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掲載日:2021年10月11日

平成30年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(石川忠義議員)

アライグマ・ハクビシン対策を進めるべき

Q   石川忠義   議員(県民

環境省によると、北米原産のアライグマは1962年に愛知県で確認後、野生化と自然繁殖が確認され、全国に生息域を拡大しました。農作物被害や自然生態系への影響も強いことから、特定外来生物に指定されています。埼玉県でもほぼ全域で生息が確認され、平成18年頃から生息数が急増しました。
そこで、県では平成19年にアライグマ防除実施計画を策定して、計画的に市町村と連携して被害管理、捕獲、処分などを行い、ここ数年は農作物の被害金額、面積などは減少傾向にあります。しかしながら、依然として県北東部などでは生息情報が多く、農業被害も生じている実態があります。捕獲数も平成25年度の2,122頭から平成29年度の5,066頭に増え、生息域の拡大と生息数自体は増加していると考えられます。
また、ハクビシンは特定外来生物ではないものの、県内全域で生息が確認され、農業被害や家屋、家畜等への被害が発生しています。対策を進めるべきですが、それぞれ伺います。
まず、県内でのアライグマの生息数は増加していると考えられますが、県内でのアライグマ・ハクビシンの農作物被害状況が悪化している市町村の状況とアライグマ・ハクビシンの被害防止対策について農林部長に伺います。
そして、増え続けていると考えられる特定外来生物アライグマの生態系や生活環境への影響と生息状況、今後の見込みについて、またアライグマは捕獲場所である農業被害が多い場所と繁殖地が離れているのが原因で増加しているという指摘もあります。この指摘を踏まえれば、農業被害が多い地区や農業従事者以外への啓発も必要と考えますが、いかがか、環境部長に伺います。
さらに、現在はアライグマの農業被害を軽減するために、埼玉県アライグマ防除実施計画に基づいてアライグマ捕獲従事者研修会を県や市町村が開催し、市町村に登録した方が捕獲をしています。捕獲するには、このアライグマ捕獲従事者研修会の受講という手段もありますが、現在は農業関係者への周知や開催回数も限られているなど、必要なときにすぐに研修を受けられるわけではありません。繁殖を予防するには、生息を目撃したときにはできるだけ早く捕獲できる段取りが取れるようにするべきです。アライグマ捕獲従事者研修会を機動的に開催できるように改善すべきですが、いかがか、環境部長に伺います。

A   篠崎   豊   農林部長

まず、アライグマ、ハクビシンの農作物被害が悪化している市町村の状況についてでございます。
平成29年度にアライグマによる農作物被害があった市町村は33で、その被害金額は1,352万円でした。
被害があった市町村のうち、前年度に比べ被害金額が増えたのは19市町村です。
また、ハクビシンによる農作物被害は30市町村で発生し、被害金額は823万円でした。
このうち、前年度に比べ被害金額が増えたのは15市町村です。
アライグマ、ハクビシンの農作物への被害は、近年、中山間地域から県の中部、東部の市町村へと広がっています。
一方で、適切な防除対策を行っている市町村では被害が減少しており、県全体でも被害金額は減少しております。
次に、アライグマ、ハクビシンの被害防止対策についてでございます。
県の農業技術研究センターでは、アライグマ、ハクビシンによる農作物の被害を減らすための試験研究を行っています。
簡単に設置、移動できる電気柵を開発したほか、平成29年度には、アライグマ専用の捕獲器を民間企業と共同で開発しました。
この捕獲器は、前肢で餌を取るアライグマの習性を利用し、アライグマだけを効果的に捕獲するもので、現在、特許申請を行っております。
また、農林振興センターでは、電気柵の展示ほ設置や近年被害が増加している梨やいちごなどの被害防止対策の講習会を開催しています。
今後とも、アライグマ、ハクビシンに対する被害防止対策の開発、普及に努め、農作物の被害軽減に取り組んでまいります。

A   加藤和男   環境部長

まず、アライグマの生態系や生活環境への影響、生息状況、今後の見込みについてでございます。
生態系への影響といたしましては、アライグマは雑食性のため、県内希少野生動植物に指定されているアカハライモリなど丘陵の水辺に生息する両生類などを餌とすることから、それらの在来種の減少が懸念されております。
生活環境への影響といたしましては、空き家や神社などに侵入し天井裏を糞尿で汚す被害や、アライグマからヒトにうつる感染症などの危険性が懸念されております。
生息状況につきましては、本年8月に発表された環境省の調査結果によりますと、44都道府県で生息が確認されております。
本県では、議員のお話のとおり、平成29年度に蕨市を除く全市町村で合計5,066頭が捕獲されていることから、県内のほぼ全域に生息していると考えられます。
今後の見込みにつきましては、アライグマは年1回3頭から6頭を出産し、強い繁殖力を持っていることに加え天敵がいないため、放置しておくと生息数が著しく増加していくと予想されます。
県といたしましては、アライグマの増加を抑制するため、これまで蓄積してきた捕獲に関するデータを基に、県独自に県内の生息数を推定し目標捕獲数を設定した上で、計画的な捕獲に努めてまいります。
次に、農業被害が多い地区や農業従事者以外への啓発についてでございます。
現在、アライグマをはじめとする外来生物に関する基礎知識や理解を県民の皆様に深めていただくため、県政出前講座や各種イベントを開催しております。
今後は、庭木の果実や生ごみといった餌となるものを放置しないなど、繁殖を防ぐための具体的な方法も盛り込んだ新たなパンフレットを作成し、アライグマの被害を受けていない県民に対しましても講習会等で配布するなど、広く周知をしてまいります。
最後に、「アライグマ捕獲従事者研修会」の機動的開催についてでございます。
アライグマは、狩猟免許を所持していなくても「アライグマ捕獲従事者研修会」を受講し市町村に登録していただければ捕獲が可能です。
平成29年度は、県及び市町村で合計14回の研修会を開催し、623人の参加をいただきました。
その結果、平成29年度末時点で、県内で3,084人のアライグマ捕獲従事者が登録されております。
今後、防除主体である市町村が必要な捕獲従事者を確保できるよう、市町村の要望をきめ細かく把握し、各環境管理事務所や市町村での受講機会を増やすなど、機動的な研修会の開催に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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