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掲載日:2024年10月8日
Q 板橋智之 議員(自民)
私は小学生の頃、読書が苦手でした。大人になって、読書量の少ない子供時代を物すごく後悔をしています。
さて、幼少期に本の読み聞かせから始まり、小学生から読書に慣れ親しむことは、表現力が高められ、感性も磨かれ、想像力を豊かなものにして、生きていく力を身に付ける上でとても重要であると考えます。平成13年、子どもの読書活動の推進に関する法律が成立し、4月23日を「子ども読書の日」と定めるとともに、子どもの読書活動に関する基本計画を策定すること、地方公共団体においても国の基本計画を踏まえ、子どもの読書活動を推進する計画を策定するよう努めなければならないこととなりました。
国では、第4次となる計画が平成30年4月に策定され、本県でも現在、第4次計画の改定作業が行われているとお聞きしました。私は、国が第4次の基本計画改定をした際の現状把握と分析、社会を取り巻く情勢変化、主なる課題、そして改定の主なるポイントの資料を担当課からいただきました。その中で、様々な取組がされているにも関わらず、小中高ともに1か月に1冊も本を読まない、いわゆる不読率の改善が十分に図られていないことが課題とされておりました。改善傾向にあるものの、目標値には至っていない原因と対策について、どのように考えているのでしょうか。
私は、司書の役割が重要であると考えます。司書とは、公共図書館等で図書館資料の選択、発注及び受入れから分類、目録作成、貸出し業務、読書内容などを行う専門的職員のことであります。司書は、読書から遠ざかっている児童や生徒に興味を持ってもらうために、様々な事業に対して更なる知恵と工夫が必要ではないでしょうか。
次に、スマートフォンについてです。スマホの普及による読書環境への変化、例えば電子書籍は従来の紙の本と比較して本棚が必要ない、無料で読める本が豊富にある、ウエブ上で本の購入が可能といったメリットがあります。
一方で、実物がないので読んでいる実感が持てない人が多い、紙の本より発売が遅い、紙でしか売っていない本がある、目の疲労がたまるなど、デメリットもあります。今後、どのように位置付けていくのでしょうか。
さらに、1992年にイギリスで始まったブックスタートは、赤ちゃんとその保護者に絵本や子育てに関する情報などを無償提供する制度であります。この制度は、本県においては8割近くの市町村で実施されておりますが、時代に応じた更なる充実を図るべきと考えます。
そこで質問ですが、埼玉県子供読書活動推進計画の改定作業を進める上で、これらを踏まえた教育長の御見解をお伺いいたします。
A 小松弥生 教育長
県教育委員会では、「子どもの読書活動の推進に関する法律」に基づき、「埼玉県子供読書活動推進計画」を平成16年3月に策定し、5年ごとに改定を行っております。
平成26年度から平成30年度を計画期間とする第3次計画には、子供が読書に親しむ機会の提供や推進体制の整備、子供読書活動に関する啓発等の内容を盛り込み、学校、家庭、地域における取組を推進しております。
また、この計画では、普段、読書をしない児童生徒の割合を減らすことを目標に掲げております。
例えば、小学校6年生では、平成25年度の21.0%を平成30年度までに15%以下にすることを目標としておりますが、平成29年度時点で17.9%と、目標値に達していない状況でございます。
目標値に達していない原因としては、読書習慣の形成が不十分であることや、スマートフォンやSNS等の普及により、読書への関心が低くなっていることがあると考えております。
読書をする子供を増やすために、小・中学校では、図書委員を中心とした読書集会やボランティアによる読み聞かせなどを行っております。
また、高校では、学校司書が本の紹介文を集めた読書案内を毎年発行・配布するなどの取組を実施しております。
子供たちが一層読書に親しむには、議員お話しのとおり、本と人とをつなぐ司書の役割は大変重要であり、読書習慣の形成、定着には欠かせないと考えます。
そのため、県立図書館では、児童サービスや学校図書館の活用などに関する司書向けの専門研修を実施するとともに、読み聞かせ等の指導者を育成しております。
今後も、読書の楽しさを子供たちが味わえるような取組を企画・立案・実施できるよう、司書の資質向上を図ってまいります。
また、電子書籍については、近年普及が進んでいる読書スタイルですので、子供たちの読書活動の間口を広げることにつながります。
デメリットを解決する利用のあり方について検討してまいります。
さらに読書活動を推進するため、乳幼児とその保護者に本を手渡すブックスタートや、優良図書の紹介、絵本の読み聞かせなどの取組が広がるよう、市町村に対し積極的に働きかけてまいります。
県教育委員会では、次期埼玉県教育振興基本計画に合わせて、第四次計画の策定作業を進めているところでございます。
改定に当たっては、議員お話しのとおり、乳幼児の時期から本にふれるブックスタートなどの取組の充実や、子供の発達段階に応じた読書活動の展開、また、電子書籍など子供を取り巻く読書環境の変化を踏まえながら、しっかりと検討してまいります。
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