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掲載日:2022年10月19日

令和4年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(前原かづえ議員)

 小規模こそ良さがある。高校統廃合は、いったん立ち止まり深い論議を

Q   前原かづえ 議員(共産党)

県教育委員会が発表した県立高等学校12校を6校に統廃合する計画は、県民、地域に大きな波紋を広げています。和光、和光国際、皆野、秩父、浦和工業、大宮工業、八潮、八潮南、岩槻北陵、岩槻、鳩山、越生の各校の組み合わせで、先に述べた六校が後に述べた6校に統合・再編されることになります。
再編整備の理由として、少子化で生徒募集が困難な状況にあることや、地域、県民や社会のニーズに対応した特色ある学校設置が求められていることを挙げていますが、背景としては2014年の総務省の公共施設等統合管理計画があります。教育長、県立学校の統廃合計画の真の狙いは、県・県有施設の約半分を占める県立学校などの教育施設は、老朽化により維持管理に多額の予算がかかるため、これを極力抑えたい、ここにあるのではないのですか、答弁を求めます。
文科省調査によると、埼玉県の高校生徒1人当たりの教育費の全国順位は、2018年度で41位です。高等教育にもっとお金をかけるべきです。
県教委は、高等学校の適正規模を1学年6学級以上としています。運動会が大勢でできる、部活動がいろいろ広がるとのことですが、大規模校、多数の人数の学級こそが現在の教育のゆがみの原因だと考えます。
私は以前、皆野高校を視察しました。1クラス12人、13人のクラス編成でした。生徒の発案でイノシシ・鹿の肉を利用した「激押イノシカバーガー」を食べて大変おいしかったことをよく覚えています。正に激推しでした。生徒たちは地域の県道の清掃や有料道路入口でのお正月の観光客へのしめ縄配りなど、地域と連携した学校だなと思いました。
教育長、こうした小規模で少人数学級の学校でこそ、一人ひとりに行き届いた教育を実現できると考えますが、答弁を求めます。
小学校で少人数学級が前進しています。私立高等学校でも少人数学級が広く取り入れられています。統廃合計画ではなく、高等学校の少人数学級こそ進めるべきだと考えますが、答弁を求めます。
また、人口が増えている八潮市の市民からは、なぜ生徒が増えているのに高校がなくなるのかという声が上がっています。東西南北、各地域から2から4校削減という再編整備計画は、地域の実情と合わないのではないですか、答弁を求めます。
秩父地域1市4町の首長が県教委に宛てた要望書は、地域の県立4校存続の運動を踏まえ、秩父高校と皆野高校の統合撤回を求めています。そこには、「4校存続に向けた取組継続の中で、強い不信感と失望感を抱かざるを得ません」と厳しい指摘があります。地元の皆さんがこれほど反対している統合をなぜ押し付けるのか、もう一度白紙に戻して地元と話し合うべきです。

A 高田直芳 教育長

まず、統合の真の狙いについてでございます。
県立高校の再編整備は、人口減少の進行に伴い、生徒数の減少が続いている状況の中で、子供たちにより良い教育環境を整備するために進めているものであり、維持管理にかかる多額の予算を極力抑えることを狙いとしているものではございません。
次に、小規模で少人数学級の学校でこそ、一人ひとりに行き届いた教育を実現できるのではないか、についてでございます。
小規模で少人数学級の学校においては、一人ひとりの生徒に教員の目が届きやすく、きめ細かい指導ができるなどのメリットがございます。
しかしながら、生徒数が減少することにより、学校の規模自体が小さくなれば、それに応じて教員数も減少することとなり、生徒の進路希望に応じた選択科目を用意することが困難になるとともに、学校行事や部活動の面でも、生徒たちの希望に応じた活動ができない状況も生じることとなります。
次に、統廃合計画ではなく、高等学校の少人数学級こそ進めるべき、についてでございます。
議員お話しの通り、小学校においては、法改正により令和3年度の第2学年から順次35人学級が実現することとなっております。
一方、高等学校においては、少人数学級に関する制度改正は行われておらず、少人数学級を適正に実施するためには、国において教員定数などの改善が必要でございます。
次に、東西南北各地域の再編整備計画は地域の実情と合わないのではないか、についてでございます。
県立高校の再編整備は、人口減少の進行に伴う生徒数の減少に対応するため避けて通れないものと考えますが、これを進めていく際には、全県的な視野のもとに、県立高校の配置を考える必要がございます。
人口減少のみを考慮すれば、特定の地域に偏る恐れもあることから、県といたしましては、県立高校の再編整備が特定の地域に偏ることのないよう、各高校の現状を踏まえた上で、地域バランスも考慮し、県内を4つの地域に分けて進めていくこととしております。
次に、地元が反対している統合をなぜ押し付けるのか、もう一度白紙に戻して地元と話し合うべき、についてでございます。
県立高校の再編整備の検討に際しては、関係する市町の教育委員会をはじめ関係部局などに、職員が直接訪問し、意見交換を重ねてまいりました。
その中でいただいた御意見も考慮させていただいた上で、今回公表した魅力ある県立高校づくり第2期実施方策案をお示ししたものです。
今後とも、丁寧な説明や十分な意見交換を行い、地元の御理解を得ながら、魅力ある県立高校づくりを進めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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