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掲載日:2022年10月19日

令和4年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(杉田茂実議員)

県内農業を基軸とした、食料自給社会の早期実現を - 食料自給社会の早期実現に向けた具体策について

Q   杉田茂実 議員(自民)

1点目として、県農業大学校についてお伺いいたします。
県農業大学校の存在は、今後の埼玉農業の将来を大きく左右する存在であると考えます。しかし、特に県内の大学には農学部がありません。したがって、大学との連携や研究部門に弱点があります。農業大学校は全国に42校あります。各々地域の個性が表れているように見受けられますが、ここで学んでみたいと思わせるような個性、特色を打ち出し、全国から受験生が訪れるような魅力ある大学校改革の創出が必要と考えます。
熊谷市に移転当初、隣接の立正大学との協定が締結されていたと記憶しておりますが、その後は連携が深まっているのでしょうか。同大学には地球環境科学部、データサイエンス学部があり、これらは農業振興に不可欠かつ強力なパートナーであると思いますが、今後の連携をどのようにお考えか、お伺いいたします。
2点目として、県農業研究技術センターについてお伺いいたします。
多くの農業技術の実施や農畜産物をデビューさせていることは承知しております。しかし、その取組は、埼玉県民の安全・安心を守るための食料自給活動につながるものでなければなりません。現状の農業環境を分析し、どのような技術研究を推進すべきか、その必要性を見いだした上で技術研究の成果を創出していただきたいのです。
例えば、米の自給率を考えるとあらあらの試算ですが、県内の稲作可能耕地面積が4万900ヘクタールであり、1ヘクタール当たりの収量を5,080キログラムとした場合、1人当たりの年間消費量は50.8キログラムとなるので、368万1,000人分となります。これは県民の約50%の自給率になります。このようにまず根拠を明らかにし、自給社会の実現に向けて県農業技術研究センターだけでなく、農業大学校、農林公社、立正大学をはじめ外部情報を求め、産学官金労との連携を深めることが必要と考えます。
そこで、県農業技術研究センターにおける農業技術や農業畜産物の研究は、何を基準に決定され取り組んでいるのでしょうか、お伺いいたします。
3点目として、農業水利施設についてお伺いいたします。
本年5月17日、愛知県豊田市の明治用水頭首工で大規模漏水が発生するという事故が起こりました。今後の食料自給を目指す生産高を確保するための農業基盤整備として農業水利施設があります。地元熊谷地域を例にとりますと、荒川の六堰頭首工から取水している大里用水土地改良区及び山王用水土地改良区は、管理区域2,900ヘクタールを超える広範囲な農地を潤す土地改良区です。農業水利施設は生産高を左右する重要な基盤を担っており、食料自給に向けて欠かすことのできない施設です。
これらの施設の大半は各土地改良区により維持管理され、土地改良区は組合員の賦課金等によって運営されておりますが、農業従事者の高齢化による担い手の減少等により、とても単独では施設更新が適切に行えない状況にあります。土地改良区にとっては年間予算総額の3倍から4倍にも上る施設更新工事要望が積み上げられております。施設の機能を維持し、農業用水の通水を確保することは、食料の安定供給に欠かせないものですが、県はどのようにして農業水利施設の更新を支援していかれるのかをお伺いいたします。
4点目として、畜産振興の現状と将来像についてお伺いいたします。
令和2年の農業算出額は1,678億円であり、そのうち畜産の産出額は245億円で、野菜831億円、米327億円に次ぐ産出額です。食料自給社会の実現に畜産の存在が大きく影響するはずです。
そこで、酪農、肉用牛、養豚、養鶏の現状と課題についてお伺いいたします。
新しい家畜保健衛生所の再編により、何がどのように変わり、新しい効果が生じるのでしょうか、お伺いいたします。
特に畜産に関しては、さいたま市食肉中央卸売市場が2028年にさいたま市岩槻区に移転、新設されると聞いております。食肉卸売市場と屠畜場が一体化した大規模な施設となるそうです。近くには地域経済活性化拠点として道の駅も整備されるなど、新たな観光拠点としても期待されています。
県は、この食肉卸売市場と屠畜場について、さいたま市とどのように一体感を持ち、連携を図っていかれるのか、お伺いいたします。
農業問題の最後に、興味深い佐賀県知事の去る7月8日会見の一端を紹介します。「国会議員の定数について、仮に食料自給率で都道府県別に置き換えて配分したらどうか試算してみた。ちなみに自給率196%の北海道は12議席が59議席に、95%ので西日本トップの佐賀県は2議席が58議席に、10%の埼玉県は16議席が5議席、1%の東京都は30議席が1議席になる」とのことです。人口だけではなく、様々な要素から考えるきっかけとしてほしいという問題提起でした。「国家の力は地方にあり」との私の信条とも重なり、その思いが県内の南北格差解消にも、ふと重なったところです。

A   小畑幹 農林部長

まず、農業大学校と立正大学との今後の連携をどのように考えるかについてでございます。 
農業大学校では、これまで時代の流れや新たなニーズに対応した魅力ある教育ができるよう、カリキュラムを設定してまいりました。
例えば、全国でも本県を含め2県しかない有機農業を学ぶことができる専攻の創設や、希望進路ごとに必要な知識が学べるコース別学習の実施など、埼玉県独自の取組を行っております。
また、平成26年には立正大学と協定を結び、同大学教授による農業気象学の講義を農業大学校で行う一方、立正大学による農作物の生育診断に係る研究の場を農業大学校が提供するなど、相互に協力してまいりました。
強い農業に支えられた社会の構築に向けては、気象データや作物の生育情報など、様々なデータを分析・活用した効率的な農業生産が不可欠です。
立正大学において、令和3年度にデータサイエンス学部が創設されたことを受け、そのような農業に役立つ教育を強化できるよう、同大学との更なる連携を検討し、魅力ある農業大学校づくりを進めてまいります。
次に、県農業技術研究センターにおける農業技術や農業畜産物の研究は、何を基準に決定され、取り組んでいるのかについてでございます。
県では、埼玉県農林水産業試験研究推進方針に基づき、強い農業の実現に不可欠な生産力の向上などに寄与できるよう、「省力、低コスト、高品質生産技術の開発」などを柱として試験研究を行っております。
本県農業に貢献できる成果をあげるため、具体的な研究課題については、生産者や農業団体などからアイデアや要望を伺った上で、学識経験者などで構成する評価委員会での評価を受けて決定しています。
評価の際には、提案する研究課題ごとに具体的な達成目標を設定した上で、目標設定の明確さ、普及・実用化した場合に農業の発展に貢献する可能性などの観点から精査し、課題を選定しています。
また、議員お話しの他の機関との連携につきましては、農業大学校への実習の場の提供、農林公社の種子生産への技術支援を行うとともに、立正大学からは教授に評価委員として参画いただいております。
こうした体制の中で、適切に研究課題を決定・実施し、強い農業の実現に貢献できるよう、取り組んでまいります。
次に、どのようにして農業水利施設の更新を支援していくのかについてでございます。
農業水利施設は、農業を支える重要な生産基盤であり、議員お話しのように、食料の安定供給のために欠かせない施設です。
このため、県ではこれまでも受益面積が100ヘクタール以上の基幹的な施設などについて、劣化等の機能判断を行った上で、計画的に施設の補修や更新を進めてきました。
一方、主に土地改良区が更新整備を行う、農地周りの小規模な施設については、議員御指摘のように、多くの整備要望が挙げられているところです。
こうした要望について、即座に全て対応することは困難ですが、県では、緊急性や施設の重要性に応じ、県費単独土地改良事業や土地改良施設維持管理適正化事業により順次整備を後押ししてきました。
今後、県としてこれまで以上に土地改良区と連携し、より補助率の高い国庫補助事業の活用に取り組むことにより、小規模な施設を含め効率的に整備を進められるよう支援してまいります。
次に、畜産振興の現状と将来像についての酪農・肉用牛・養豚・養鶏の現状と課題についてでございます。
議員お話しのとおり、令和2年における本県の農業産出額のうち、畜産の産出額は245億円で約15%を占めており、野菜・米に次ぐ本県農業の基幹部門であると考えています。
これまで、本県における家畜の飼料はほとんどを輸入に依存してきており、今般の輸入飼料の価格高騰により大きな影響が生じているところです。
このため、畜産振興においては今後輸入飼料への依存の低下を図っていくことが重要な課題となっており、今議会でも、自給飼料の生産支援に係る事業を提案させていただいたところです。
このような課題の解決に取り組むことで、国際情勢に影響されにくい構造への転換を図ってまいります。
次に、新しい家畜保健衛生所の再編により、何がどのように変わり、新しい効果が生じるのかについてでございます。
本県の家畜保健衛生所、いわゆる家保については、現在熊谷市、川越市、さいたま市の3か所に設置している体制から、今後、県北に新たな家保を設置して川越市との2か所体制に再編することとしています。
これは、都市化が進む中、かつては県内の広い地域で飼われていた家畜が、現在では8割が県北地域に集中していることを踏まえ、家保の体制を強化しようとするものです。
また、この再編の際には、現在さいたま市に置かれている、家畜の病気の診断のために精密検査を行う病性鑑定部門を、県北に新たに設置する家保に移管することとしています。
このことにより、家畜伝染病の疑いのある家畜について、多くの事例で速やかに検査・診断を行うことが可能となり、より効果的にまん延防止を図ることができるようになると考えています。
次に、食肉卸売市場と、と畜場の一体的なグランドデザインを描く上で、さいたま市とどのように一体感を持ち、連携を図っていくのかについてでございます。
さいたま市食肉中央卸売市場とと畜場は、本県の食肉流通における基幹的施設であり、県民の食の安全・安心や、県産食肉の円滑な流通を確保する上で、重要な役割を果たしています。
県として、県内の食肉の流通合理化を図るため、さいたま市と他の県内と畜場開設者との意見交換の場を設けるなど、再整備の実現に向けた調整・支援を行ってきました。
さいたま市の計画では、新施設は道の駅と一体的に整備することとされており、安全・安心な食肉の供給のほか、食の連携・交流拠点、食育・地産地消拠点、輸出拠点などもコンセプトとされています。
このため、県内畜産農家にとって、地産地消を後押しする効果や、輸出を含め販路が拡大する効果が期待され、県内畜産農家の所得向上にもつながり得るものと考えています。
こうした観点から、さいたま市食肉中央卸売市場とと畜場の移転・整備とコンセプトの実現に向け、さいたま市と連携・協力して取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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