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掲載日:2022年10月12日

令和元年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(鈴木正人議員)

2020年オリンピック・パラリンピックを前に、国旗、国歌の成り立ちや国歌の意味を小・中学校の授業でしっかり教えているのか

Q   鈴木正人  議員(県民

平成11年8月の国旗・国歌法制定により、国旗は日章旗とする、国歌は君が代とすると定められ、当時の小渕総理大臣も法制化を契機として、「国民の皆様方が日章旗の歴史や君が代の由来、歌詞などについて、より理解を深めていただくことを願い、学校教育においても国旗と国歌に対する正しい理解が促進され、我が国のみならず、他国の国旗と国歌についても尊重する教育が適切に行われることを通じて、次代を担う子供たちが国際社会で必要とされているマナーを身に付け、尊敬される日本人として成長することを期待しております」と述べられており、大いに賛同するものでありますが、法律制定から20年の月日がたち、国旗、国歌に対する正しい理解が進んだのかと考えると、いささか疑問なのであります。
学習指導要領の小学校音楽科では、国歌「君が代」について、「いずれの学年においても歌えるように指導すること」となっていて、学習指導要領解説では「児童が将来、国際社会において尊敬され、信頼される日本人として成長するためには、国歌を尊重する態度を養うようにすることが大切である。国歌の指導に当たっては、国歌「君が代」は日本国憲法の下において日本国民の総意に基づき、天皇を日本国及び日本国統合の象徴とする我が国の末永い繁栄と平和を祈念した歌であることを理解できるようにする必要がある」とされております。
しかし、実態は一般の学校で入学式、卒業式などの行事で国旗が掲揚され、国歌も斉唱されてはいるものの、日本の国歌「君が代」について子供たちはうろ覚えのまま、何の意味も分からずに歌っているのが現状のようで、小学校6年生で歌詞を正しく書けるのは20%くらいだったというデータもあります。
また、先生方も今まで特に学ぶ機会も少なかったようであり、意味や成り立ちについて知らなかった方がほとんどで、あるアンケート結果では、意味まで分かっている先生は10人に1人であったということであります。
現実には、多くの学校では国旗、国歌の意味や成り立ちを教えることなく、特に国歌に至ってはうろ覚えの中、とりあえず式典で歌っているのが実態のようであります。現役の先生方に伺っても、音楽の教科書の最後のページに載っているので、子供たちの目には触れてはいるが、教材としてはほとんど扱われていないということのようであります。
このような実態では、世界の常識である自分の国の国旗や国歌について、その意味をしっかりと理解した上で、誇りを持って尊重し、他国の国旗や国歌を尊重する態度とかけ離れていると言わざるを得ません。
現在も、ラグビーワールドカップが開催され、来年度は東京オリンピック2020が開催される中、ホスト国の多くの国民が自国の国歌「君が代」の意味すらよく分からず、教える教師も1割程度しかその意味が分からないまま、世界中の皆さんを日本に迎えるのはいかがなものかと考えるのであります。
君が代は、古今和歌集から1,000年間、人々に愛されてきた世界最古の歌詞を持った国歌であります。国歌の意味については、天皇陛下を象徴としていただく日本国民が末永くずっと平和で繁栄しますようにという祈りが込められており、世界の国歌には戦争を経て建国をして生まれた国歌も多いことから、戦いの歌も多く見受けられる中で、日本の国歌「君が代」は大変平和的な歌であります。
ある教師の方が授業で国歌「君が代」の意味や歴史をしっかりと教えるようにしたところ、子供たちのほぼ全員が感想で、「今まで知らなかったけれども、僕たちもこれから意味を考え、日本の繁栄と平和を祈って歌いたい」「平安時代からある和歌だと聞いてびっくりした」などの、自分の国に対して誇りを感じられる内容を書いていたそうであります。
このように、国歌の意味をしっかりと子供に教えるということは、国際常識から考えてみても大変重要なことであります。最近では、留学先や修学旅行などの渡航先で、日本の国歌の意味を教えてほしいと聞かれたときに答えられず、恥をかいたなどというエピソードも伺っております。そうならないためにも、国旗、国歌について教員もその意味を知り、子供たちにしっかり教える必要があると考えておりますが、本県はどのように教師の方に研修などで理解させ、県はその実態を調査しているのでしょうか。
また、まだまだ国旗、国歌の歌詞や意味の理解が足りない子供たちが多数いると感じておりますが、現状はどのように国旗、国歌について教育されているのか、小松教育長にお伺いをいたします。

A   小松弥生   教育長

まず、本県では、どのように教員が研修などで理解し、県はその実態を調査しているのかについてでございます。
全ての子供たちに共通して指導しなければならない内容を定めている学習指導要領では、「国旗・国歌」の意義について、社会科や音楽科、特別活動において指導することとされております。
例えば、小学校社会科では、「我が国の国旗と国歌は、それぞれの歴史を背景に、長年の慣行により、『日章旗』が国旗であり、『君が代』が国歌であることが広く国民の認識として定着していることを踏まえて、法律によって定められていること」を理解できるようにすることとされております。
また、「国旗・国歌はいずれの国でもその国の象徴として大切にされており、互いに尊重し合うことが必要であること」を理解できるようにすることとされております。
議員御指摘のとおり、ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックの機会を捉え、教員に対して、「国旗・国歌」の意義や成り立ちについて、更に理解を促すことは大変重要と考えております。
県としては、教員の理解を問う調査は行っておりませんが、今後、オリンピック・パラリンピックを前に「国旗・国歌」の意義や由来などをまとめた資料を作成し、教員一人一人の理解を深めてまいります。
次に、現状ではどのように「国旗・国歌」について教育されているのかについてでございます。
各学校では、社会科、音楽科において指導を行うとともに、入学式や卒業式などにおける国旗・国歌の指導とを関連付けながら指導しております。
例えば9月24日に、熊谷ラグビー場で行われた、ラグビーワールドカップのロシア対サモア戦において、熊谷市内の子供たちが両国の国旗を掲げ、国歌を歌って歓迎しておりました。
来年は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、本県の子供たちも、今まで以上に諸外国の方と接する機会が多くなると想定されます。
県といたしましては、「国旗・国歌」の意義や尊重する態度の育成に向けて、教員の更なる理解を促すとともに、指導の充実を図ってまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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