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掲載日:2021年7月9日

令和3年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(八子朋弘議員)

県内病床使用率ひっ迫に備えた広域的な支援協定の締結について

Q   八子朋弘 議員(県民)

現在、第4波と言われる新型コロナウイルス感染拡大は収束傾向にあるものの、埼玉県のまん延防止等重点措置は延長されました。一方、県内の病床使用率は6月21日、昨日時点で18.8%、重症者用病床についても14.0%であり、幸い余裕がある状況であります。ワクチン接種率もさらに向上していくことから、コロナ収束に向けた明るい材料もありますが、変異株への置き代わり等、まだまだ油断ができない状況は続いていくものと思われます。
このたびの第4波では、特に関西地方で感染が拡大し、特に大阪府では病床使用率等は大変厳しい状況が続き、病院に入院できず、自宅で亡くなられた方が続出いたしました。そのような中、滋賀県は大阪府の要請を受けて、1名ではありますが重症患者の受入れを行いました。大阪府の吉村知事が直接滋賀県の三日月知事にお願いしたと報道されていますが、三日月知事が困ったときはお互い様ということで決断されたことに敬意を表したいと思います。そして、東京都や神奈川県も受入れを検討したとの報道もありました。
私は、このような非常事態には感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、あるいは新型インフルエンザ等対策特別措置法によって感染症患者は県内で治療するといった基本原則はあるものの、滋賀県のような柔軟な対応があってしかるべきと考えます。新型コロナウイルスにとって都道府県境は関係ありませんし、重症患者にとっても同じことが言えます。一人でも二人でも命を救うため、感染状況が落ち着いているこの今のタイミングを捉え、万一のときに備えて患者を受け入れる際のルールを定めた上で、北関東や甲信越地区等の自治体と患者受入れのための相互支援協定を締結してはいかがでしょうか。
埼玉県の病床がひっ迫した際には受入れをお願いし、協定先の自治体がひっ迫し、埼玉県に余裕がある場合は受け入れる、県民の生命を守るための有効な手段であると考えます。知事のお考えをお尋ねいたします。

A 大野元裕 知事

現在の感染症対策では、都道府県ごとに整備した体制に基づくものとされており、原則として、都道府県を越えて患者の受入れや病床の融通は想定されておりません。
県では5月31日現在、即応病床として1,643床、うち重症病床162床を確保しておりますが、県の想定を大幅に上回る感染者の急増という不測の事態に備え、議員御指摘のとおり、都道府県間で病床を融通する仕組みを講じることも必要と考えております。これまでも特殊な緊急治療を必要とした患者数名について県外の医療機関に転院していただいたことはありますが、個別事案として例外的な対応でございました。
具体的に病床の融通を行うには、入院調整の方法が異なる自治体間で、どの程度病床がひっ迫した段階で受入要請を行うのかなど、統一的なルールを設ける必要があります。このため、全国知事会に対し、都道府県間で病床を共有できる仕組みを提言し、知事会として、都道府県間での患者受入れを支援する仕組みづくりを構築することを国に要望したところでございます。
御提案の北関東や甲信越地区等の自治体との相互支援協定の締結につきましては、国における仕組みづくりに向けた対応をまずは見ながら検討をしていきたいと思います。

再Q   八子朋弘 議員(県民)

知事会を通して国に要望し、また検討していくという答弁であったかと思いましたけれども、国に要望されるということなのですが、国がいつその要望に対して対応できるかというのがちょっと分からないわけであります。時間がかかってしまうかもしれない。もしかしたら、その間に再びまた感染が急拡大してしまうおそれもないとは言えないわけです。
どこの県かというのは知事の御判断ですけれども、ぜひそういう状況から考えると、せめて知事同士で、大阪と滋賀のようにまず下話だけでもしておくという必要があるのではないかと思うのですが、その点について改めて知事に伺いたいと思います。

再A 大野元裕 知事

まず、第一に八子議員の最初の御質問につきましては、支援協定の締結等の制度としての隣県等との協定の枠組みでございました。ちなみに医療機関等が不足する場合、法は2つの想定をしていて、1つは新型インフルエンザ等特別措置法においては、医療の提供がかなわない場合には臨時に開設する施設で医療を提供すること、これは県の中での想定でございます。
そして2つ目には感染症法3条および特措法両方にございますけれども感染症法の場合には地域の特性に配慮しつつ施策を実施するため国との連携を図ることが規定をされており、その場合には国との連携、そして特措法の場合には国の本部長に対して、県の本部長、つまり知事から総理に対して提言を行う、この2つが定められており、制度として行う場合には隣県等ではなく国との連携が次に想定されているという段階でございます。
他方、再質問にございました、緊急の場合の知事同士の話ですが、既に東京の小池都知事とはこの話をずいぶん前からお話をさせていただいており、緊急の場合にはお互いに融通をし合うという合意ができております。

再々Q   八子朋弘 議員(県民)

東京都と話合いをされていたという御答弁をいただきました。それはそれで大切なことだと思いますが、私、つまり埼玉県の病床がひっ迫するような状況にあるときは、東京都も恐らくひっ迫しているのではないかと思われるからこそ、具体的に北関東ですとか甲信越というふうに事例を挙げさせていただきました。
そういった意味で、東京都のみならず、ほかの都道府県ともそういった話合いをしておくことは意味があるのではないかという観点から、再々質問させていただきます。お願いします。

再々A 大野元裕 知事

制度としては、先ほど申し上げた通り、法に定められた通りまずは県内で行うこと、そして次に国と協議をすることが求められているので、我々としてはすでに知事会、もしくは国に対して要望をさせていただきました。これが一つでございます。
また、緊急の際には先ほど知事間ということで東京都知事との間で、先ほど言葉足りませんでしたが、重症病床に関して足りない場合には、お互いで何とかしましょう、と。そして知事間ではありませんけれども医療圏同士でいいますと、群馬県との間でもこう言った議論がすでに進んでおりまして、緊急の場合には対応がなされることになっている、と御理解いただきたいと思います。
いずれに致しましても、制度として行うのであれば一度国に働きかけた上で、きちんとした形で、北関東なのか、甲信越なのかわかりませんけど、そういったところと議論を進めるべきだと考えており、今国に働きかけておりますので、国の反応を待ちたいと思っています。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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