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掲載日:2021年10月11日

平成30年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(石川忠義議員)

大人の引きこもり対策を進めるべき

Q   石川忠義   議員(県民

厚生労働省の定義では、引きこもりとは仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅に引きこもっている状態ということです。これまで、国は自治体と協力して引きこもり対策を進め、内閣府が2年前に公表した39歳以下を対象とした調査では、2010年から2015年の間に引きこもりの方の数は減少しています。しかしながら、その実態は引きこもり期間が長期化、高年齢化して調査対象外の40歳以上に年齢が上がったことが減少の要因とも言われています。
全国的な引きこもりの方の家族で構成するNPO法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会が2017年に発表した実態調査では、引きこもりの方の約3割は40歳代以上であり、前年の調査よりも5%上昇しています。また、40歳代以上の引きこもりの方の平均引きこもり期間は約18年、年齢が上がるほど長期化が進んでいます。引きこもりの方がいる親の年齢も平均で64歳を超え、既に年金で暮らしている家庭が中心になっています。
大人の引きこもりの数が増加することに伴い、社会保障費の増額や地域など社会構造全体への様々な影響が心配されています。無収入の40歳代、50歳代の引きこもりの方と70歳代、80歳代の親が年金で生計を立てているという話は、身近でも聞くようになりました。家族間のトラブルが発生したり、地域との接点が希薄なことによって地域内で家族が孤立化するなど、いろいろな悩みに苦しんでいる家庭があります。埼玉県では、県ひきこもり地域支援センターや精神保健福祉に関する相談窓口は設けられていますが、これに一歩踏み込んだ対策が必要と考えます。
そこで、それぞれについて伺います。
初めに、現在の埼玉県の大人の引きこもりの状況について、どのように把握をしているのか知事の現状認識を伺います。
次に、状況把握のための調査についてです。
内閣府も今年度に調査を始め、今後対策を検討するだろうと報道されています。これまでの内閣府の調査は、無作為抽出のアンケート方式です。しかしながら、引きこもりの実態調査はできるだけ詳しく地域の実情を反映したものとすべきです。既に調査を行った島根県や山形県では、地域を把握している民生委員や児童委員への調査を実施しています。大人の引きこもりについて市町村と協力して、できるだけ詳細な調査を検討すべきですが、いかがか、知事に伺います。
次に、県で現在行っている大人の引きこもり対策についての知事の見解を伺います。
県では、ひきこもり地域支援センターの委託や疾病対策としての保健医療部、生活保護や生活支援として福祉部、就労支援は産業労働部など、それぞれの事業によって担当する部署が分かれています。しかしながら、本人、家族など相談者にとっては一本化した総合的な窓口が複数箇所にあることが望まれます。家族を含めた総合的な支援を充実強化すべきですが、現在行っている大人の引きこもり対策と今後の支援体制について知事の考えを伺います。

A   上田清司   知事

大人のひきこもりの状況についてどのように把握しているかと大人の引きこもりについての詳細な調査を検討すべきについてでございますが、関連しておりますので一括してお答えしたいと思います。
県では内閣府が平成27年に15歳から39歳以下の者を対象に行った「若者の生活に関する調査」を基に、埼玉県内の若者のひきこもり人数を約3万2,000人と推計いたしました。
一方、40歳以上の「大人のひきこもり」については、統一的基準で行われた全国調査などのデータがないため、全体の人数などは、現時点では把握しておりません。
議員お話しのように内閣府では平成30年11月頃の予定で40歳から64歳を対象にした、統一的な基準による調査を行うことになっております。
この調査は専門の事業者に委託し調査員が訪問し、アンケートを行い、ひきこもりの人数のほか、外出の頻度や相談機関の利用の有無など詳細な調査を行うということになっております。
県では、この結果をまず、関係機関と共有したいというふうに思っております。
その上で今後の大人のひきこもり対策の推進に当たり、内閣府の調査に基づく現状把握で本当に十分なのかどうか、県独自の調査の必要性や調査内容についても関係機関とまず検討しなくちゃいけないのか、この様に私は認識しております。
次に、現在行っている大人のひきこもり対策と今後の支援体制についてでございます。
県では、御案内のとおりNPO法人「越谷らるご」に運営を委託しているひきこもり地域支援センターを中心に、精神保健福祉センターや県内17か所の保健所においても、ひきこもりの相談を受けております。
平成29年度には3,520件の相談を受けており、このうち106件が40歳以上の方になっております。
じゃあ、この106件が40歳以上の方であるということですけども、まさしく、これは公的機関に相談されている人たちの人数ですので、実際の人数はどういう形になるかというと、担当者レベルでの推計でありますけども、たぶん、2つ桁が違うんじゃないか、つまり万という単位になるんではなかろうか、こんなふうに思っております。
100人ではなくて1万人ぐらい、相談を本当はしたい人たちもいる。このように受け止めております。
これまで、こうした関係部局やひきこもりの支援を行う民間団体などと大人のひきこもりの支援を行ってまいりました。
しかし、御案内のとおり、相当、限界があります。
したがって、この内閣府の調査結果を踏まえて、ひきこもり地域支援センターをはじめ医療や福祉、就労など専門の支援機関と連携を更に深めて、相談から支援まで、議員がおっしゃるように総合的に対応できるような体制をつくる必要がある。このように私も思います。
大変難しい課題ではありますけども、今回の内閣府の調査結果を踏まえたら、即、必要な対策を検討して、総合的な支援体制の整備、これを目指して体制作りを作っていきたいというふうに考えております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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