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掲載日:2022年10月19日
Q 齊藤邦明 議員(自民)
今月13日に秩父市内では、幅30メートル、高さ100メートルにわたる斜面が崩落し、道路が寸断されてしまいました。人的被害のなかったことは不幸中の幸いですが、県道復旧の見通しもまだたっていないとのことです。1日も早い復旧に向け、協力していきたいと思います。
今回の土砂崩れの原因は分かっておりませんが、豪雨が引き金となる土砂災害が増えております。そして、近年多発している土砂災害の原因が、林業離れによる人工林の放置にあると指摘する専門家もおります。木々が生い茂り、健康そうに見える森も、長期にわたり人の手が入らなかった場合は、森林の持つ崩落防止機能が落ちてしまうのだそうです。
間伐により木々の密度を調整することで、木は十分に根を張れるようになり、倒木を防ぐことができます。また、林床に光が届き植生が繁茂するため、地表の浸食や土砂の流出を抑制することができます。土砂崩れの防止及び被害軽減に向けて、人工林は定期的に管理をする必要があるのです。
現在の日本の間伐方法は、成長不良の木を間引いていく定性間伐が主流になっております。この方法には選木技術が必要不可欠です。一方、列状間伐は立木の形質や形状に関係なく機械的に行うため、選木時間を短縮できます。そして、伐採、集材が容易なため林地残材が少なくなり、資源の有効利用が図られます。また、高性能林業機械を用いた作業システムを導入すれば、生産性を高めることも可能です。
そこで質問です。
災害対策の観点からも、林業活性化の観点からも、列状間伐を推進すべきと考えますが、農林部長の御所見をお聞かせ願います。
A 小畑幹 農林部長
保水機能や土砂の流出防備機能など、森林の有する公益的機能の持続的発揮のためには、間伐などの森林整備が必要です。
議員御指摘のように、間伐の手法には、形質や成長の悪い木を選んで伐る一般的な定性間伐と、機械的に一定間隔で列状に伐採する列状間伐があります。
列状間伐は定性間伐と比べ、伐採した列に沿って容易に木を搬出できるため、作業効率や安全性が高いなどの優れた点があります。
このため、県ではより間伐が進むよう、定性間伐のみならず、列状間伐を実施する場合についても補助事業の対象としているところです。
なお、列状間伐については、伐採する列の幅が広いと伐採した場所の地表で浸食が起こる場合があることや、伐採した場所に面した木が風害を受ける場合があることなど、留意すべき点もあります。
県では、列状間伐の優れた点を生かしながら、森林の公益的機能を持続的に発揮することができるよう、森林所有者などに必要な助言を行い、間伐を推進してまいります。
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