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掲載日:2024年10月8日
Q 板橋智之 議員(自民)
本年8月28日、中央省庁が雇用する障がい者数を水増しした問題で、厚生労働省は各省庁を再点検した結果、計3,460人分が国のガイドラインに反して不正に算入されていたと発表しました。障がい者数の約半分が水増しだったことになり、雇用の旗振り役である中央省庁自らが数値を偽っていたことは、障害者雇用率制度を自ら違反したものであり、信頼が大きく揺らいだことにほかなりせん。また、こうした事態は地方自治体でも同様で、埼玉県教育委員会でも明らかになりました。昨日も一般質問でのやりとりがございましたが、これは重大な問題であります。
さて、身体障がい者、知的障がい者及び精神障がい者について、一般労働者と同じ水準において常用労働者となり得る機会を与えることが目的で作られている障害者雇用率制度とは、従業員45.5人以上の民間企業では1人以上雇用しなければならない制度で、従業員数に対して2.2%以上とされています。関連して、障害者の雇用の促進に関する法律を根拠法として特例子会社といった事業主が障がい者の雇用に配慮した子会社を設立し、厚生労働大臣の認可を受けた場合に親会社の障害者雇用率に算入される制度が存在します。一般的には、親会社の日常業務の中で障がい者に適した軽作業に特化した子会社をつくるケースが多いようであります。
そうした中で、今新たな取組が始まっております。それは農業です。農地を所有する農家が農業従事者の高齢化や少子化による後継者不足、農業の採算性の難しさなどで遊休農地の増加が社会問題になっているのは御承知のとおりであります。
そこで、遊休農地や耕作放棄地を活用し、土地の整地からハウスの建設、障がい者を雇用した上で水耕栽培により葉物等の農産物を生産、販売する特例子会社を設立する手法であります。障がい者にとって水耕栽培は体力的な負担も軽く、水と緑と温かい日差しに包まれた就労環境が非常に適していますし、親会社としても実雇用率に算入され、企業のイメージ向上にもメリットがあると言えるでしょう。農と福祉の連携の先進事例として注目すべきものと考えております。
そこで質問ですが、こうした特例子会社による障がい者の農業分野の雇用手法を推進するべきと考えますが、いかがでしょうか、産業労働部長に御見解をお伺いします。
A 渡辺 充 産業労働部長
特例子会社制度は、企業が国の認定を受け障害者雇用に特別の配慮をした子会社を設立した場合に、その子会社で雇用している障害者を親会社の雇用数に算入できる仕組みです。
企業にとっては、障害者が働きやすい仕事の確保が容易になるとともに、職場環境が配慮されたものとなることから職場定着率が高まり生産性の向上が期待できるものです。
また、障害者にとっても個々の能力を発揮しやすい職場環境や就労機会が確保されるなどメリットがあります。
このため、県としても障害者雇用総合サポートセンターにおいて、特例子会社の設立支援を積極的に行っています。
本年4月には、金融機関で県内初となる武蔵野銀行の特例子会社「むさしのハーモニー」が設立されました。
その際にも仕事の切り出しや具体的な雇用管理のアドバイスを行ったところです。
一方で、県内に25の特例子会社がありますが、いずれも農業分野の事業は行っていません。
また、障害者の雇用義務がある県内企業のうち農業分野の事業を行っているのは、昨年6月1日時点で4社であり限られた企業となっております。
さらに、新たに特例子会社として農業分野へ参入することは、年間を通じた業務量の確保や農業経営のノウハウなどの蓄積など様々なハードルがあります。
このような課題はありますが、農業分野の仕事は作業内容が幅広く障害者の特性に適した仕事を見つけやすいという利点もあり大変注目されております。
議員から農業分野の特例子会社設立の推進について御提案がありました。
現在、県内に農業分野における特例子会社はありませんが、設置されれば、障害者雇用の場が広がるとともに、農業分野の担い手としての活躍が期待できます。
特例子会社の設立を考える企業に対し、農林部をはじめ関係部局とも連携を図りながら課題を一つひとつ解決するなど丁寧に対応してまいります。
今後とも、様々な雇用手法を取り入れて障害者雇用の一層の拡大に取り組んでまいります。
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