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掲載日:2023年10月17日
Q 岡田静佳 議員(自民)
来年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公、そして令和6年より新1万円札の顔になる渋沢栄一翁の地元、埼玉県として、もっと盛り上げてほしいという思いを込めて質問させていただきます。
埼玉県民は、愛県心が低いとも言われています。埼玉県ゆかりの3偉人が、渋沢栄一翁、塙保己一先生、荻野吟子医師と言える県民は、どのぐらいいるでしょうか。3人ともすばらしい業績で名は知られていますが、埼玉県出身と結び付けて考える方はどのぐらいいるでしょうか。
私は、西部地区に住んでいますが、西部地区では渋沢栄一翁の大河ドラマや1万円札の顔になった盛り上がりが、浦和と比較して少ないように思います。もっと埼玉県全体で誇れる顔、シンボルとして、令和3年から6年にかけて大々的に宣伝していく必要があります。
今年2月の予算特別委員会のときにも感じたのですが、渋沢栄一翁関連の予算が産業労働部と県民生活部、教育委員会にまたがっているのが気になりました。各部門それぞれの立場で頑張って取り組んでいただいていると考えますが、3部門が連携して取り組んだほうが、より効果的なPR活動ができると考えております。
また、渋沢栄一創業プロジェクトの実態は起業家支援であり、渋沢栄一翁を埼玉県の偉人として盛り上げることとは趣旨が違うと思いますので、埼玉県の偉人として広く県民に愛着を持っていただけるようなプロジェクトに、予算を含めて拡充していただきたいと考えています。
深谷市には、渋沢栄一翁の銅像が4体ありますが、埼玉県の玄関口でもある埼玉県庁にも銅像を設置してはいかがでしょうか。
島根県庁の入口と東京都の岸記念体育館には、近代スポーツの父と言われる岸清一像があります。そして、同県庁の前庭には、内閣総理大臣になった若槻礼次郎像、松江初代藩主の松平直政像があります。福井県庁前広場には、結城秀康公の銅像があります。佐賀駅から佐賀県庁までの中央通りには、佐賀藩主の鍋島直正、大隈重信、江藤新平などの12人の偉人のモニュメントが建っています。そして熊本県は、平成30年に熊本県県民栄誉賞を受賞した漫画家、尾田栄一郎氏の代表作である「ONE PIECE」の主人公、ルフィの像を県庁プロムナードに設置しました。是非、大河ドラマと新1万円札で盛り上がるビッグチャンスのときに、渋沢栄一像を埼玉県庁にも設置していただきたいです。寄附やクラウドファンディングなども有効です。
ちなみに東村山市では、商工会議所や青年会議所が中心となって、志村けんさん銅像プロジェクト実行委員会を立ち上げ、2,400万円を目標にクラウドファンディングの募集を開始しました。達しなかった場合は、全額返金するそうです。まずは渋沢栄一翁プロジェクトの立ち上げと銅像の設置について、知事にお尋ねいたします。
それから、埼玉県は東京駅周辺にラッピングバスを走らせたり電車広告を出したりして、東京都の方に渋沢栄一翁が埼玉県出身であることを宣伝しています。しかしながら、東京都の方が渋沢栄一翁は埼玉県の偉人と聞いても、心に響かないと思います。
例えば所沢市小手指町で、渋沢栄一翁は埼玉県の出身ですというラッピングバスを見たら、都内と違ってラッピングバスは珍しいですし、何よりも同じ埼玉県民だということで心に残ります。家族や友人との話題になることもあるかと思います。
こちらが、深谷市が作ったポスターです。埼玉県も作ってほしいと思っています。まずは、県内の市役所や学校などの公共施設に埼玉県の渋沢栄一翁のポスターを貼っていただき、県民に広く知らせる。そして、埼玉県に誇りを持っていただくことに力を注いではいかがでしょうか。埼玉県民に対する広報の充実について、県民生活部長にお尋ねします。
次に、教育です。
渋沢栄一翁が血洗島に住む子供時代に学問に励み、藍玉の仕入れに商才を発揮した話や、母、えいがハンセン病の人に親切にしている姿を見て慈善活動に力を入れるようになったなど、埼玉県での話を教育活動に取り入れてはいかがでしょうか。
こちらは、本庄市の吉田市長からいただいた塙保己一先生です。同じく3偉人である塙保己一先生が7歳で失明したが国学者として「群書類従」を編集した話や、荻野吟子医師が日本最初の女性医師として女性進出の道を切り開いた話なども、是非、埼玉県の3偉人として教育で、歴史だけではなく、道徳などの授業でも取り扱っていただきたいと考えています。教育長に見解をお尋ねします。
A 大野元裕 知事
渋沢栄一翁プロジェクトの立ち上げと銅像の設置についてでございます。
県では、渋沢翁が令和6年に刷新される新1万円札の肖像に選ばれ、来年の大河ドラマの主人公にも決定したことを好機と捉え、全庁を挙げて様々な施策に取り組んでおります。
渋沢翁を軸とした観光振興としては、渋沢翁のみならず私が提唱し、埼玉の3偉人としてPRをする好機と考え、3偉人のゆかりの地を巡るスタンプラリーの実施や、県外をターゲットとした情報発信などを行うことといたしております。
また、渋沢翁の理念を受け継ぐ起業家支援といった関連施策を有機的に結びつけるため庁内チームが必要と考え、私がやはり提言し本年2月にチームを創設し、部局横断的に情報共有し広報面で連携するなど、相乗効果を発揮できるよう努めています。
さらに、大河ドラマ館を設置する地元深谷市を支援するとともに、市と緊密に連携しながら、国内最大の旅行博「ツーリズムEXPO」への共同出展やインフルエンサーを活用した情報発信を通じて、渋沢翁の功績自体のPRも図ります。
来年は、埼玉県が誕生して150周年という節目であることも生かし、現行の庁内チームを渋沢栄一翁プロジェクトチームとして再編する準備を既に進めており、議員の御指摘も踏まえ、より一層施策の推進が図れるよう検討してまいります。
渋沢翁の銅像については、議員お話しのとおり、生誕の地である「中の家」など深谷市内に4カ所設置され、偉大な功績を現在に伝えています。
このうち3カ所の銅像は、企業の経営者等による有志団体や学校法人が設置主体となっており、いずれも寄附により財源が賄われております。
他県におきましても、郷土の偉人を顕彰する目的でゆかりの地に銅像を設置し、子供から大人まで広く知っていただく取組がございます。
また、桂浜の坂本龍馬、仙台城跡の伊達政宗などの銅像は、偉人を取り巻く歴史ストーリーが感じられる場所に建てられることと相まって、銅像を訪ねること自体が観光資源となっています。
銅像を建てるに際しては、設置の趣旨や必要性、設置場所、設置主体、クラウドファンディングを含めた資金調達方法などを検討する必要があります。
これらの検討事項につきましては、今後、県民や渋沢翁の関係者からの御意見も伺いながら、総合的に検討をしてまいります。
A 山野均 県民生活部長
県民に対する広報の充実について、お答えを申し上げます。
渋沢栄一翁の大河ドラマが放映される令和3年は、埼玉県が誕生して150周年という記念すべき年です。
この節目に、より多くの県民が、日本を代表する埼玉の偉人・渋沢栄一翁を身近に感じられるよう広く発信してまいります。
本年7月に開設した埼玉150周年特設WEBサイトでは、渋沢翁が歩んだ道のりや成し遂げた業績を親しみやすく紹介しております。
今後も150周年1年前イベントでの渋沢栄一PRステージをはじめ、平和資料館や県立歴史と民俗の博物館での渋沢翁の功績を紹介する特別展などを開催いたします。
これら部局横断で展開する施策について、WEBサイト、SNS、広報紙、テレビ・ラジオなどをフルに活用して広報してまいります。
議員から市役所や学校等の公共施設へのポスターの掲示について御提案をいただきました。
地元深谷市だけでなく、全県的に盛り上げていく効果的な広報について、御提案を含め、検討してまいります。
県民一人一人が、近代日本の礎を築いた埼玉の偉人・渋沢栄一翁を深く知り、郷土への愛着と誇りを深めていただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。
A 高田直芳 教育長
児童生徒が、渋沢栄一翁をはじめとした埼玉ゆかりの偉人の業績や生き方などを学ぶことは、郷土・埼玉に誇りと愛情を持った児童生徒を育てる上で重要なことと考えております。
そのため、県内の児童生徒は、県独自の教材「彩の国の道徳」などで、埼玉ゆかりの3偉人である渋沢栄一や、塙保己一、荻野吟子の業績や生き方などについて道徳や特別活動で学んでいます。
また、県内の多くの市町村では、小学校の社会科の副読本を独自に作成し、3偉人も含め、地域の発展に尽くした先人の働きを学べるようにしております。
さらに、中学校の社会科や高校の日本史の授業でも、我が国の近代化に尽力した先人の一人として渋沢栄一が取り上げられております。
今回は、郷土・埼玉に誇りと愛情を持った児童生徒を育成する絶好の機会と考えますので、議員の御提案を踏まえ、今後、渋沢栄一をはじめ、埼玉の3偉人について道徳の授業などで学ぶ機会がより一層充実するよう努めてまいります。
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