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掲載日:2021年10月21日

令和3年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(杉田茂実議員)

社会的養育の充実について

Q   杉田茂実 議員(県民)

本日傍聴していただいているお仲間とオレンジリボン活動に取り組んで、12年目を迎えました。この間、子供虐待に歯止めがかかりません。昨年は、虐待に直面する子供の気持ちが一人でも多くの人たちの心に届くように、児童虐待防止活動のテーマソングを作りました。議場の皆さんにも聞いていただける機会があるとうれしいです。
今、児童養護施設に入所する子供たちの約6割は、虐待が原因と言われています。何とかこの子供たちの将来が明るいものであるようにと願いながら、ファミリーホームを中心にお伺いいたします。
平成21年に国が定める事業として開始されたファミリーホームがここに至るまでの経緯が、9月11日の朝日新聞に紹介されていましたので、一部御紹介いたします。千葉県で里親ファミリーホームを運営されている廣瀬タカ子さんの紹介です。
ファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)は、児童福祉法に基づき、里親経験者など養育者の家庭に5から6人の子供を迎え入れる制度。平成17年、里親仲間らと里親ファミリーホーム全国連絡会を立ち上げた。家庭で多人数を育てるホームは、当時、幾つかの自治体にあったが、公的支援は少なく、内容も様々だった。各自治体の状況を実態調査し、協議会を開き、厚生労働省へ陳情へ回った。活動は実を結び、平成21年に国が定める事業になった。同省によると、ホームは、平成21年の49か所から令和元年度には417か所に広がったとありました。
埼玉県においては、保護者のいない児童や保護者に監護させることが不適切であるとして、児童養護施設や里親、ファミリーホームなどで生活している県内の児童は、令和2年度末で1,810人です。そして、令和2年3月に策定した埼玉県子育て応援行動計画では、そうした代替養育が必要な児童を令和6年度末で1,871人と推計しています。社会的養育の充実に向けて、国が家庭的養育優先原則を打ち出している中、県としても里親やファミリーホームなど家庭養育を進めていく必要があります。
児童養護施設においては、できる限り良好な家庭的な環境を確保すべく、小規模化や地域分散化を進めていますが、一つの児童養護施設では平均50人程度の児童が生活しています。一方、ファミリーホームは、経験豊かな養育者が6人までの児童を家庭に迎え入れて、生活する場となっています。安心かつ安全な環境で、永続的に一貫した特定の養育者と生活することで、そうした信頼感に基づいた関係性や人間関係形成における土台となると考えます。
ファミリーホームの大きな特徴として、そこで生活する子供にとっては、地域の子供たちや大人たちとの触れ合いを通じて社会性を養っていくことが挙げられます。とりわけ幼少期は、愛着形成や人格形成でも最も重要な時期であり、地域全体で社会的養護を必要とする子供たちを養育することが、虐待という負の連鎖を止めることにもつながると思います。
そのためには、ファミリーホームが地域にうまく溶け込むことができるように、行政自らもっと踏み込んでいく必要があると感じています。埼玉県子育て応援行動計画では、令和6年度に里親等委託率32%という目標を掲げていることから、その目標を達成する上でも、ファミリーホームの充実を図ることが必要と考えます。
そこで、福祉部長にお伺いいたします。
里親委託など家庭養育の推進や、児童養護施設においても家庭的な環境を確保していく必要があると考えます。県は、社会的養育の充実に向けどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
現在、県内に34か所のファミリーホームが開設されているようです。私は、この34という数字は、それほど多くはないように受け止めています。あまり増えない理由が現場にあるのではないかと感じています。幾つかのファミリーホーム関係者に話を伺ったところ、ホームの運営や子供への処遇について、悩みを抱えているところもあると感じました。そこで、ファミリーホームからどのような要望が届いていて、どのように対応しているのか、お伺いいたします。
また、令和6年度に里親等委託率32%の目標を見据えて、子供たちの安全・安心な生活を確保しながら、ファミリーホームの施設数を増やしていく必要があると考えます。県は、どのような取組を通じてファミリーホームを増やしていくのか、お伺いいたします。

A 山崎達也 福祉部長

社会的養育の充実に向け、どのように取り組んでいくのかについてでございます。
県では、令和2年度から令和6年度を計画期間とする「子育て応援行動計画」の中に「社会的養育推進計画」を位置付け、様々な施策に取り組んでいます。
虐待を受けた子供や、何らかの事情により実の親が育てられない子供が、できるだけ家庭的な環境の下で養育されるためには、里親やファミリーホーム等への委託の推進や児童養護施設等の小規模化などに取り組んでいく必要があると考えています。
里親委託や養子縁組など家庭養育を進める上での大きな課題として、保護者の同意が得られないということがあります。
このため、まずは、里親やファミリーホームに委託することを納得していただけるよう、令和元年度から専任の職員を各児童相談所に配置し、保護者の方に里親等への委託の仕組みを丁寧に説明しています。
また、県では、平成30年度から受託経験のない里親が先輩里親の自宅で養育を実習し、養育スキルの向上と受託への不安の解消を図り、里親委託に結び付けていく取組を埼玉県里親会と連携して行っています。
他方、子供によっては、専門家の支援を受けながら施設で生活することが望ましいケースもあり、その場合でも生活単位を6人とするなど、できる限り良好な家庭的環境を整備していく必要があります。
そのため、既存の児童養護施設等を、少人数のグループで生活できる施設に改修する費用や、地域小規模児童養護施設を整備する費用を補助し、一般の家庭に近い環境づくりに取り組んでいます。
今後も、関係機関と連携し、子供の最善の利益を最優先にしながら、社会的養育の充実を図ってまいります。
次に、ファミリーホームからどのような要望が届いていて、どのように対応しているのかについてでございます。
ファミリーホームの運営者とは、様々な機会を通じて、ホームの運営や子供への処遇の悩みなどを直接お伺いするように努めております。
ファミリーホームの人件費は、実際に入所している子供の人数を基に算定していますが、安定的な運営を行うために、児童養護施設等と同様に定員を基に算定してもらいたいという関係者の声があります。
そのため、本県では国の施策に対する提案・要望において、ファミリーホームの人件費を定員に基づいて算定するよう要望するとともに、近県の都県とも共同して同様の要望を行っています。
また、子供たちに色々な体験をさせてあげたいという声もあることから、県独自の補助制度を設け、子供たちの社会参加や自然体験など子供の成長に資する取組が行えるよう支援しております。
今後も、ファミリーホームの運営者の声に耳を傾けながら、ファミリーホームの健全な運営につながるよう支援してまいります。
次に、子供たちの安全安心な生活を確保しながらファミリーホームの施設数を増やすための、県の取組についてでございます。
令和6年度に里親等委託率32パーセントの目標を達成するには、今後もファミリーホームを増やしていく必要があります。
ファミリーホームの養育者は、養育里親として登録されているだけでなく、2年以上同時に2人以上の委託児童の養育経験がある方や児童養護施設等で3年以上の養育経験がある方など、いくつかの要件があります。
そのため、意欲があるベテランの里親の方などが担って頂くことが、子供の安全安心につながると考えております。
こうした方々を対象に説明会を開催し、ファミリーホームの意義やメリットを伝えることで、担い手の掘り起こしに努めてまいります。
さらに、自宅の改修など初期費用を伴うことから、新たに令和2年度からファミリーホームを開設する場合、最大800万円の補助制度を設け、支援を行っています。
今後とも、社会的養育が必要な子供たちが、できる限り良好な家庭環境で生活できるよう、積極的に取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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