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掲載日:2024年8月9日
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人に関する記録として「戸籍」があるように、土地に関する記録を「地籍」といいます。
国土調査法という法律に基づいて、日本の国土を正確に、そしてもれなく記録するための土地の基礎調査が「地籍調査」です。
具体的には、市町村が中心になって一筆ごとの土地(一筆地)の所有者、地番、地目、境界、面積等を正確に調査し、測量をおこない、その結果を地図(地籍図)及び簿冊(地籍簿)に取りまとめる作業を言います。
一筆地
登記上の土地の単位のことで、人為的に区画された一個の土地を一筆の土地といいます。
地籍図
一筆ごとの境界を、近代的測量技術をもって正確に測量し作図したもので、土地の境界点の地球上の位置が明らかにされるため、災害等により地形が変わっても、その境界を現地に復元することができます。
地籍簿
土地登記簿の表題部と同じ内容で、一筆毎の土地の所在、地番、地目、面積、所有者について調査確認をした結果を記載したものです。
土地に関する基礎的な資料として、登記所に土地登記簿といわゆる公図が置かれています。
それらの多くは、明治の初めにつくられたものを元にしており、測量の精度が低く、実際の土地と異なっている場合があり、土地に関するトラブルの原因ともなっています。
そこで、最新の測量技術による地籍調査をおこない、正確な地図を作る必要があります。
※字限図(あざぎりず)
明治6年の地租改正条例の施行に伴い、明治初期から中期にかけて作成された野取絵図(のとりえず)をその後、明治中期後半に更正した地押調査図(ちおしちょうさず)のこと。
この地図は当時の測量技術に基づいて作成されているため、正確性には欠けているが、現在も登記事務上貴重な資料として活用されている。
地籍調査は、現にある境界を既存の資料や所有者の立ち会いをもとに確認していく作業です。
立ち会わないと境界を決めることができず、「筆界未定」という処理がなされ、あとでトラブルが起きることがあります。
地籍図と地籍簿は、土地所有者の皆さんに確認していただいた後に、市町村などに保管され、その写しは登記所に送付されます。
登記所では、地籍簿の写しをもとに土地登記簿を修正し、地籍図の写しは登記所備え付け地図として登記事務に活用されます。
このようにして地籍調査の結果は登記に反映されますので、土地の表示や権利の明確化に役立ち、境界紛争の防止などに貢献できます。
また、測量によって個々の土地が地球上の座標値で表示されるため、災害等で現地が変化しても元の位置を確認することができます。
さらに、地籍調査を行えば「どこまでが誰の土地か」が明確になりますので、各種公共工事の計画策定や用地買収の円滑化に役立ちます。
所有の土地については、地籍調査の際、所有者の同意のもとに分筆することや、一定の条件をみたせば合筆することができます。
ただし、名義人の変更については、所有者個人でおこなっていただくことになります。
地籍調査は市町村がおこないますので、原則として皆さんの費用負担はありません。
※私有地の境界杭について、費用を負担していただく場合があります。
地籍調査は市町村が実施主体となって実施します。事業費については、国が2分の1、県が4分の1、市町村が4分の1を負担しますので、土地所有者の皆さんの費用負担は原則ありません。(私有地の境界杭について、費用を負担していただく場合があります。)
さらに、県や市町村の負担分については、国からの特別交付税の対象となるため、それぞれの実質負担は更に少なくなります。
隣接の土地と自分の土地との境界を明確に知ることが大切です。そのために、既設の境界杭等があれば事前に確認しておいてください。
境界杭などの目印がない場合は、隣接の土地所有者とよく話し合いをされ、合意の上で、土地の境界の主要な地点に杭を埋設するようにしてください。
もし、その土地が、山林や原野などで、雑草木が密集している場合は、境界線を中心に1m幅ぐらい早めに伐採して、見通しをよくし、人が自由に通れて、杭打ちや測量ができるようにしておいてください。
市町村の職員や測量会社の者が、一筆ごとの土地について所有者、地番、地目、境界等の現地調査をおこないますので、その際立ち会いをお願いします。
立ち会いをしていただかないと、境界の確認ができず、「筆界未定」という処理となり後々トラブルが起きることもありますので、必ず立ち会うようにしてください。
※「筆界未定」については次ページ参照
なお、市町村によっては、地籍調査が円滑かつ適正に遂行できるよう、実施地域内のかたの中から地籍調査推進委員を委嘱し、土地所有者の意志の疎通や現地調査の立ち会い等重要な役割を果たしていただいています。
測量が終わると地籍図と地籍簿の案を作成します。案ができあがったら皆さんにその旨をお知らせしますので、市町村が指定する場所で、期間内(20日間)に閲覧をしてください。
閲覧の際は、地籍図と地籍簿の案の内容について、誤りがないか、必ず目を通して確認をしてください。
今回の調査で隣接する土地との境界が決まらなかったり、境界付近の草木等が伐採されず、調査や測量ができない場合は「筆界未定地」という処理をすることになります。
筆界未定地になりますと、次のようなデメリットが生じますので、隣接土地所有者及び地籍調査推進委員のかたともよく話し合って、調査前までに是非解決しておいてください。
※筆界未定となった場合のデメリット
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