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掲載日:2025年10月27日

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RSウイルス感染症


1 RSウイルスについて

2 主な症状

3 感染経路

4 治療方法

5 予防・対策

1 RSウイルスについて

 RSウイルス (Respiratory syncytial virus, RSV) は世界中に広く分布しており、症状は軽症の感冒様症状から下部気道感染にいたるまで様々です。成人になってからも容易に再感染を起こしますが、乳幼児に多い感染症です。生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が少なくとも一度は感染するとされています。

 終生免疫は獲得されないため、どの年齢でも再感染は起こりますが、一般的には年長児以降では重症化はしません。しかし、初回感染時にはより重症化しやすいといわれており、特に生後6ヶ月以内に感染した場合には、細気管支炎や肺炎など重症化することがあります。ウイルス性下気道炎(気管支炎・肺炎)で入院する幼児の 70%が RSウイルス感染によるとされています。

 感染によって重症化するリスクの高い基礎疾患を有する小児(特に早産児や生後24か月以下で心臓や肺に基礎疾患がある小児、神経・筋疾患やあるいは免疫不全の基礎疾患を有する小児等)や、生後6か月以内の乳児への感染には特に注意が必要です。

 また、慢性呼吸器疾患等の基礎疾患のある高齢者や免疫不全者では、重症化するリスクがあることが知られており、院内・施設内感染や家庭内感染の防止が重要とされています。

2 主な症状

 潜伏期は2~8日とされ、症状としては、軽い風邪様の症状から重い肺炎まで様々です。鼻汁、咳、発熱、などの上気道炎症状が数日続きその後、場合によっては気管支炎や肺炎などの下気道症状が出てきます。

 初めて感染した乳幼児の約7割は軽症で数日のうちに軽快しますが、約3割では咳が悪化し、ゼーゼーと呼吸しにくくなり、呼吸困難、さらに気管支炎の症状が出てきます。呼吸が苦しくなることから、哺乳力の低下(ミルクや食事を飲み込めない)などがみられることがあります。重篤な合併症としては、1歳以下では中耳炎の合併のほか、無呼吸発作、急性脳症等があり注意が必要です。

 

      RSV

3 感染経路

 RSウイルスは主に「接触感染」と「飛沫感染」で広がります。「接触感染」は、RSウイルスに感染している人との直接の接触や、感染者が触れたことで、ウイルスがついた手指や物品(ドアノブ、手すり、スイッチ、机、椅子、おもちゃ、コップ等)を触ったり、なめたりすることで感染することを指します。また、「飛沫感染」は、RSウイルスに感染している人が、咳やくしゃみ、あるいは会話などをした際に口から飛び散るしぶきを浴びて、吸い込むことにより感染することを指します。家庭や施設など、特に密に接する場で広がりやすいと考えられます。

4 治療方法

 特別な治療法はなく、基本的には症状に応じた治療(対症療法)を行います。重症化する場合は入院が必要になることもあり、水分補給や点滴などの全身管理、酸素投与や人工呼吸器での呼吸管理などを行います。

5 予防・対策

感染予防

 基本的な感染対策が有効です。日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはこまめにアルコールや塩素系の消毒剤などで消毒し、流水・石鹸による手洗い、またはアルコール製剤による手指衛生を行うことが重要です。

 鼻汁、咳などの呼吸器症状がある場合、マスクが着用できる年齢の子どもや大人はマスクを使用すること、手洗いや手指衛生といった基本的な対策の徹底、「手洗い」、「咳エチケット」を行うことが大切です。

 

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予防接種など

 生まれてくる子の予防を目的に妊婦に接種するワクチン、60歳以上を対象としたワクチンがあります。

 また、特定対象者については、遺伝子組換え技術を用いて作成されたモノクローナル抗体製剤であるパリビズマブ(Palivizumab)の投与があります。

 

お問い合わせ

保健医療部 感染症対策課   感染症担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎4階

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