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ページ番号:200822

掲載日:2021年7月9日

令和3年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(町田皇介議員)

県有施設を利用したクワイエットアワーの導入について

Q   町田皇介 議員(民主フォーラム

クワイエットアワーとはあまり聞き慣れない言葉だと思いますが、一言で言いますと、聴覚や視覚など感覚過敏の症状を持つ人が過ごしやすいように、施設等の音や照明など刺激を低減する時間を設ける取組のことです。
感覚過敏の症状は、発達障害である自閉スペクトラム症やアスペルガー症候群、その他うつやPTSDなどでも起こるもので、海外では音や光を抑えたテーマパークやスーパーマーケットなどクワイエットアワーの取組が定期的に実施されているようであります。
正直、私もある障害者施設の理事長さんから「日本初、動物園でのクワイエットアワー定期実施へ」という記事とともに要望をいただかなければ、全く知らない言葉でした。
記事によれば、愛知県豊橋市にある市営の豊橋総合動植物公園が、昨年11月から休園日を利用した休園日入園許可制度を開始し、人の声や鳴き声に過敏で人混みがつらいなど障害等により通常の開園時には園を楽しめない、入園できない方々を対象としたクワイエットアワーを日本で初めて動物園で導入したとのことでした。
その中で、公園長さんは次のようにおっしゃっています。
「制度を活用する人たちはまだまだ少ないが、他県の福祉施設の利用者たちが制度を使って来園するなど、動物園に来たくても、ほかの来園者の迷惑になるため来られなかったという人たちが多いことを感じている。
この制度のために私たちは特別なことをしているわけではない。
休園日にも職員は出勤し、動物は健康を維持するためにいつものと同じように展示されている。
この制度の成果は人数ではない。
たった一人でも動物園に来られなかったつらさや悲しみから解放することができたら、たった一人でも初めて動物たちに出会って癒しを感じてくれれば、それでいい」。
非常に印象的な言葉であります。
こうした配慮は発達障害の人だけでなく、社交不安のある人や不登校の児童生徒、感情が敏感な人にも有効とされ、自治体ではこのほかに川崎市が「かわさきパラムーブメント」の取組の中で実施した事例があります。
仮に本県で導入すれば都道府県としては全国初であり、大野知事が常々おっしゃっている「誰一人取り残さない」という本県の対外的なメッセージにもなり得ると考えます。
その観点からもクワイエットアワーの取組について、例えば、さいたま水族館など県有施設における導入を是非とも検討していただきたいと考えますが、知事に見解をお伺いします。

A  大野元裕 知事

発達障害がある方には小さな音が大きな音に聞こえたり、照明の明るさが耐えられないなどまぶしく感じられたりするなど、日常の生活や行動に支障が生じている方がおられます。
議員お話しのクワイエットアワーの導入は、発達障害の方をはじめとする感覚過敏の方々への有効な取組であるといわれており、誰一人取り残すことがないSDGsの基本理念に通じるものであります。
動植物における導入事例を調べたところ、効果としては大きな音や人混みが苦手なお子様のいる家族に楽しい時間を過ごしていただいたこと、地域から愛される施設として運営する姿勢を発信できたこと、施設職員の発達障害に対する理解の促進が図られたことなどが挙げられます。
一方、課題としては、休園日の実施では職員配置が少ないため目が行き届きにくいこと、メンテナンス等により利用可能なエリアが限られてしまうことなどが挙げられます。
こうした事例を参考に課題を整理し、さいたま水族館など県有施設での導入を前向きに検討いたします。
また、クワイエットアワーを県内に普及させるためには、県民の皆様の御理解が欠かせません。発達障害をはじめ感覚過敏のある方の特性や、クワイエットアワーの意義を県ホームページ等で広く県民に周知してまいります。
加えて、県有施設だけではなく、日常生活で利用するショッピングセンターなどの商業施設での導入について御協力をいただく必要もあります。
そのため、他県においてクワイエットアワーを実践している商業施設の先進的な取組について紹介するなど、積極的に情報発信を行います。
私は、障害のある方もない方も、同じ地域の中で暮らしていけるようにしなければならないと考えています。
県民が誰一人取り残されることがないよう、共生社会の実現に全力で取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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