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掲載日:2021年3月30日

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答申第169号「回議・合議書(起案日:平成21年12月17日、決済日:平成21年12月17日)及び報告書」についての部分開示決定(平成23年12月13日)

答申第169号(諮問第217号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県知事(以下「実施機関」という。)が平成23年5月6日付けで行った1 回議・合議書(起案日:平成21年12月17日、決裁日:平成21年12月17日)及び2 報告書(以下1及び2を「本件対象文書」という。)を部分開示とした決定(以下「本件処分」という。)は、妥当である。

2 異議申立て及び審議の経緯

(1) 異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成23年4月25日付けで埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し、「旧浦和青年の家跡地における再生砕石撤去工事における盗難及び不審者の侵入の記録」の開示請求(以下「本件開示請求」という。)を行った。

(2) これに対し実施機関は、本件開示請求に係る公文書として3文書を特定し、内1文書を開示決定し、残り2文書(本件対象文書)を条例第10条第3号に該当するとして部分開示決定を行い、平成23年5月6日付けで、申立人に通知した。

(3) 申立人は、平成23年5月13日付けで、実施機関に対し、本件処分の取消しを求めて異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。

(4) 当審査会は、本件異議申立てについて、平成23年6月3日に実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けるとともに、併せて開示決定等理由説明書(以下「理由説明書」という。)の提出を受けた。

(5) 当審査会は、申立人から、平成23年6月30日に意見書の提出を受けた。

(6) 当審査会は、平成23年7月15日に実施機関の職員から意見聴取を行った。

(7) 当審査会は、平成23年8月22日に実施機関の職員から意見聴取を行った。

(8) 当審査会は、平成23年10月31日に申立人の口頭意見陳述を聴取した。

3 申立人の主張の要旨

申立人が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1) 部分開示された「回議・合議書」の決裁日は、平成21年12月17日であり、既に1年半が経過している。また再生砕石撤去工事は竣工し、別の建物も完成していることから、捜査、公訴の維持としての証拠品は撤去された。

(2) 「盗難や不審者の侵入」についての公文書が、犯罪の予防、鎮圧、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすとする因果関係が不明確である。

(3) 埼玉県管財課が係争中の事件は土地売買契約に係るものであり、「盗難や不審者の侵入」と公訴の維持とは関連がない。

(4) 盗難事件であれば当然警察へ被害を届け、捜査がされているであろうが、一般市民が捜査の進展状況を警察から容易に把握することはできない。

(5) 本件の発生場所は工事現場であり、仮囲いと現場事務所(プレハブ)があっただけである。特定の建造物への侵入方法が明記され、再度の侵入が企てられる恐れがある場合とは全く異なる。

(6) よって、本件処分の不開示理由は、合理性を持たず許容されない。

4 実施機関の主張の要旨

実施機関が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

本件対象文書中に記載のある盗難等に関する具体的な内容は、犯罪に関する情報であって、公になれば、当盗難被害についての捜査の有無や進展の状況把握が容易に可能になったり、これを契機として更なる犯罪等が企てられるおそれがあるものである。そのため、当該部分を公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるとして、条例第10条第3号に該当することを理由に不開示とした。

5 審査会の判断

(1) 本件対象文書について

本件対象文書は、1 回議・合議書(起案日:平成21年12月17日、決裁日:平成21年12月17日)及び2 報告書から成り、これらは旧浦和青年の家跡地における石綿含有建材が混在する再生砕石撤去工事現場における盗難(以下「本件盗難」という。)への実施機関の対応について、埼玉県総務部長の決裁を求めた起案文書と埼玉県総務部管財課内での報告書である。

(2) 本件異議申立てについて

本件処分において実施機関は、本件対象文書中、盗難等に関する具体的な内容について記載された部分を不開示とし、その理由を条例第10条第3号に該当するためとしている。それに対して申立人は、「盗難や不審者の侵入」についての公文書が、犯罪の予防、鎮圧、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすとする因果関係が不明確であり、不開示とされた部分は条例第10条第3号を理由とする不開示情報には該当しないとして、本件処分を取り消し、全部を開示するよう求めている。このため、以下、本件処分の不開示部分の条例該当性について判断する。

(3) 条例第10条第3号該当性について

  • ア 条例第10条第3号は「公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報」を不開示情報として規定している。
    同号の趣旨は、地方公共団体の責務として、社会生活の基盤となる公共の安全と秩序を維持し、県民全体の利益を擁護するという観点から、公文書の開示による犯罪の誘発その他の社会的障害の発生を防止しようとするものであると考えられる。
    同号に該当する情報については、その性質上、開示又は不開示の判断に専門的・技術的判断を要すること等の特殊性が認められることから、実施機関の第一次的な判断を尊重するものであるが、その判断については、実施機関の裁量を無制限に認めるものではなく、合理性を持つものとして許容される限度内のものでなければならない。
  • イ 本件対象文書には、本件盗難の具体的な内容とそれに対する実施機関の警察への対応の有無が記載されている。
    実施機関は、本件盗難について、盗難があったという事実を除き内容を一切公表していないことから、盗難の具体的内容は関係者以外知り得ない情報であるといえる。そのため、本件盗難が捜査対象となっている場合はもちろん、なっていない場合であっても、今後の状況によって捜査対象となる可能性がある限り、盗難の具体的な内容を開示することは事前に捜査情報を明らかにするのと同様であり、捜査活動に支障を及ぼすものであるといえる。
    また、実施機関による警察への対応の形態としては、相談、被害届の提出、告訴状の提出のほか、何ら対応をしない場合もあり得る。
    本件盗難について、実施機関による警察への対応の有無を明らかにすることは、本件盗難が警察による捜査対象となっているか否か、捜査の着手がされているか否かを明らかにすることであり、それ自体重要な捜査情報を提供することになる。
    さらに、実施機関による対応の具体的内容が明らかになると、どの程度の案件について実施機関がどのような対応を行うのかを分析することができるようになるため、このような情報の開示により、将来的に何らかの犯罪が誘発され、また、犯罪の実行が容易化するおそれがある。
    したがって、本件盗難の具体的な内容と本件盗難に対する実施機関の警察への対応を明らかにすることは、犯罪の予防又は捜査等の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるとする実施機関の判断には、相当の理由があると認められる。
  • ウ 以上のとおり、本件処分の不開示部分については、条例第10条第3号で規定する「公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報」に該当することが認められる。
    なお、申立人は本件対象文書の決裁日からすでに1年半が経過していること、再生砕石撤去工事は竣工し、別の建物が完成しており、捜査、公訴の維持としての証拠品は撤去されていることを理由として、条例第10条第3号の不開示理由には該当しないとの主張もしている。
    しかしながら、本件処分の理由としての条例第10条第3号該当性については上記イで述べたとおりであり、申立人の主張する事情に左右されるものではないことは明らかである。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
大橋 真由美、尾崎 康、野村 武司

審議の経過

年月日

内容

平成23年6月3日

諮問を受ける(諮問第217号)

平成23年6月3日

実施機関から開示決定等理由説明書を受理

平成23年6月30日

異議申立人から意見書を受理

平成23年7月15日

実施機関から説明及び審議(第二部会第65回審査会)

平成23年8月22日

実施機関から説明及び審議(第二部会第66回審査会)

平成23年9月26日

審議(第二部会第67回審査会)

平成23年10月31日

異議申立人から意見陳述聴取(第二部会第68回審査会)

平成23年11月28日

審議(第二部会第69回審査会)

平成23年12月13日

答申(答申第169号)

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