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掲載日:2022年10月13日
Q 中野英幸 議員(自民)
1番目に、商店街振興についてお伺いいたします。
知事は、立候補時のマニフェストで「12の政策分野における具体政策」を掲げ当選をしました。中でも「産業が元気、埼玉の稼ぐ力の向上へ」では、「商店街や中心市街地の集客力の向上策を進めます」とありますが、本県の商店街は大型商業施設やインターネット販売に押され、多くの個店が閉店を余儀なくされているのが現状です。そのため県内市町村ではまちゼミを開催し、個店の専門性を一層打ち出す努力をしています。商店街の空き店舗対策や専門店の更なる専門化を進めている状況で、集客力の向上策を具体的にどのように進めるのか知事にお伺いいたします。
また、「地域・まちなか商業活性化支援事業等の適用を受ける商店街への支援を行います」とありますが、本県が今日まで進めてきた黒おび商店街やNEXT商店街と何ら変わりありません。上田県政の商店街施策は、街路灯事業以外の事業予算を持ち、本県の補助制度を利用し、継続事業のできる力のある商店街をクローズアップし、光を当てるばかりで、やる気があっても予算がない商店街には十分な補助はないのが現状です。やる気と資金のある商店街だけにスポットを当てる施策を継続するのでしょうか。
本県は500メートル四方で区切り、既存の商店街、スーパーマーケットをプロットすると、500メートル圏内に商店街、スーパーマーケットがない県民は、約35万人存在するというデータがあります。急速な高齢化に伴い、買い物難民が急増していくと考えます。県民に利便性の高い商店街づくりを推進するためには、商業、飲食業等のビジネスだけではなく、生業として捉えられる商業者や起業家を育成、支援し、居住付き店舗の開発や大型量販店に負けない志と人柄を生かした個店づくりを進めていく、そしてその集合体こそが県民のための商店街であり、地域のコミュニティを担うものと確信いたします。
上田県政からの商店街施策の継承か発展か、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、「よろず支援拠点を含めた産業振興の仕組みと市政の見直し、プッシュ型支援の組織を構築します」とありますが、本県が進めているよろず支援拠点とは、どこが支援拠点が違うのか。産業振興の仕組みと姿勢を見直すとは、本県の産業振興の仕組みにどのような問題点があり、どこを見直すのか。そして、プッシュ型支援組織を構築するとは、本県のどの組織をどのように変えて構築するのか。また新しく組織を構築するのか、知事にお伺いいたします。
商業・商店街については、上田県政同様に法人格を有する商店街、団体単位のみに光を当てることになりかねません。今、商業者が求めているのは、親子2世代が生活できる売上げを目標として、個店への現状分析から業種転換を含め、今後へのコンサルティング、経営革新計画に基づく融資制度、補助制度、リース事業等を県がワンパッケージで提供して、強い個店づくりから商店街を形成することが肝要であると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
2番目に、既存企業の業種転換、事業継承についてお伺いいたします。
知事は、「既存企業の業種転換、事業継承等をきめ細かく支援します」とうたっていますが、この事業そのものが国の事業であり、国が中小企業における経営の継承の円滑化に関する法律に基づく相続税、贈与税の納税猶予制度の認定による支援を本県が直接的に支援してまいりました。
具体的には、商工団体に事業継承の相談員を設置、中小企業支援センターに事業継承コーディネーターを設置し、県民への相談窓口として推進をしてまいりました。本県の産業振興公社、国の出先機関、金融機関、関係団体等は埼玉県事業継承ネットワークを構築し、支援をしていますが、知事のきめ細かく支援するとはどういう意味でしょうか。
現在の相談窓口が、今、県内2カ所、これを増やし、県内各市商工会議所、県内各市商工会に事業継承相談員を配置するのか、埼玉県事業継承ネットワークの団体をさらに細分化するのか、細かくするのならどのような目的でどの団体を増やすのか。また、今期中にこのことは実現できるのか、知事にお伺いさせていただきます。
3番目に、ハラール認証についてお伺いいたします。
知事は、ハラール認証食品、化粧品等の製造を支援しますとうたっていますが、本県は今日までハラール認証食品、化粧品等に対し、対応したい企業に対しての商品の分析、代替原材料の紹介、製法等を中心に、輸出製造に関して対応してまいりました。そのためハラール認証はイスラム圏の各国と企業が個別対応してきたのが上田県政でありました。これはイスラム圏の国々をターゲットにした輸出国のシェア拡大を目的とする支援でありました。
一方、今、我が国は観光立国を掲げ、訪日外国人年間4,000万人を目指す中で、ハラール認証は在日イスラム圏外国人のインバウンドに対しても対応していかなければなりません。私の地元、川越でも、訪日外国人は年間約28万人あり、ハラール認証食品を販売する店舗やハラール認証の料理を提供するレストランなど、徐々ではありますが、増えている現状にあります。
ハラール認証は、イスラム圏各国の認証を受けなければならず、大変な手間がかかります。輸出への支援だけでなく、訪日イスラム圏外国人に対するハラール認証のアドバイス等の窓口が必要と考えますが、外交官として中東に対して造詣の深い知事の御所見をお伺いいたします。
4番目に、経費削減についてお伺いいたします。
知事は昨日、自民党の細田議員の財政再建の質問に対して、「必要とあれば県債を増やす」との答弁をされましたが、知事の公約集には行政の努力により削減された固定費は、翌年に当該部局の予算として認め、経費削減に努めますとの政策を掲げられております。
まず、固定費とはどの科目を指すものなのか、知事にお伺いさせていただきたいと思います。次に、削減した分のお金を翌年の予算として認めては、全くの経費削減にはならないと思いますが、どう経費削減をするのか、併せてお伺いさせていただきます。
A 大野元裕 知事
まず、商店街や中心市街地の集客力の向上策についてでございます。
商店街は、身近な買い物の場としてだけではなく、住民が憩い、交流する地域コミュニティの場としての役割も担っています。
また、中心市街地は地域社会の核であり、言わば、地域の顔でもあります。
商店街や中心市街地の集客力向上のためには、これまで以上に市町村や地元商工団体との連携を深め、それぞれの役割を果たしながら賑わいのあるまちづくりに努めていくことが重要です。
その上で、「地域まちなか商業活性化支援事業」の後継事業である「商店街活性化・観光創出事業」など、ハード事業も対象とした国の助成制度をフルに活用し、まちづくりの視点に立った商店街支援に取り組んでいきます。
ソフト事業については、「まちゼミ」などの集客につながるイベントの開催を支援するほか、10月から導入をされましたキャッシュレス決済ポイント還元制度に関する国の補助制度の周知を引き続き、行ってまいります。
また、商店街の集客力向上のためには、魅力ある商店を増やしていくことも大事だと考えております。
モデルとなる商店街だけではなく、広く国の小規模持続化補助金の活用なども積極的に促してまいります。
私は、商店街が立地する地域を巻き込み、更には国の支援制度も最大限に活用するなど力を結集していくことで、商店街や中心市街地の集客力向上に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、上田県政からの商店街施策の継承か、発展か、についてでございます。
先ほど申し上げましたとおり、国、県、地域が一体となって支援してまいりますが、真に商店街が活性化するためには、商店街の中心となって活躍をされる人材が不可欠です。
私は、意欲の高い商業者が正に商店街の核となり、積極的な活性化に取り組んでいただけるよう、人材育成にも取り組んでいく所存でございます。
県ではこれまで、NEXT商店街プロジェクトなど意欲のある商店街をモデルとして指定し、伴走型支援を実施してまいりました。
その結果、県と市町村が一体となって商店街の活性化に取り組む体制づくりや若手人材の育成にもつながりました。
また、得られた成果を他の商店街にも広く波及させていく取組も進めております。
今後は、これまでの商店街支援を継承しつつも、国の制度の活用や人材育成の視点を加えることなどで商店街施策を更に充実させていただきたいと考えております。
さらに、「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」の議論を進める中で、モデルの一つとして商店街を中心とした賑わいと活気をもたらすコンパクトシティについても検討してまいります。
次に、プッシュ型支援組織の構築とよろず支援拠点との違いについてでございます。
産業構造の変化に対応し、本県経済の活力を維持していくためには、より多くの県内企業の課題を積極的に拾い上げ、解決に向けた支援をしていくことが重要と考え、プッシュ型支援を公約に掲げたものでございます。
私の頭の中では、国が設置しているよろず支援拠点は、売上げ拡大などを目指す企業が窓口訪問をきっかけに支援を受けるものだと認識をしております。
一方で、課題を認識していながら窓口に相談に訪れない企業も数多くあります。
こうした企業の課題を一つ一つ解決していくことが、県内企業の稼ぐ力の強化につながると考えます。
そのためには、地域の企業や事情を熟知する商工団体が自ら企業の抱えた課題を掘り起こし、その解決を支援していくことが重要と考えます。
商工団体との連携強化のために、私自身積極的に商工団体に働き掛けを行ってまいりたいと考えています。
次に、本県の産業振興の仕組みの問題点と見直しの方向性についてでございます。
本県には零細企業が多いことから、製造現場を離れることができず、窓口に足を運ぶことができない企業も多い点が問題と認識をしております。
こうした企業の課題についても積極的に拾い上げ、支援を行う仕組みづくりを進めていくことが必要と考えており、取り組んでまいります。
次に、プッシュ型支援のための組織についてでございます。
先ほど述べましたとおり、商工団体と連携をして支援のニーズを把握し、企業にとって望ましい支援組織の在り方を検討してまいります。
次に、個店への支援制度をワンパッケージで提供することについてでございます。
議員お話しのとおり、商店街の活性化には、強い個店づくりの視点は欠かすことができません。
これまでの商業者に対して専門家派遣によるコンサルティングや経営革新計画に基づく制度融資、補助金の活用など国や県の支援について商工団体などを通じて周知をしてまいりました。
これらの支援制度は、強い個店づくりのために極めて効果的ですので、これまで各事業ごとに紹介していた支援事業を、中野議員が肝要と御指摘していただいたことを踏まえ、ワンパッケージで各個店に提供できるようにしてまいります。
次に、事業承継の支援についてでございます。
民間調査会社が実施した調査によると、県内企業の71%が後継者不在となっており、県内企業の多くを占める中小企業の事業承継を進め、継続・発展させていくことが喫緊の課題となっております。
そこで、国の支援機関である事業引継ぎ支援センターとともに、県、商工団体、金融機関、税理士会などの士業団体等で構成する埼玉県事業承継ネットワークを平成30年度に構築をいたしました。
このネットワークでは、構成員がそれぞれの役割を果たしながら、事業承継が円滑に進むよう県内企業を支援をしております。
例えば、身近な支援機関である商工団体や金融機関などが企業からの相談を受け、M&Aに関する相談は事業引継ぎ支援センターへとつなぐなど、役割分担に応じて支援を行っています。
一方で、「自分はまだ大丈夫」と思っている経営者が多く、相談窓口まで相談が上がっていないことが課題となっています。
そこで、ネットワークへの相談につなげるため、県では商工団体と連携して、対象となる事業者を訪問し、経営者のお悩みや課題を聞き出すなど、把握をしてまいります。
その中で、事業承継の必要性を認識した経営者に対しては、早期の準備を促すとともに、ネットワークによる個別の企業の課題に応じた支援を実施するなど、きめ細かく対応してまいります。
相談窓口や事業承継相談員の配置の見直し、ネットワークにおける団体の細分化などについては、現時点では考えていないものの、将来的に必要であれば検討させていただきたいと思っております。
また、きめ細かい事業承継支援を今任期中に実現できるのかについては、可能な限り速やかに進めてまいります。
次に、ハラール認証についてでございます。
近年、訪日外国人の増加に伴い、イスラム教を信仰する旅行者も増えております。
その数が多いといわれるマレーシアやインドネシアにおいては、平成30年の訪日外国人数がマレーシアで約47万人、インドネシアで約40万人となっており、多くの方々にお越しをいただいております。
これらの方々の受入れに当たっては、ハラール認証についてどのように対応していくかの検討が求められます。
現在、国内には多くの認証機関が存在しておりますが、ハラールに関する統一規格がないことから、顧客として想定する国や地域に応じた対応が必要となります。
そのため、ハラールに関する相談について、よろず支援拠点にフードビジネスを専門としたコーディネーターを配置し対応しておりますが、相談件数が少ないのが現状ですので、積極的に周知を図ってまいります。
議員御指摘のとおり、イスラム圏からの訪日外国人の受入れに当たっては、安心して食事ができる環境づくりも重要です。
食習慣の異なる外国のお客様に心から県内観光を楽しんでいただくためには、受入側がノウハウを十分に身に付けておくことが肝要と考えています。
訪日外国人の増加が著しい川越市は、飲食店等へのハラールをはじめとしたインバウンド対応に関するセミナーを行っております。
こうした先行事例については、他の市町村にも活用ができるよう積極的に広報に努めてまいります。
次に、固定費とはどの科目かについてでございます。
私の公約では、「行政の努力により削減された固定費は翌年に当該部局の予算として認め、経費削減に努めます」と記載しております。
この「固定費」については、一定期間継続的に支出されている費用や性質的に削減が難しい費用などをイメージしております。
具体的には、庁舎管理経費やシステムの維持管理費などの物件費が中心になろうと考えています。
次に、削減分を翌年の予算に認めると経費削減にならないが、どう削減をするのかについてでございます。
第1に、削減した経費をそのまま全額翌年度の予算に充当するものではありません。
また、充当した予算についてはその翌年度限りであり、翌々年度改めて必要性を精査することとなります。
こうした仕組みが定着することで、一人一人の職員が経費削減の意識を共有することができ、ひいては県全体で削減が困難な固定費を含む経費削減に取り組む組織風土が醸成される効果も期待できる、と考えております。
これらに加え、固定的ではない事業であったとしても、事務事業の見直しやPDCAサイクルをきちんと回していくことなどにより、無駄を排除する行財政運営を行い、歳出の削減に努めてまいります。
今後、厳しい財政状況が見込まれる中、増大が見込まれる財政需要に適確に対応することができるように、引き続き経費の削減に努めてまいります。
再Q 中野英幸 議員(自民)
知事に御質問させていただきました経費削減の件でございますが、知事の御答弁の中で、予算が減ったらお返しをする、戻すという話が、全額ではないということですので、どの程度各部局にお戻しになるのか教えていただければと思います。
また、このことによって全額じゃないから経費削減になるのかということで、私どもは理解をすればいいのかということの2点をお伺いさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
再A 大野元裕 知事
固定費の削減、経費削減に関する再質問にお答えを申し上げます。
中野議員から、削減した固定費をそのまま全額翌年度の予算に充当するものではないとの私の答弁に対し、全額ではなければどのくらいなのかという御質問がございました。
固定費については、見直すことが容易でないことから、工夫を重ねてそれぞれの職員、あるいは執行部共々検討していくものであり、その中で削減できた額、規模に応じ検討をさせていただきたいと思っております。
さらに、削減分を翌年の予算に全額認めることではないということをもって、経費削減と考えてよいのかという御質問でございますが、それだけではございません。
削減した経費は、その翌年度限り認めるものであり、翌々年度改めて精査をさせていただくことが一つ、そしてもう一つはこの固定費については、見直しが必ずしも容易ではなく削減が難しいものであります。
したがって、職員一人一人が常に見直す意識を身に着けることが重要と考えております。
例えば、今後はITの活用によるペーパーレス化等を進めることによる経費削減や、あるいはこれまでも一括入札による警察署庁舎の電気契約に関する料金の縮減等が図られてまいりました。
引き続き経費の削減に努めさせていただきたいと思っています。
再々Q 中野英幸 議員(自民)
いわゆる経費を削減したら翌年度は認めるけれども、その翌々年度は認めないという話になってきますと、単年度、単年度ですから、毎年、翌年度、翌年度に必ず出てくるんだというふうに私は考えるんですが、その点についてぜひ御答弁をいただければと思います。
また、行政のほうで一番大事なことは、ただ単に経費を削減すればいいだけではなくて、いいものをつくっていく、それからスキルダウンをして変なものをつくられても公共は困るわけですね。ですから、その辺の判断基準ですとか、そういったものはどこにあるのかということを、もしお答えができるようであればそのことを併せて御答弁いただければと思います。
再々A 大野元裕 知事
年度ごとの単年度主義の予算については、よく承知しておりまして、継続費、若しくは後年度負担を除けば、毎年度それぞれ査定をさせていただくというふうに考えております。
他方で、固定費につきましては、最初にご答弁をさせていただいたとおり、庁費、庁舎管理経費やシステムの維持管理費などの物件費が中心になるところであり、これらにつきましては、経費の削減分についてその翌年も翌々年も削減効果が一般には見通せるものと考えております。
その上で、毎年毎年査定をさせていただくことになりますが、前年度の経費の削減につきましては考慮の範囲内に入るということでございます。
2点目でございますけれども、通告を頂いていなかったのですが、それでも私の方で御答弁をさせていただきたいと考えております。
固定費の見直しに際して、それぞれ良いものについては当然経費がかかるものだと思っています。
しかしながら、一般に、先ほど申し上げたとおり、庁費の管理経費やシステムの維持管理費などの物件費を中心とした固定費に関して申し上げれば、この削減につきましては、一般論として、削減することが必ずしも良好な政策に直結するあるいは直結しないといった類のものではないと考えておりますので、職員に対しては固定費の削減に可能な限り努めていくことを命じていきたいと思います。
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