埼玉県議会

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ページ番号:201222

掲載日:2021年7月9日

令和3年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(八子朋弘議員)

県立高校の南北格差是正について - 学区制復活について -

Q   八子朋弘 議員(県民)

今年の春に行われた県公立高校入試の平均倍率は、現行の入試制度が導入された2012年度以降、最低となりました。とりわけ圏央道から北側、外側に位置する、いわゆる県北部の県立高校の低倍率は深刻です。普通科設置高校28校中、15校が1.0倍以下、ほとんど倍率がない1.05倍以下も加えると20校になり、7割以上の高校が低倍率といっても過言ではありません。もちろん南部の高校でも低倍率の学校はありますが、それはエリアの中では一部であり、逆に高倍率の高校は南部の高校に集中しています。そして、このような傾向は、特にこの春は顕著だったとはいえ、ここ数年続いていると言えます。
2月議会では江原議員、諸井議員も県立高校の課題を取り上げ、特に諸井議員は全県的にも公立高校入試が低倍率であった点について現状認識を質問されました。教育長は厳しい状況である、危機感を持っていると答弁されておられましたが、私からもまず初めに改めてこの県北部の現実について、教育長の認識をお伺いいたします。
次に、それではなぜ県北部の県立高校はこのような状況になっているのでしょうか。少子化だからでしょうか。確かに県北部の少子化は著しいものがあります。県内中学卒業者数の見込みを見ても、いわゆる北部地域の中学生は他の地域の半分以下の人数で4,000人台です。あるいは、中学生の気持ちとして、田舎よりも少しでも都会の学校に通いたいとの心理があるのでしょうか。もしくは、南部の学校のほうがより魅力的な教育を展開しているのでしょうか。原因についてどのように分析をされておられるのか、教育長にお伺いいたします。
私は、県立高校の教育においては地域間の格差がなく、それぞれの高校が魅力ある教育を展開することによって、結果としてその地域も活性化していくことが理想的であると考えております。その格差とは、入試倍率の格差というだけではなく、実績、魅力の格差も含まれます。そして、格差を是正していく方法は幾つかあると思いますが、やはり一番は各高校が努力し、それぞれが特色ある魅力ある学校づくりをしていくことです。
ですが、今現在、北部の各高校は努力をしていないのでしょうか。決してそのようなことはないと思います。各校頑張っていると思います。しかしながら、高校の努力も限界があると思います。
そこで、高校の努力を補完する意味でも、格差を是正する方策の一つとして、以前に埼玉県でも導入していた学区制の復活を提案したいと思います。本気で南北格差を是正するなら、これくらいの思い切ったことをしないと厳しいと思います。
なお、同じ趣旨の質問を平成30年6月議会で武内議員もしておられましたが、この春の低倍率を受けて、私からも改めて質問させていただきます。
それでは、ここで改めて簡単に経緯を振り返ってみたいと思います。
埼玉県では、当時、国で行われていた教育における規制緩和の議論、法改正を受けて、彩の国教育改革会議、埼玉県高等学校教育振興協議会等の協議を積み重ね、平成16年度より学区制を撤廃しました。もちろん中学生や保護者の希望であり、また、メリットもありますので、それを全て否定するものではありません。しかしながら、その結果どうなったか。入試倍率のみならず、進学実績、部活動、文化祭をはじめとする学校行事等々、様々な面で南北格差が広がっていると思われます。やはり高校はいろいろな意味で生徒が集まらないことにはどうしようもありません。
約10年前、平成23年3月卒業生の調査までしかありませんから少し古いデータになりますが、学区廃止後の受検生の動向を調査した結果があります。それによりますと、北部の中学生が南部の高校に多数進学しています。また、今まで北部に進学していた中央部の中学生も、南部の高校に多数進学しており、明らかに南部に受検生が集中しているのが分かります。そして、この傾向は今も変わっていないと予想されます。
学校選択の自由を残しつつ受検生の流れを変える、その方策として、基本は全県どこからでも受験できますが、定員の一定割合は学区内から合格者を出す等の一定の制限を付した上での学区制の復活を提案したいと思います。
大野知事は機会あるごとに、県民の誰一人もどの地域も取り残すことのない日本一暮らしやすい埼玉県の実現と発言しておられます。学区制撤廃から18年、まずはここで一度検証してみてはと思いますが、教育長のお考えを伺います。

A 高田直芳 教育長

まず、「県北部の県立高校の低倍率の現実についての認識」についてでございます。
近年、県立高校入試の志願倍率は全県的に低下傾向にあり、特に議員お話しのとおり、圏央道の外側、いわゆる県北部に所在する高校においてその傾向が大きくなっております。私は県立高校の志願倍率がこのような状況にあることについて強い危機感を持っており、中学生にとってより一層魅力ある県立高校づくりに取り組まなければならないと考えております。
次に、「原因についてどのように分析しているのか」についてでございます。
主な原因としては、他の地域に比べて県北部の中学校卒業予定者数の減少傾向が大きいことにあると捉えております。また、県北部から他の地域の高校に志願している受検生が一定程度いることも影響していると考えており、それぞれの学校が北部地域の生徒が進学したいと思える魅力ある学校づくりをしていくことが必要です。
その他、全県的に私立の通信制高校への進学希望者が年々増加していることや、私立高校において進学や部活動をはじめてとして様々な特色ある学校づくりが進められていることなども考えられるところでございます。
次に、「県立高校の学区制撤廃から18年経過しているが、検証すべきではないか」についてでございます。
県立高校では、平成16年度入試から生徒や保護者の立場に立ち、自らの意思と責任において自由に学校を選択できるよう、通学区域を廃止しております。居住地に関わらず、自分の希望する高校に志願できるということは生徒や保護者の間で定着しており、現時点で制度の変更を求める要望等はいただいておりません。また、高校入試は受検生にとって公平に行われることも重要であると考えております。
このようなことから、議員御提案のように一定の制限を付した上で再度通学区域を設定することは考えておりませんが、受検生の志願状況や高校ごとの入学状況等につきまして、丁寧な把握・分析に努めてまいります。

再Q   八子朋弘 議員(県民)

様々な課題があるということはそのとおりだと思いますけれども、分かった上で伺っているわけです。公平性ももちろん大事ですけれども、南北格差の是正という問題も埼玉県にとっても大変大きな課題だと思っております。つまりバランスの問題だと思っています。本気で南北格差を是正する考えがあるのであれば、これくらいのことをしないと、学校が魅力を高めていくというだけではなかなか格差というのは縮まっていかないと私は思っていまして、そう考えると、その学区を撤廃したことがどのような影響を与えているのかということを検証してみる価値というのは十分あると思うわけです。
もちろん学区の問題だけが南北格差の原因であるとは思いませんけれども、主な理由の一つではあると思います。丁寧な把握、分析という御答弁がありました。これは検証なのかなとも思いましたけれども、改めて検証くらいはしてみてもよいのではないかと思いますが、答弁を求めます。

再A 高田直芳 教育長

南北格差については非常に大きな課題であって、思い切った対策を取るべきだという御指摘は真摯に受け止めさせていただきたいと存じます。北部地域の子どもたちの減少状況が厳しいというお話をさせていただきましたけれども、少し、数字を紹介させていただきます。
5月1日現在の数字で申し上げますと、平成24年度の数字ですと、第1通学区というのは高崎線で言いますと鴻巣より南でございまして上尾、さいたま市、川口市等ですが、21.804人おりました。令和2年度には21,228人、減少率は2.6パーセントでございました。
同じ数字で申し上げますと、秩父地域、本庄・児玉地域、熊谷・深谷地域、学区で言いますと、4、5、6という学区でございますが、平成24年度は6,014人、令和2年度は5,092人、減少率は15.3パーセントとなっております。約15パーセントが、この10年で少なくなっているという状況にございます。
私も県北部に生まれ育って、住んでおりますので、北部地域を何とかしなければいけないという思いは、議員同様、強く思っているところでございます。先ほど答弁の中で、受検生の志願状況ですとか、高校ごとの入学状況等について、学校ごに把握、分析に努めてまいりたいと答弁申し上げましたけれども、子どもたちの高校に対するニーズ、あるいは保護者の皆様の高校に寄せる期待なども含めまして、より丁寧に状況について確認をさせていただいて、次の対策に生かしてまいりたいと思います。
いずれにいたしましても、県立高校が中学生や保護者の皆様にとって選んでいただける魅力ある学校づくりに引き続き全力で取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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