ってまいります。
加えて、児童を直接処遇する職員の配置基準の引き上げについて、引き続き国に要望してまいります。
県といたしましては、児童養護施設で働く職員の負担軽減について積極的に取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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