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掲載日:2023年12月28日

令和5年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(深谷顕史議員)

埼玉版FEMAにおけるパンデミックのシナリオ作りについて

Q   深谷顕史 議員(公明)

大野知事は本年再選を果たし、災害対応を取り組みたい大きな施策の柱であると語られています。
未知のウイルスで他国では死者が多発している報道が流れていた新型コロナウイルス感染症は、当初、トイレットペーパーを買い求めに長い行列ができたり、小学校の卒業式を取りやめるよう署名活動が行われたりするなど、大きな騒動を引き起こしました。公立病院の少ない埼玉県では、当初、県立病院も含め受入れに消極的な病院が多数あり、他県と比較し、コロナ病床の確保にかなり苦労しました。保健医療部職員らの努力のほか、多くの民間医療機関の御協力、そして仮設臨時医療施設も建設することによって病床を確保し、感染拡大の波を乗り越えてきました。
こうした教訓を基に、第8次地域保健医療計画案では「感染症医療」という項目が新たに加えられました。新たな指標として新興感染症発生時における病床の確保数として、令和6年9月までに流行初期1,200床、初期以降2,000床を確保し、その後、確保数を維持すると記載されております。
また、感染症との闘いにおいては、県の発信力や医療ひっ迫を招かぬよう、正しい情報発信の在り方も含め、司令塔としての役割を果たせるのかが問われました。報道によれば、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、各省の人材や専門家を集めて情報発信の戦略を練るほか、リスクコミュニケーションの専門家も育成しているそうです。
医療現場からワクチンの効果や予防対策の必要性をSNSやマスコミを通じて訴えた感性症専門医が今も誹謗中傷に苦しみ、一人で闘っている状況もあります。現場からの医療ひっ迫状況や感染拡大の仕組みなどの分析は大変参考になることばかりで、県執行部から聞くことのできない貴重な内容も多かったと感じています。
そこで、大野知事にお伺いいたします。
私は、一連の新型コロナ対策の中で、保健医療部と危機管理防災部の連携において検証すべき課題が多くあったのではないかと感じています。したがって、私は、埼玉版FEMAにおいて新型コロナとの闘いの教訓を基に、県民がパニックになったり、医療提供体制が危機に陥る可能性も想定したシナリオを作るべきと考えます。また、県の発信力強化や医療がひっ迫する中でも確実に病床を確保する仕組みなど、今後どのように取り組んでいくのかも含め、御所見をお伺いいたします。

A 大野元裕 知事

埼玉版FEMAは、発生が想定される危機や災害ごとに対処すべき事項や役割分担を定め、平時から訓練を繰り返すことによって関係機関同士の強固な連結を推進し、県全体の危機・災害対応力を強化しようとするものであります。
埼玉版FEMAでは、令和2年度から令和4年度にかけて計16回の図上訓練を行い、風水害、地震災害、大雪災害のシナリオを一定程度作成をいたしました。
令和5年度も6回の図上訓練を予定しており、新たに火山噴火や国民保護のシナリオ作成に着手をしているところであります。
パンデミックにつきましても、当初のターゲットの中に含まれており、危機対応の1つとして埼玉版FEMAの対象とすることにつき、庁内で問題意識を共有しており、正に時宜を得た御意見と考えます。
議員の御指摘を踏まえ、埼玉版FEMAにおいて、パンデミックへの対応を検討してまいります。
次に、県の発信力強化や、医療がひっ迫する中でも確実に病床を確保する仕組みなど、今後どのように取り組んでいくのかについてであります。
災害発生時において、特にその初期においては、正しい情報を迅速かつ的確に伝え、県民に冷静に行動していただくことが重要となります。
先般の新型コロナウイルス感染症発生時には、正確な情報を把握するため、感染症の専門家からなる埼玉県新型感染症専門家会議を設置し、県の対応につき様々な御意見を頂き、その度ごとに発信に努めたところであります。
そして、私自ら県民に分かりやすく呼びかけることが重要と考え、積極的に記者会見などで発信したほか、「やさしく解説!大野知事の新型コロナ対策」という動画を作成し、ユーチューブで公開しました。
パンデミック時には、新型コロナやこれまでの災害対応を踏まえ、ホームページやSNSなどの情報発信ツールの特性を生かし、より一層の発信力の強化に努めてまいります。
また、病床を確保する仕組みとして、令和4年12月に改正された感染症法で、医療機関と協定を締結することが定められました。
協定は、新興感染症と一般医療を両立させるため、地域における医療機関の機能や役割を確認し、医療提供の分担・確保を図るものであります。
医療機関との協定の締結に当たりましては、十分な協議を行い双方が合意することが重要であり、きめ細かく話し合いを進めてまいります。
新興感染症が発生・まん延した場合、県民生活に大きな影響を与えることから、日頃からあらゆる事態を想定し、ワンチームで対応できるように準備をしてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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