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掲載日:2023年12月18日
Q 井上航 議員(県民)
日夜地域の安全のために御尽力していただいている埼玉県下の消防団ですが、年々消防団員数が減少しています。県は、消防団応援プロジェクトや消防団応援の店などの施策に取り組んでいますが、令和2年4月時点での条例定数に対する充足率は89.2%と、なかなか歯止めがきかない状況です。
その中で、2017年3月改正道路交通法が施行され、準中型免許が新設されました。改正前に普通免許を取得していた者は経過措置として3.5トン車両も運転可能ですが、改正後に普通免許を取得した者は3.5トン以上の車両は運転できなくなってしまいました。消防団が保有する消防車両には、対象となる3.5トン以上の車両も多く、特に新入団員が2017年以降に普通免許を取得した場合は、自身の所属する分団所有の車両を運転できないケースも発生します。
こうした状況の中、団員確保に取り組む市町村では、準中型免許取得に係る費用の一部を補助する制度を導入している事例があります。県消防課に確認したところ、令和2年度時点で16市町村が制度を導入しており、私の元には補助制度のない市町村の消防団からも制度創設を願う声が届いております。
この一般質問を行うに当たり、担当課とも意見交換を重ねてきました。例えば、平成29年から令和2年までの4年間で制度を有する16市町村の助成件数は合わせて28件と決して多くありません。それならば、消防広域化を推進するという立場でもある県が、県の制度として導入できないかと提言もさせていただきました。
確かに今の現役団員を見ていれば、この準中型免許の新設は大きな問題ではないのかもしれませんが、この問題が表面化するのは、次の世代が参入しようとしたときです。今、県は学生消防団員の確保に取り組んでいますが、彼らがいざ社会に出て消防団員として活動することを検討するときに、消防ポンプ自動車を運転できないことを理由に入団を断念する者が生じるおそれもあります。
また、車両のほうを3.5トン未満に切り替えればよいという発想があるかもしれませんが、県内市町村の消防団が保有する909台の消防車両うち、準中型免許を必要とする車両は668台に上り、その全ての車輛を入れ替えるには多額の費用と期間を要することとなり、現実的ではありません。
そこで、山梨県の取組を紹介したいと思います。山梨県も助成制度がある市町村ばかりではなく、半数を超える市町村には助成制度はありません。しかし、山梨県は、平成30年にまとめた消防団員確保対策検討会報告書の中で「市町村に任すだけでなく、県として策を講じる必要がある」と述べています。山梨県ではそうした問題意識の下、平成31年から埼玉県でいうところの消防団応援の店の仕組みを活用し、県と自動車教習所で教習料金の割引について申合せを締結し、消防団員であれば、県内教習所の一部で準中型免許取得の際の割引を受けられるようにしています。この取組は全国知事会の先進政策バンクでも紹介されています。
この先の消防団確保の障害となりかねない準中型免許取得に関する問題について、埼玉県としてもしっかり検討していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。この準中型免許取得の支援を含め、消防団員確保に関する危機管理防災部長の御所見を伺います。
A 森尾博之 危機管理防災部長
県では平成29年3月の準中型免許の新設に合わせ、全国の都道府県とともに消防団員の運転免許取得経費に関する財政支援について国に要望を行いました。
その結果、市町村が消防団員の準中型免許の取得に対しまして助成を行った場合、地方財政措置が講じられることとなりました。
現在、助成制度を設ける市町村は少しずつ増加している状況にございますが、免許の新設から3年近く経過いたしますので、市町村に対しまして、改めて助成制度の導入を働き掛けてまいります。
また、免許の取得費用自体を抑えるため、消防団応援の店に登録する県内17の自動車学校に、準中型免許取得の際に必要となる教習料金の割引サービスを実施していただいております。
今後、協力施設の増加を図るとともに、割引率などの充実について自動車学校にお願いをしてまいります。
議員御指摘のとおり、3.5トン以上の車両を運転できない団員が増えていきますと、活動に影響を及ぼすことが懸念されます。
消防団の皆様には、災害現場での活動や火災予防の広報、住民の避難誘導など幅広く重要な役割を担っていただいております。
まさに、将来にわたり「地域防災力の要」として欠くことのできない存在でございます。
県といたしましては、準中型免許の取得の支援を含め、どのような取組が消防団員の確保につながるのか、市町村や埼玉県消防協会などから意見を伺いながら検討してまいります。
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