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掲載日:2019年6月26日
Q 齊藤邦明議員(自民)
県の発表によると、昨年10月に大筋合意した環太平洋経済連携協定、いわゆるTPPの発効により、県内の農林水産物の生産額は年間約8億円から14億円減少するとの試算がまとまりました。安価な輸入品が増えることによる国産品の価格下落を想定されての数値ですが、何とか歯止めをかけたいものです。
昔の農業は夢があった。地元で農業を営んでいる方の言葉ですが、当時は働いた分だけ収入となり、サラリーマンの数倍を稼いだそうです。現在でも大規模で営農されている方は、スケールメリットを生かして大きな収入を得ています。しかし、従来型の家族経営の場合は年々厳しくなっているのが実情です。農業貿易自由化により埼玉農業が壊滅することのないよう、埼玉県産農産物の価値を高める必要があると考えます。
彩のきずなは高温障害や病害虫に強く、食味の良い品種の米です。2014年に誕生し、県内で徐々に普及し始めています。ちなみに種もみの66パーセントが上里産で、残る34パーセントが本庄産です。知名度を高め、販路を拡大し、全国で愛されることを期待しています。
県では県産米ブランド力を高めるべく、日本穀物検定協会により実施されている米の食味ランキングで最高ランクである特Aの獲得及び継続を目指す事業を本年度よりスタートさせました。2015年産の米の食味ランキングでは中間ランクのAダッシュに格付けされ、残念ながら特A取得には至りませんでした。
そこで、農林部長に伺います。
この県産米特Aプロジェクト推進事業については、前定例会の予算特別委員会において武内政文議員が質問いたしました。議事録によると「特Aを取得するために必要な技術をしっかり研究し、それを農家の方に普及し、特Aがどこでも取れるようにしていかないといけない」との部長答弁がありました。
一般的に地域が異なると米の味は変わります。実際、特Aランクの常連県で生産された同一品種であっても、地域によって特AとAにランクが分かれています。農林技術研究センターの技術の高さを示す意味でも是非成功させていただきたいと思いますが、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。
彩のきずなが他の農産物の価値も高めるような強いブランドに育ってもらいたいと考えますが、農林部長の御所見をお聞かせ願います。
A 河村 仁 農林部長
「米の食味ランキング」への出品に当たっては、県内の各産地で生産された「彩のきずな」のうち、最も高い評価が得られると思うものを一点、県の代表として出品し評価を受けました。
参考品種として出品した平成26年産では、特Aに近いAであるという評価でしたが、残念ながら、平成27年産については「A’」という結果になりました。
その要因は、日照不足により米の粒の大きさが一回り小さくなってしまい、「噛みごたえ」などの食感でマイナスに作用したと考えております。
この要因分析を踏まえ、現在、栽培技術の開発を進めております。
具体的には、米の粒が充実するような肥料のやり方や、穂の数を抑えて粒が大きくなるような水管理などについて実証を行っています。
実証は、農業技術研究センターの場内のほ場と、各農林振興センター管内毎に計8か所設置したほ場で行います。
成果については来年以降、県内の各産地へフィードバックを行い、県内どの地域でも特Aレベルの食味が得られる、地域に応じた栽培技術の確立を目指します。
彩のきずなが特Aを取得することにより、県産米全体の評価向上につながるよう農業団体と連携し、取り組んでまいります。
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