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ページ番号:280073

掲載日:2026年3月27日

令和8年2月定例会 意見書・決議

意見書・・・・次の14件です。

決議・・・・次の2件です。

 国勢調査の調査方法の見直しを求める意見書 

国勢調査は、統計法に基づき5年に1度実施される、我が国に住んでいる全ての人と世帯を対象とした、国の最も重要な統計調査である。調査結果は、地方交付税の配分基準や市区町村等の地域単位での計画立案、選挙区の区割りなど、各種行政施策の基礎資料として用いられるほか、研究・教育活動、経済活動などの幅広い分野で利用されている。
調査に当たっては、国勢調査令により統計調査員が置かれ、調査関係書類の配布・回収など、調査の円滑な実施と統計の正確性を確保する上で重要な役割を担っている。近年、プライバシー意識や防犯意識の高まりによる調査協力意識の低下、オートロックマンションや単身・共働き世帯など調査員が面接困難な世帯の増加、意思疎通が困難な外国人世帯の増加など、調査環境は厳しさを増している。このような現状においては、現行の調査方法のみによって、正確な世帯状況の把握を継続するのは困難である。
また、調査員の高齢化やなり手不足も深刻であり、令和7年国勢調査において、埼玉県内で任命された調査員は約3万3千人で、国の配置基準に対する充足率は89%であり、60歳以上の者が6割を超える。
国勢調査は、住民基本台帳では代替できない、常住地における人口・世帯の実態把握を目的としており、正確な調査結果を得ることが必要不可欠である一方、社会環境や生活様式の変化等に対応するとともに地方公共団体や調査員の事務負担軽減を図るため、調査結果の正確性を担保しながら調査方法の見直しを行うことが求められる。
よって、国においては、オンライン回答、外国人向けリーフレットの作成や回答の多言語対応、調査票の郵送配布の試行導入など、令和7年国勢調査で実施した調査方法について課題を整理・検証し、次回調査に向けて改善を図るとともに、地方公共団体や調査員の事務負担軽減にマイナンバーの活用が可能か、関連する法制度の状況や各分野での情報連携の進展などを踏まえ、丁寧に検討を進めるよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
デジタル大臣

様                                            

 

 エスカレーターの安全な利用の促進を求める意見書 

国が定めるエスカレーターの安全基準は、ステップ上に立ち止まって利用することを前提としている。しかし、エスカレーターの片側に一列に並び、空いた片側を歩行する利用方法によって、利用者同士の接触・衝突による転倒事故や、歩行の際の振動によるエスカレーターの緊急停止などにつながる危険が生じている。エスカレーターは、けがや障害などにより片側の手すりしか持つことができない人、杖を利用している人、子どもと手をつないで横に並んで乗る人など、様々な人が利用しているため、全ての利用者にとって安全な環境づくりが必要である。
本県は、令和3年3月に、議員提案により「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」を制定した。あわせて、毎年県内の主要駅で、鉄道事業者や民間企業、高校や大学と連携し、安全利用を呼び掛ける街頭キャンペーンを実施している。埼玉県政世論調査では、条例の認知度は令和3年7月の38.3%から令和7年7月は68.9%に、駅でエスカレーターを立ち止まって利用した人の割合は令和3年7月の64.9%から令和7年7月の76.9%にそれぞれ上昇しており、条例の周知と安全利用が着実に進んでいる。
エスカレーターの安全利用の促進については、令和5年3月に名古屋市でも同趣旨の条例が制定され取組が行われているが、国の取組は、ホームページへの掲載や自治体を通じての安全利用の啓発、民間事業者のキャンペーンへの後援など限定的である。
エスカレーターの安全利用の促進は全国的な課題であり、通勤通学等で日常的に他自治体への移動があることに鑑みれば、一部の地方公共団体での取組ではなく、国全体でより強力に取り組むことが必要である。
よって、国においては、全ての利用者がエスカレーターを安全に利用できるよう、主体的に広報啓発活動に取り組むなど、全国でのエスカレーターの安全利用を促進するよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
国土交通大臣
消費者及び食品安全担当大臣

様                                              

 民生委員・児童委員の担い手確保に向けた取組を求める意見書 

民生委員は、民生委員法に基づく非常勤特別職の地方公務員であり、児童福祉法により児童委員を兼務する。その職務は、住民の生活状態の把握や相談・助言、社会福祉事業者等との連携や関係行政機関への協力など多岐にわたり、地域社会に欠かせない存在と言える。
しかし、民生委員・児童委員(以下「民生委員」という。)の担い手不足が深刻化している。令和7年12月の一斉改選時において、さいたま市及び中核市を除いた本県の定数に対する欠員率は12.9%となり、令和4年12月の前回一斉改選時から3.4ポイント悪化した。
本県では、令和5年に、さいたま市を除く県内市町村の民生委員にアンケート調査を実施し、令和6年には「埼玉県民生委員・児童委員活動に関する検討委員会」を設置して、民生委員の活動充実のために必要な支援や環境整備等の検討を行った。委員会では、民生委員の職務の範囲外と考えられる活動を負担に感じていることや、働きながら民生委員活動が継続できる環境づくりが必要であるとの意見、無償での協力制度の継続が厳しい状況になっているとの指摘、年齢要件緩和についての提案などがあった。
単身世帯の増加や地域のつながりの希薄化など、人口構造・社会構造の変容に伴い地域課題は多様化し、民生委員に求められる役割や職務に関する負担が増大する中、国における制度の在り方の見直しや財政措置の拡充が急務である。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。

1 民生委員の活動を整理し、職務範囲を明確化することによって民生委員の負担軽減を図るとともに、協力員制度など地方公共団体の負担軽減策の導入に関し十分な財政支援を行うこと。
2 年齢要件や居住要件の緩和など、民生委員制度の見直しを行うとともに、民生委員活動と就労との両立が可能となる仕組みの導入や事業者への理解促進を行うこと。
3 活動費に係る地方交付税措置を拡充させるとともに、現行の無償制度の見直しを検討すること。
4 民生委員制度に対する地域理解の促進や候補者育成の取組を構築すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣

様                                     

 高次脳機能障害者への実効的な支援の推進を求める意見書 

高次脳機能障害は、疾病の発症や事故による受傷が原因の脳の器質的病変に起因する認知機能の障害であり、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害、失語、失行、失認などが含まれる。
この障害により日常生活や社会生活に制限を受ける人は、厚生労働省の調査によると全国で約23万人に上ると推計されている。しかし、外形上は障害が分かりづらく、障害の特性への理解が十分に進んでいないこと、人材、制度等の社会資源の不足などにより、本人や家族等の意思や状況に応じた適切な支援が受けられない状況が生じている。
このような中、昨年12月16日に、超党派の議員立法により「高次脳機能障害者支援法」が成立し、本年4月1日に施行される。同法は、基本理念として、高次脳機能障害者に対する支援は、社会的障壁を除去し、本人の意思を尊重した自立と社会参加の機会確保のため、年齢や居住地域等にかかわらず、個々の障害の状態や生活の実態等に応じ、医療、リハビリテーション、保健、福祉、教育、労働等に携わる関係者の緊密な連携の下、医療の提供から生活支援、社会参加の支援に至るまで、切れ目なく行われなければならないとしている。また、基本理念に基づく国と地方公共団体の責務を明らかにし、支援に関する具体的施策と、地域支援体制の整備について定めている。
同法の制定は、高次脳機能障害者支援における大きな進展であるが、施行に当たっては、法に基づき具体化された支援が確実に行き届くよう、国の実効的な取組が不可欠である。
よって、国においては、同法の基本理念の確実な実現のため、切れ目のない支援が可能となるよう、支援拠点や地域ネットワークの整備・充実等に係る地方公共団体及び各種団体への支援、障害に関する理解を深めるための普及・啓発等を強力に推進するとともに、必要な財政措置を十分に行うよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣

様                                                 

 医療的ケア者等及びその介護を行う家族への支援の拡充を求める意見書 

人工呼吸器による呼吸管理やたんの吸引などの医療的ケアが日常的に必要な医療的ケア児・者は増加傾向にあり、医療的ケア児・者及びその介護を行う家族を包括的に支援する体制の構築が求められている。
令和3年6月に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が成立し、医療的ケア児の日常生活・社会生活を社会全体で支援するとともに、その家族の離職防止に資するため、国・地方公共団体や、保育所・学校の設置者等の責務が定められた。現在、都道府県で医療的ケア児支援センターの設置が進み、「医療的ケア児等総合支援事業」により地域生活支援が促進されるなど、医療的ケア児とその家族への支援体制は一定程度整えられつつある。
一方、医療的ケア児が18歳で特別支援学校等を卒業した後に支援が途切れてしまう、いわゆる「18歳の壁」が問題となっている。卒業後は、午後6時頃まで開所されている放課後等デイサービスが利用できないため、医療的ケア者は生活介護事業所を利用することが想定されるが、これらの事業所は午後3時から4時頃までに閉所することが多い。国は、令和6年度障害福祉サービス報酬改定で、生活介護事業所等の利用時間を延長する場合の加算を拡充したが、夕方以降の地域での居場所の確保は、依然として困難な状況にある。また、国の報酬が低いため、事業所の看護師等の配置が不十分であったり、医療的ケアを行いながらの送迎を行う事業所が少ないなどの理由から、医療的ケア者の受入先は不足し、送迎は家族の付添いが必要になり、介護負担が増加したり、離職せざるを得ないといった状況も生じている。
医療的ケア児の成人期への移行の際に、社会全体で切れ目のない支援を万全とするための体制を構築し、医療的ケア者等が地域で安心して暮らすことができる居場所を作ることが急務となっている。
また、現在、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」の対象となっていない重症心身障害児・者及びその介護を行う家族についても、年齢に応じた地域での居場所の確保や、介護に伴う心身の負担や離職など、同様の課題を抱えており、医療的ケア児・者と同様に包括的に支援する体制の構築が必要である。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。

1 医療的ケア児への支援が18歳で途切れることのないよう、18歳以上の医療的ケア者も対象とした、「医療的ケア児等総合支援事業」と同等の補助事業を新設すること。
2 生活介護等の事業所において医療的ケアを行う人材を十分に配置できるよう、障害福祉サービスの報酬の在り方を見直すこと。
3 生活介護等の事業所が医療的ケア者の送迎を行えるよう、障害福祉サービスにおける送迎に関する報酬を見直すこと。
4 生活介護等の事業所の時間延長については、令和6年度報酬改定の効果を十分に検証し、実態に即した見直しを行うこと。
5 重症心身障害児・者及びその介護を行う家族についても、医療的ケア児・者と同様に包括的に支援できるよう、法律及び体制の構築を行うこと。
6 障害福祉サービスに係る人材の育成・確保のための施策を拡充させること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
こども政策担当大臣
経済財政政策担当大臣

様                                                               

 社会経済情勢を適切に反映した診療報酬の改定等を求める意見書 

保険医療機関や保険薬局等(以下「医療機関等」という。)は、公定価格である診療報酬により運営されているが、近年の急激な物価高騰や人件費の上昇等の社会情勢に対し、診療報酬の改定が追い付いておらず、その経営状況は著しくひっ迫している。国の調査によると、令和6年度は一般病院の約7割が、一般診療所の約4割が赤字に陥っている。
このような状況の中、国は、令和8年度診療報酬改定において、医師らの人件費などに当たる「本体」部分について、令和8年度に2.41%、9年度に3.77%(2年度平均で3.09%)引き上げることを決めた。そのうち賃上げ分は、令和8年度に1.23%、9年度に2.18%引上げになり、生産性向上の取組と併せて各年度で3.2%(看護補助者及び事務職員についてはそれぞれ5.7%)分のベースアップ実現を支援するための措置とされている。
本体の改定率が3%台となるのは、平成8年度改定以来30年ぶりであり、医療関係者からも一定の評価を得ている一方、医業利益率が経年的に悪化を続けており、特に令和4年以降は物価上昇率が診療報酬本体改定率を大幅に上回っていることや、給与費の伸びが他産業に追い付いていないことに鑑みれば、経営状況の改善に十分な引上げ率とは言い難い。
本県議会は、令和7年10月にも、社会経済情勢を適切に反映した公定価格の改定等を求める意見書を提出しており、医療機関等の経営状況に鑑みれば、早急な財政的支援や抜本的な制度見直しが必要である。
よって、国においては、下記の措置を早急に講ずるよう強く求める。

1 令和10年度改定を待たずして、診療報酬の臨時的な改定や医療機関等への緊急的な財政支援等の措置を講ずること。
2 物価や賃金の上昇など、社会経済の情勢を適時適切に診療報酬に反映させる新たな仕組みを導入すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
経済財政政策担当大臣

様                                             

 子どもの医療費助成制度における窓口負担の無料化対象が拡充可能な仕組みの構築を求める意見書 

全国の多くの自治体において、子どもの医療費の助成が行われている。これらの助成制度は、子育て世帯の経済的負担を軽減し、子どもの保健向上を図るために重要な制度である。
本県の全ての市町村が実施する「こども医療費助成制度」は、18歳年度末までの子どもを対象に、県内の医療機関を受診する際の医療費の窓口負担を無料としている。一方、柔道整復師、はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費(以下「療養費」という。)は、保険医療機関に係る医療費と異なり、窓口負担の無料化に当たっては、各市町村において請求・審査に係る制度構築が必要である。そのため、本県市町村において、子どもの療養費に係る窓口負担の無料化の実施の有無や、実施をしていても対象となる施術所の範囲が異なり、子どもの療養費の窓口負担に大きな差が生じている。
さらには、スポーツ活動などを行う生徒が、継続的にこれらの施術を受ける場合も少なくなく、こうした施術を必要とする子どもを抱える家庭にとって、窓口負担及び償還申請の事務負担は大きなものとなっている。
こうした療養費の窓口負担の問題は、子どもの医療費の助成制度を設ける全国の自治体に共通した課題である。安心して子育てを行うには、居住自治体にかかわらず、同一の取扱いによる受診機会が確保されることが重要であり、療養費についても医療機関と同様に窓口負担が発生しないよう、療養費の取扱いについて見直しを図るべきである。
よって、国においては、いずれの自治体においても、子どもの医療費の助成制度における療養費の窓口負担が無料となるよう、市町村及び施術者等の負担軽減策と併せて、新たな仕組みを構築するよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
こども政策担当大臣

様                                             

 脳脊髄液漏出症に係る後遺障害等級認定の仕組みの構築等を求める意見書 

脳脊髄液漏出症(脳脊髄液減少症)は、交通事故等により体への衝撃が加わり、脳脊髄液が漏れ出すことによって、頭痛やめまい、倦怠感など多様な症状が生じる疾患である。平成28年に硬膜外自家血注入療法(ブラッドパッチ療法)が保険適用となり、専門的な診療体制の整備が進んでいるものの、診察や治療が可能な医療機関はいまだ多くはなく、社会的認知も十分とは言えない。
労災保険では障害等級12級の認定が多く行われているが、自賠責保険における後遺障害等級は適切に認定されておらず、患者やその家族を支援する団体から、多くの患者が救済されていないとの指摘がされている。
一方で、例えば、自賠責保険における高次脳機能障害の後遺障害認定については、平成13年に、専門医を中心とする自賠責保険(共済)審査会において後遺障害等級の認定を行う仕組みである「高次脳機能障害認定システム」が構築された。脳脊髄液漏出症についても同様に、知見を有する専門医によって後遺障害等級が適切に認定され、患者が適切な支援や治療を受けられるよう、体制の充実が求められる。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。

1 自賠責保険における脳脊髄液漏出症に関する後遺障害等級の認定の仕組みとして、専門医による認定システム(脳脊髄液漏出症認定システム)を構築すること。
2 被害者やその代理人及び裁判所等が開示を求めた場合、自賠責保険において後遺障害等級認定を審査した際の根拠資料について、開示される仕組みとすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣

様                                             

 文化財の防火対策の抜本的強化を求める意見書 

文化財は、我が国の歴史と誇りを象徴する国民共有の財産であり、一度失われれば二度と取り戻すことができない。
文化財の防火対策のうち、世界遺産や国宝、重要文化財については、国において「世界遺産・国宝等における防火対策5か年計画」や防火対策ガイドラインが策定され、総合的かつ計画的に対策が推進されている。一方、それ以外の、国登録有形文化財や都道府県・市町村指定の有形文化財等については、全国統一的な防火対策ガイドライン等はなく、消防法や各自治体の火災予防条例に基づき対策が実施されている。そのため、文化財の保護体制に地域差が生じており、加えて個人所有の文化財については防火体制の整備に困難が生じている点が課題となっている。
また、近年、近隣でのたき火の不始末などが原因で、文化財が焼損する事例が生じている。これらは所有者や管理者の努力や注意喚起だけでは防ぎきれないものであり、貴重な文化財を火災から守り、次世代に継承していくためには、防火設備等の整備だけでなく、文化財周辺における火気の使用や可燃物の放置等に対し、より実効性のある法的規制や監視体制が不可欠である。
さらに、所有者に過失のない火災により損傷した文化財の復旧に当たっては、現在も国等から補助が受けられ、災害復旧事業に該当する場合は補助率の加算があるものの、被害の程度によっては多額の負担を強いられることも想定される。国民共有の財産を守る観点から、所有者に過度の負担を強いることのないよう、費用負担の在り方を見直す必要がある。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。

1 世界遺産や国宝、重要文化財以外の文化財についても、それぞれの特性に応じた防火設備等の設置や維持管理に関する防火対策ガイドラインを定めるとともに、防火設備の設置・改修に係る補助制度を拡充すること。
2 文化財の周辺地域におけるたき火等の裸火の使用を厳格に制限・禁止できるよう、消防法等の改正を含めた見直しを行うこと。
3 所有者に過失のない火災により損傷した文化財を復旧する場合に、所有者に過度の負担を強いることのない復旧費用の負担の在り方について検討を行うこと。
4 国民の文化財に対する防火・防災意識を高めるための啓発活動をより一層強化すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
内閣官房長官
経済財政政策担当大臣

様                                             

 北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深めるための広報啓発を推進する決議

北朝鮮による日本人拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる最重要課題であり、その解決のためには、一層の世論喚起が不可欠である。特に、若い世代に、拉致問題は過去の出来事ではなく、現在進行形の人権侵害かつ犯罪行為であることへの理解促進を図ることが重要である。
本県では、令和6年12月、拉致問題の早期解決に資することを目的として「埼玉県拉致問題等の早期解決に向けた施策の推進に関する条例」を制定した。本条例は、拉致問題の早期解決に向けた取組に関し基本理念を定め、県が、拉致問題に関する啓発を積極的に行うことや、学校の授業その他の教育活動において、拉致問題の風化の防止及び拉致問題に関する理解の増進を図るため、必要な施策を講ずるよう努めること等を定めている。
国においても、令和5年4月に、拉致問題担当大臣と文部科学大臣が「北朝鮮当局による拉致問題に関する映像作品の活用促進等について」の通知を各都道府県教育委員会教育長や各都道府県知事宛に発出し、学校等において、これまで以上に拉致問題に関する映像作品等を活用するよう依頼している。
学校等でのアニメ「めぐみ」や映画「めぐみ」、「拉致被害者御家族ビデオメッセージ」や拉致問題解説動画、電子漫画や子ども向けパンフレット等の活用や「北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール」への参加等を通じて、拉致問題に対する理解を促進していくべきである。
よって、本県議会は、県において、北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深めるための広報啓発を推進し、更なる取組の充実を図っていくことを強く求めるとともに、議会としても、これらの県の取組に対し最大限の支援を行っていく。
以上、決議する。

令和8年3月27日

埼玉県議会

 埼玉県立小児医療センターにおける髄腔内注射治療後に生じた事案に伴う原因究明と再発防止の徹底を求める決議

埼玉県立小児医療センターにおける白血病治療の髄腔内注射後、患者が重篤な神経症状を発症するという極めて重大な事案が発生した。本件によりお亡くなりになられた方に対し、謹んで哀悼の意を表するとともに、現在も重篤な麻痺状態にある患者の方、並びに不安を抱える御家族に対し、心よりお見舞いを申し上げる。
同センターは、本県小児医療の要であり、県民から寄せられる信頼は極めて大きいものである。今回の事態を重く受け止め、速やかな原因究明と患者や御家族への誠実なフォローアップを行い、信頼を早期に回復することが不可欠である。
よって、本県議会は、地方独立行政法人埼玉県立病院機構及び県に対し、二度とこのような事案を繰り返すことのないよう、下記の事項を柱とする徹底した原因究明及び再発防止策を速やかに講ずることを強く求める。

1 調査対策委員会の客観性と専門性を担保し、医療職の県職員や更なる外部専門委員を構成員に加えるなど、徹底した原因究明体制を構築すること。併せて、調査の進捗及び結果について、透明性を持った情報開示を行い、県民への説明責任を果たすこと。
2 人体に重大な影響を及ぼしうる薬剤については、厳格な残薬管理体制を確立すること。ハード・ソフト両面から、ヒューマンエラーを未然に防ぐ仕組みを導入すること。
3 被害を受けた患者及びその御家族に対し、誠実な説明と謝罪を行うとともに、身体的・精神的ケアを含めた長期的な支援を組織として継続すること。本件により不安を抱く他の入院・通院患者及びその御家族に対し、適切な情報提供及び相談体制の充実を図り、安心の確保に努めること。
4 小児医療センターにおける安全管理意識の徹底を図るとともに、現場の懸念が速やかに共有される体制を確立すること。また、ガバナンス体制を強化し、医療安全の質を底上げすること。
以上、決議する。

令和8年3月27日

埼玉県議会

 災害級の事故発生時の対応経費について特別交付税措置を求める意見書

令和7年1月28日に埼玉県八潮市内の県道で発生した陥没事故の対応に係る総事業費は、令和8年度当初予算を含め306億円となった。そのうち、120億円は国庫補助金が充当されるが、残りの186億円のうち、県一般会計からの繰り出しが0.9億円、企業債発行が185.1億円となっている。現時点の試算では、企業債に関しては償還時に利金を含め149.6億円の地方交付税措置が見込まれるが、今後見込まれる経費も含め、一般的には120億円を超える費用が中川流域市町の負担となる見込みとなる。そこで本県は、事故のため生じた救助に係る経費や補償費など、受益者負担とすることが適当でないと考えられる経費について、約117.6億円を県一般会計から補助する方針とした。
今回の陥没事故は、我が国で誰も経験したことのない災害とも言える事故であり、国庫補助金及び地方交付税による措置がなされるものの、地方自治体の負担は依然として厳しく、国の特段の配慮が求められる。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。

1 今回の陥没事故の対応に係る事業費については、関係地方自治体の負担も多大になることから、地方交付税(特別交付税)による財政措置など、地方自治体及び住民負担の軽減を図ること。
2 災害に比類するような事故により生じた特別な財政需要に対しては、その復旧等に要する経費を特別交付税に関する省令第2条第1項第1号表又は第4条第1項第1号表に掲げる事項として新たに追加するとともに地方交付税総額の充実を図るなど、財政需要に対応した措置が講じられるよう検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣

様                                             

社会資本施設に起因する事故発生時における経済的損失等の補償制度の構築を求める意見書 

令和7年1月28日に埼玉県八潮市内の県道で発生した、中川流域下水道の下水道管の破損に起因すると考えられる道路陥没事故においては、被害者救出のための土木的措置や復旧工事により、現場周辺の住宅にゆがみやひび割れ等の損傷が発生し、悪臭等により住民の生活上の支障が生じた。また、事故における交通規制や悪臭等の影響により、陥没事故現場周辺の事業者において、事業活動の休止や縮小、事業収益の減少など経済的損失が発生した。
この事故に起因する生活上の支障や経済的損失等に対し、周辺住民や事業者(以下「住民等」という。)からは一刻も早い補償を求める声が上がっていたが、現状では速やかな被災者補償に対応する法や制度がないため、県による補償金の支払い開始まで8か月という期間を要し、その間、住民等の不安や経済的苦境が続くこととなった。
また、その後も、破損した下水道管から発生する硫化水素の影響と思われる自動車メッキ部品・エアコン室外機等の腐食への対応や、硫化水素による健康不安への対応を求める声が住民等から寄せられ、個別に対応が行われているところであるが、住民によるアンケートでは補償が十分でないとの声も本県議会に寄せられている。
下水道などの社会資本施設の老朽化が全国的な課題となっている現在、他の自治体においても同様の事態が生ずる可能性があり、住民等の声を踏まえた補償を速やかに実施できる制度の構築は急務である。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。

1 社会資本施設に起因する災害規模の事故について、事故現場周辺の住民等に対する速やかな支援を可能とする制度を構築すること。
2 下水道は、国の示す方針の下、国費も充当して整備が行われてきたことに鑑み、今回の陥没事故現場周辺の住民等に対する補償について、国においても更なる支援を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
経済財政政策担当大臣

様                                             

 自衛官の処遇改善及び退職自衛官の再就職支援の充実を求める意見書

近年、東アジアを巡る安全保障環境は厳しく複雑な局面を迎えている。我が国周辺での軍事活動の活発化や緊迫する国際情勢に鑑みれば、国民の生命・財産を守り抜く自衛隊の役割はかつてないほど重要性を増している。
本県においても、朝霞、入間、大宮、熊谷の各駐屯地・基地の隊員は、日々過酷な訓練に精励するとともに、大規模災害発生時には県民の安全確保のため不眠不休で献身的な活動を展開しており、その存在は県民の大きな誇りであり、安心のよりどころとなっている。
しかしながら、自衛官の充足率は深刻な状況にあり、少子高齢化による採用難に加え、任期制を含む隊員の中途退職に歯止めが掛からない現状は、国防の根幹を揺るがしかねない危機的状況である。
特に、自衛官特有の24時間態勢での勤務や頻繁な転勤、駐屯地・基地内の隊舎における特殊な生活環境などは、職務の性質上必要なものである一方、現代の価値観や生活様式との乖離があり、生活・勤務環境の改善と特殊な勤務環境に見合った俸給体系の抜本的見直しが急務である。
また、地域人材の確保と活用という観点からも、若年定年制及び任期制により退職する自衛官の再就職支援は極めて重要である。高い規律心と専門能力、そしてチームワーク力やリーダーシップを備えた退職自衛官は、県内企業や地方公共団体の防災部門等においても即戦力となる貴重な人材である。これらの有為な人材が、退職後もその能力を存分に発揮し、本県を含む地域社会に貢献し続けられる環境を整えることは、現役隊員の将来不安を払拭し、ひいては入隊意欲の向上につながるものである。
よって、国においては、自衛隊の人的基盤を強化し、隊員が誇りと希望を持って任務を全うできるよう、下記の措置を講ずるよう強く求める。

1 自衛官の勤務の特殊性及び危険性を適切に反映した俸給体系への刷新とともに、老朽化した隊舎の建て替え・改修や通信環境の整備など、隊員の生活・勤務環境を改善すること。
2 女性自衛官の活躍推進やワーク・ライフ・バランスを考慮した人事制度を確立すること。
3 刷新した生活・勤務環境や人事制度について若者が利用するSNS等で情報発信するなど、人材の確保につながる戦略的な広報活動を実施すること。
4 退職自衛官が地域社会の担い手として円滑に再就職できるよう、再就職先となる民間企業へのインセンティブ付与や、地方公共団体における採用枠の拡大など、支援の充実を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
防衛大臣
内閣官房長官
男女共同参画担当大臣
経済財政政策担当大臣

様                                             

 衆議院議員総選挙(比例代表選挙区)において名簿登載者不足による議席譲渡が生じないよう公職選挙法の改正を求める意見書

令和8年2月8日投開票の第51回衆議院議員総選挙においては、比例代表選挙区で大量得票を果たした自由民主党が名簿登載者不足のため、14議席を他党に渡す事態が発生した。本来、比例代表制は「政党の得票数に比例して議席を分配する」ことで民意を正確に反映させることを目的としているが、現行の衆議院議員総選挙における比例代表制においては、特定の政党が獲得した得票に基づく議席数に対し、当該政党の名簿登載者が不足した場合、その議席を他党へ譲渡する規定(公職選挙法第95条の2等)が存在する。先の衆議院議員総選挙だけでなく、過去にも近年では令和6年投開票の第50回衆議院議員総選挙でも、国民民主党が他党に議席を譲っている。
有権者が特定の政党を支持して投じた一票が、結果として全く異なる理念や政策を掲げる他党の議席として換算される現状は、投票者の期待を著しく裏切るものであり、民主主義の根幹である「民意の反映」にもとる事態と言わざるを得ない。
よって、国においては、名簿登載者不足による議席の他党譲渡を解消し、真に有権者の意思が尊重される選挙制度への改正を行うよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣

様                                             

 適格請求書等保存方式(インボイス制度)の廃止等を求める意見書

令和5年10月に、複数税率に対応した仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入された。
この制度では、インボイス発行事業者ではない事業者からの仕入れでは税額控除ができないため、主に小規模事業者や個人事業者である免税事業者が取引先からインボイス発行を求められ、発行できない場合に、不当な値下げや取引の打切り要求が強まっている。また、インボイス発行事業者になると、消費税の申告・納付が義務付けられ、税負担と事務負担の二重の負担を負うこととなる。制度導入から2年以上が経過したが、インボイス未登録を理由に取引先から取引を停止された、減収や税負担の増加によって経営状況が悪化した、インボイスに係る経理事務が過大な負担になっている、などの訴えが噴出している。
制度導入に当たり、本年9月末までの3年間はインボイス発行事業者になった小規模事業者等の納税額を売上税額の2割に軽減する特例(いわゆる2割特例)や、インボイス発行事業者ではない事業者から行った課税仕入れについても令和11年9月末までは一定割合を仕入税額として控除可能とする経過措置など、事業者支援策が講じられてきた。しかし、「令和8年度税制改正の大綱」では、いわゆる2割特例は終了し、新たに小規模個人事業者について納税額を売上税額の3割とする措置を2年間に限り講ずることや、仕入税額控除に係る経過措置について2年延長の上控除可能割合が段階的に引き下げられること等が示されている。
エネルギー価格や原材料費等の高騰が長期化し、人材不足が深刻化する中で、経営環境は一層の厳しさを増しており、インボイス制度に係る負担を小規模事業者等に求めることができる状況ではない。本県議会は令和6年12月にも、インボイス制度の廃止を求める意見書を提出したが、インボイス導入後の小規模事業者等の苦境や昨今の経営を取り巻く環境に鑑みれば、国の支援措置の拡充や延長ではもはや不十分であり、小規模事業者等の経営の持続化や国内経済の活性化の重要性を考えると、今やインボイス制度そのものを廃止することが最良の策であると言わざるを得ない。
また、電子帳簿保存法によって、契約書などの電子データを一定の形態で保存すること等を義務付ける電子帳簿等保存制度は、特に小規模事業者等からは事務があまりにも煩雑で、事業活動に支障が生じかねないとの声が上がっている。
よって、国においては、インボイス制度等の事業者に過度な負担を与える制度を早急に廃止することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年3月27日

埼玉県議会議長 白土 幸仁

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
経済産業大臣
内閣官房長官
経済財政政策担当大臣

様                                             

 

 

  • 注意:議員の氏名の一部にJIS規格第1・2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。

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議会事務局 政策調査課 政策・法制担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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