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掲載日:2020年3月31日

令和2年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(須賀敬史議員)

人生100年プロジェクトについて

Q   須賀敬史  議員(自民

大野知事は、上田前知事が進めていた3大プロジェクトに、新たな時代の潮流と御自身の視点を加え、5大プロジェクトを示されました。その一つが、人生100年プロジェクトです。全国で最も速いスピードで高齢化が進む本県において、人生100年時代をどう戦略的に描いていくかは、最優先課題の一つです。
以下、このプロジェクトを「社会参加」をキーワードに質問いたします。
人生100年時代に向けて健康、就労、社会参加の分野ごとに、それぞれの部局でシニアを対象とした健康長寿埼玉プロジェクトの推進や、働くシニア応援プロジェクトを展開し、アクティブシニアの地域デビューなどにより、地域社会活動に参加する人を増やそうと取り組まれています。
しかし、全体から見ると、講座や支援を幾つも並べて、シニア個々人にやりたいことを選んでもらっているだけという印象で、豊かに100歳まで暮らす地域社会の在り方や、地域の中でシニアに求める人材像などが示されない中で進められているように見えます。
知事は、昨年12月定例会での松井弘議員の質問に対し、「人生100年時代を考える場合には、高齢者だけでなく子供や若者を含めた全ての世代を見通す必要がある」と答弁されました。正にそのとおりで、人生100年時代は高齢者だけの問題ではなく、子供から大人まで人生が長くなった時代に、どのように学び、働き、暮らすのかを考えて、実践する社会です。
しかしながら、知事の発信には、本県としてのビジョンや戦略がありません。「人生100年時代だから、運動して元気に過ごしましょう」という程度の発信では、物足りなさを感じます。
本県の健康長寿の取組は、健康イコール歩くことや筋力トレーニングなどの運動であり、そこには社会参加が健康に大きく寄与するという重要な視点が欠けているのではないでしょうか。最近の研究では、特に社会参加の頻度の低下がフレイルの入口になりやすいと言われています。日本人男性の定年後の寝たきり率が約19%というデータもあり、この数字は世界トップレベルで、その原因は「定年まで仕事一筋、定年後に新たな目標も、社会参加の機会も持てないためだ」と分析されています。つまり、高齢者の健康イコール運動という図式では不十分であり、むしろ社会参加が健康に大きな意味を持つということです。
人生100年時代に元気な高齢社会を実現するためにどのような地域社会を描くのか。そして、自治会・町内会など社会参加が希薄化し減少している中で、シニアの健康増進とともに社会参加をどう戦略的に進めていくのか、知事の御所見をお伺いします。
更に言えば、現在進められている社会参加の施策の対象は、シニアに絞られています。しかし、そうではなく、人生100年時代、子供のうちからシニアに至るまでの長い人生で、地域社会とのつながりをどうつくっていくのかという視点が必要だと考えますが、併せて知事の御所見をお伺いします。

A   大野元裕   知事

元気な高齢社会を実現するためにどのような地域社会を描くのかについてでございます。
本県は間もなく人口減少に転じ全国一のスピードで後期高齢者人口が増加する一方、生産年齢人口の減少が進み誰も経験したことのない大きな変化への対応をしっかりと行っていく必要があります。
その有力な手段がコンパクトシティであると考えております。
コンパクトシティを大きな柱とする「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」は、本県が今後直面する課題に対する戦略であり、ビジョンです。
このプロジェクトは、コンパクトな街の実現を目指したものであり、住居と職場が集積するエリアをつくり、ワークライフバランスを向上させ、子育て環境を整えます。
高齢者の孤立や空き家問題、買い物難民や交通難民など、少子高齢化で生じる多くの課題解決に寄与するとともに、身近に地域活動や就労の場が得られるものと考えております。
コンパクトシティでは、街の中に子育て中の若い世代やシニアまで様々な世代が暮らすことにより、高齢者や子供たちへの見守りや共助が行え、世代の循環を促して、街の活気や持続性の確保が可能な環境を提供することとなります。
こうした取組を実現させ、元気なシニアがいつまでも健康で自立し、地域活動など様々な分野で活躍できる社会を築いてまいります。
次に、シニアの健康増進とともに、社会参加をどう戦略的に進めていくのかについてでございます。
健康に過ごすためには、運動習慣を身につけてもらうことが重要であることから、「人生100年プロジェクト」においては、「コバトン健康マイレージ」にも取り組んでまいります。
コバトン健康マイレージは運動だけでなく、社会参加の促進にも活用できると考えております。
それとともに、シニアが自分の意欲や希望に合わせて、地域活動への参加や就労ができる機会や仕組みづくりが重要です。
令和2年度は、県民活動総合センターにシニア向けワンストップ型の総合窓口を設置し、多方面からのシニア応援体制を構築いたします。
また、シニアの元気・自立を支援し、地域の担い手を育成することを目指して、現在の「彩の国いきがい大学」のカリキュラムを刷新し、「埼玉未来大学」として、ライフデザイン科と地域創造科の2科を新設し講義を行ってまいります。
ライフデザイン科では、シニアの食事・運動・生活習慣など元気で自立したシニアライフを送るために必要な知識を学ぶとともに、地域デビューのきっかけをつくります。
もう一つの地域創造科では、地域の課題を解決するため、自ら行動しようとするシニアにきめ細かい支援を行い、地域の担い手を育成いたします。
今後も、シニアの社会参加について様々な取組を戦略的に進めてまいります。
次に、子供のうちからシニアに至るまで長い人生で地域社会とのつながりをどうつくっていくのか、という視点についてでございます。
議員御指摘のとおり、人生100年時代を考える場合には、シニアだけではなく子供や若者を含めた全ての世代を対象にする必要があると思います。
先ほど申し上げた「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」による多様な世代が共生できる仕組みに加え、世代を超えて地域活動に参加し、交流を深める事業を行ってまいります。
例えば、環境保全の分野では、地域で川や緑の再生に取り組む「川の国応援団」、「彩の国みどりのサポーターズクラブ」の支援などに取り組んでいます。
また、小学生や中高生には東京オリンピック・パラリンピックにおきまして、ボランティアとして参加をしていただき、世代間交流を体験していただきます。
私は、人生100年プロジェクトを子供からシニアまで生涯を通じた取組と捉え、生き生きと活躍できる社会づくりを目指し、強力に推進してまいります。    

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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