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掲載日:2021年10月21日

令和3年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(石渡 豊議員)

介護人材の確保・定着と空床の目立つ特別養護老人ホームについて

Q   石渡 豊 議員(公明)

本県は、このたび特別養護老人ホームの実態調査をいたしました。対象施設数は435施設、有効回答数は433施設。
集計結果から質問を行います。
まず、介護職員の不足感と県施策の活用状況を見ます。
介護職員の不足感では、「適当である」との答えは93施設で21.5%でした。それに対し、「大いに不足」「不足」「やや不足」との回答、この3つの回答を合わせますと、340施設となり、78.5%が不足感を訴えております。
続いて、県施策の活用状況を見ます。県事業についての認知度が分かりますので申し上げます。
本件が事業化した施策とは、介護人材の雇用推進事業であったり、人材の養成・確保・就労支援の事業であったりと、とても必要な施策と考えます。その上でのことですが、「本県の事業そのものを知らなかった」と答えた施設があまりにも多いのです。
「知らなかった」と回答した施設の数、その割合を申し上げます。まずは少ない方から。1、介護職員雇用推進の事業は56施設、12.9%。2、介護助手の養成・確保の事業は117施設、27%。3、高齢者等介護職員就労支援の事業は161施設、37.2%。こうした回答です。
ところで、国は高齢者人口が3,900万人を超える2040年度に、介護の職員の必要数を推計280万人と発表いたしました。全国では現在の211万人から69万人を、本県でも推計4万6,000人を増やさねばならない計算となります。
介護の職場は、人手があってこその職場であります。人手不足とは根本をなす重大な問題です。土台そのものが崩れてしまいます。不足しますと、職員の負担が重くなります。そうなりますと、今働いている職員の更なる離職を招いてしまうという悪循環に陥るおそれがあります。もとよりですが、職員の確保ができなければ、施設を増やすのは難しくなります。
それでは、お伺いいたします。
1点目は、本県の介護人材の確保と定着のための3つの事業ですが、3事業それぞれ、その予算とその成果をお聞かせください。
2点目は、本県の施策事業の内容ですが、施設に対して更なる周知を図ることが必要と考えます。どのように周知させていくのか、お答えください。
3点目は、本県内の特別養護老人ホームですが、空床、空きベッドです。空床が目立つ施設が見受けられます。介護施設の中でも特別養護老人ホームには、1床300万円の補助が本県からなされております。100床の施設で10床が空床となっているというのは、やはり問題があると思わざるを得ません。運営する社会福祉法人自体の自己改革では、空床問題を解決できない施設もあるかと思います。
お伺いいたします。
本県は、特別養護老人ホームに空床が生じている状況において、どのような考え方で施設の整備を進めていかれるのでしょうか。また、空床の原因の究明と改善のための助言、これをすべきと考えますが、どのように取り組まれていかれますか。
以上3点、福祉部長の御所見をお伺いします。

A   山崎達也 福祉部長

本県の介護人材の確保と定着のための3つの事業について、それぞれの予算とその成果についてでございます。
1つ目の介護職員雇用推進事業は、介護の仕事の経験がない方を対象に、130時間の介護職員初任者研修を受講していただき、就職先とのマッチングまで支援するものです。
予算額は令和3年度当初で申し上げますと2億9,234万2千円、実績は令和2年度で申し上げますと就職者は276人です。
2つ目の昨年度から開始した介護助手の養成・確保事業は、子育て中など生活スタイルに合わせた主に短時間での働き方を希望する方を対象に、21時間の入門的研修等を受講した後、就職先とのマッチングを行うもので、予算額は2,743万1千円、就職実績は47人です。
3つ目の高齢者等介護職員就労支援事業は、60歳以上のシニアの方を対象に、入門的研修等を受講していただいた上で、就職先とのマッチングを行うもので、予算額は2,751万8千円、就職実績は6人です。
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響があり、特に高齢者の方はコロナ禍の中、研修まで参加していても最終的に就職をためらう方が多く、全体的に実績が伸び悩みました。
次に、県の施策事業の内容について、施設にどのように周知させていくのかについてでございます。
議員からお話のありました、今回の実態調査の結果を踏まえ、県の事業について施設への周知を更に力を入れて進める必要があると考えております。
これらの事業につきましては、介護事業者向けの県ホームページである「さいたま介護ねっと」への掲載や、事業の趣旨や利用方法を記載したチラシの配布などにより、各施設にその活用を促してまいりました。
今後、各施設にメールも活用してきめ細かく情報提供を行うとともに、関係団体と連携し、会議や研修会等の場を活用しながら、事業のメリットを説明していくなど一層の周知に努めてまいります。
次に、特別養護老人ホームに空床が生じている状況において、どのような考え方で施設の整備を進めていくのか、また、空床の原因の究明と改善のための助言にどのように取り組んでいくのかについてでございます。
県では、高齢者支援計画において、市町村の整備意向などを踏まえて、特別養護老人ホームの施設整備目標を定めています。
その上で、毎年度、入所希望者数の見込みだけでなく空床の状況も踏まえて、圏域ごとに施設整備枠を定め、真に必要な施設の整備を計画的に進めているところです。
空床については、令和3年4月1日現在、県所管の特別養護老人ホームでは80施設で658床生じております。
このうち、10床以上の空床が生じている施設は、3割弱に当たる22施設となっており、これらの施設で空床全体の約7割を占めています。
このため、県では、この22施設に対し、重点的に指導や支援を行っております。
具体的には、職員が施設を訪問して空床が生じている要因を分析し、その結果を基に指導方針を立て、空床の解消に係る取組を定期的にフォローしています。
施設の運営や職場環境に課題がある場合には、介護施設の経営に関する専門的な支援機関である介護労働安定センターと連携して経営改善に向けた助言や支援を行っています。
特別養護老人ホームは、高齢者の生活を支える貴重な地域資源です。入所が必要な方々のために有効に活用できるよう、空床解消にしっかりと取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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