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掲載日:2021年10月21日

令和3年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(柳下礼子議員)

医療的ケア児及びその家族に対する支援は国と自治体の責務

Q   柳下礼子 議員(共産党)

2021年6月、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が成立し、これまで努力義務にとどまっていた支援策が、国と地方自治体の責務となりました。人工呼吸器や胃ろうなど医療的なケアを必要とする障害児は、周産期医療の発達の中で命を救われ、少子化社会においても10年間で1.4倍化しています。ケアには看護師資格が必要であり、支援施設への看護師配置の遅れから、介助は全て家族任せ、多くは母親のみの負担となってきました。
私は、7年前からこの母親たちへの支援をこの場から訴え、制度は広がってきましたが、それでもまだまだ不十分です。医療的ケア児には様々な症状があるのが特徴です。中でも、人工呼吸器や酸素を必要とするケースや、歩行がしっかりできて動き回ることができるケースは、支援を受けづらい傾向があるようです。
所沢市の時々酸素を使う気管狭窄のお子さんは、重度知的障害、難聴を重複していますが、歩行は可能です。その子のお母さんからの手紙です。「娘が生まれて13年間、1歳半から預け先を探しましたが、動ける医療的ケア児は大変と断られ続け、2時間半以上は預かってもらえません。毎日ほんの少し目を離しただけで何かしてしまう娘を、24時間見ることに疲れました。夜は寝て、食事は座って食べて、具合が悪ければ病院へ行かせてください。普通のお母さんが産後1年もたつと職場復帰していくのに、私は当たり前のように今まで積み上げてきた仕事を捨て、無資格で命を守り、交代もなく、やめることもできません。私たちにも働く環境をください」というものです。
そこで質問ですが、こうした保護者の思いをどう受け止めますか。
医療的ケア児が8年間市町村に把握されず、支援も受けられずにいたという例がいまだにあります。法改正を受けて、医療的ケア児の実数や症状を市町村と県がきちんと把握すべきです。
また、このお母さんのように、制度のはざまにいるような方がいます。当事者の声を丁寧に聞いてほしいと思いますが、どうか。
3点について知事の答弁を求めます。
このような医療的ケア児の入院時は、24時間家族の付添いとなります。母親はお風呂もトイレもろくに行けず、食事も思うように取れません。せめて入院中の見守りを家族以外、慣れているヘルパーさんに付いてほしいと願っています。入院時のヘルパー支援を可能とすることについて、法改正を踏まえて踏み込むべきです。福祉部長、お答えください。
特別支援学校では、時々酸素が必要な医療的ケア児の場合、授業中に母親が教室で付き添わなければなりません。母親に代わって、訪問看護師の代理人の付添いが学校で認められてきていると伺っていますが、手続に非常に時間がかかります。教育長、手続を迅速にすべきと考えますが、どうですか。
また、自由診療のため、訪問看護費用は高額となります。ふじみ野市、富士見市、三芳町では補助制度がありますが、県として助成制度を創設すべきと考えますが、どうか。知事、答弁を求めます。
NICUでせっかく助けられた命です。行政はその人生全体を支援する義務があると強く申し上げたいと思います。

A   大野元裕   知事

保護者の切実な願いをどう受け止めているのかについてでございます。
議員お話しのとおり、医学の進歩により、NICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器などを使用している医療的ケア児は増加をしています。
医療的ケア児を抱える御家族は、昼夜の別なく常時在宅で介護を余儀なくされ、その負担は極めて重いものと受け止めております。
私は、医療的ケア児及びその家族の日常生活や社会生活を、社会全体で支えていくことが何よりも重要であると考えています。
保護者が心身に抱えている重い負担を軽減し、医療的ケア児が健やかに成長できるよう、寄り添った支援に全力で取り組んでまいります。
次に、医療的ケア児の症状や実数をきちんと把握すべきについてでございます。
医療的ケア児とその家族の方に適切な支援を行うためには、正確な人数や支援ニーズ等をしっかりと把握する必要があると私も思います。
そこで、市町村はもとより医療機関、保健所、特別支援学校、医療的ケア児の家族会など関係する機関に御協力をいただき、実態調査に着手をしたいと考えています。
次に、当事者の声を丁寧にきいてほしいについてでございます。
本年9月施行の医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律第5条により、医療的ケア児及びその家族に対する支援に係わる施策を実施することが、地方公共団体の責務として位置付けられました。
効果的な支援施策を実施するには、当事者のニーズを把握することが重要であり、医療的ケア児の御家族が困っていることや対応してほしいことなどを、様々な場で議員御指摘のとおり丁寧にお聞きをしたいと考えております。
次に、母親に代わって看護師が学校へ付き添う場合の費用について助成制度を創設すべきについてでございます。
議員お話しのとおり、県内では補助制度を設けている市町がありますが、保護者負担があったり、利用回数に限りがあったりといった問題もございます。
突発的な事情が生じた際などには、有効な支援でありますが、保護者の離職防止や心身の負担軽減を図る上では課題があると思っております。
法第10条第2項では、学校設置者は医療的ケア児が保護者の付添いがなくても適切な医療的ケアの支援を受けられるようにするため、看護師等の配置その他の必要な措置を講ずることとされております。
県といたしましては、この法律の趣旨を踏まえ、助成制度を創設するよりも学校に看護師の配置その他の必要な措置を講じていくことが医療的ケア児及び御家族にとって最優先事項であるというふうに考えております。
現在、教育局では看護師資格を有した職員の配置や、教員に対し喀痰吸引の研修を実施しております。
こうした対応により、医療的ケア児が医療的ケア児でない児童と共に教育を受けられるようになるとともに、家族の養育上の負担が大きく軽減され、離職の防止や就業の機会確保につながるものと期待をしております。

A   山崎達也 福祉部長

「人工呼吸器をつけた医療的ケア児の入院時のヘルパー支援を可能とするべき」についてでございます。
看護は病院の看護師などによって行われるのが原則ですが、平成30年度から、意思疎通が困難な重度の18歳以上の障害者については、入院前から重度訪問介護を利用している者に限り、入院時のヘルパーの利用が認められました。
ただし、重度訪問介護の支援内容は、利用者が病院の職員と意思疎通を図る上で必要なものに限られており、看護の中に含まれる食事等の介助や体位交換は対象となっておりません。
入院時のヘルパー支援を障害福祉サービスの中で行うことについては、国は看護が行う分野との厳格な役割分担が必要との考えであり、さらに障害児は重度訪問介護の利用対象となっていない状況です。
医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が制定された趣旨は、医療的ケア児の健やかな成長と家族の負担軽減を図り、安心して子どもを生み、育てることができる社会を実現することです。
さらに、法第8条で、政府は、法律の目的を達成するため、必要な制度上または財政上の措置その他の措置を講じなければならないとされています。
医療的ケア児を常時在宅で介護されている御家族の負担は極めて重く切実なものがあります。
医療的ケア児及びその家族の生活を社会全体で支えていくために、入院時にあっても、必要な場合にはヘルパーによる支援が利用できるように、国に対し要望してまいります。

A 高田直芳 教育長

訪問看護師の代理人手続きを迅速にすべきについてお答えを申し上げます。
保護者の代わりに訪問看護師が行う医療的ケアについては、学校管理下における医療行為であることから、児童生徒の安全確保を第一に考え、慎重に対応することが必要です。
そのため、人工呼吸器に係る代理人の指定については、校長の他、医師や看護師などで構成されている医療的ケア運営協議会での承認を得ることとしております。
この協議会は、現在年4回の開催となっているため、申請書類の提出から承認までに3か月程度必要とする場合もあり、利用する保護者からは、手続きに時間がかかるという声もいただいているところです。
議員御指摘の代理人につきましては、本年9月に立ち上げた「人工呼吸器管理に関する研究委員会」において、少しでも保護者の負担軽減につながるよう、手続きの迅速化に向けて検討してまいります。

再Q   柳下礼子 議員(共産党)

今日は1番最初、2番目、私、3人とも医療的ケア児に対する問題を取り上げましたよね。そういう面で、知事が自ら医療的ケア児の母親等に直接会って、そのお話を聞いていただきたい。この点についてそういった気持はあるかどうか、1点です。

再A   大野元裕   知事

先ほど私の方から申し上げましたとおり、様々な実態調査がまず必要であるということが1点、そして、それに伴い効果的な支援策を実施するためには、御家族を含めた方々に困っていることや対応してほしいこと等を様々な場で丁寧にお聞きしたいと考えております、と申し上げました。
部局の方で整理をした上で、私としても、適切な場において御家族の方のみならず必要なお話については、直接お伺いしたいと思っております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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