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掲載日:2024年10月17日

令和3年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(石渡 豊議員)

良きパートナーである動物と私たち県民が共生する埼玉県を

Q   石渡 豊 議員(公明)

このコロナ禍の中、自宅で過ごす時間が多くなり、生活に癒しを求めてペットを飼う人が増えております。一般社団法人ペットフード協会の全国犬猫実態調査2020年によりますと、昨年1年以内に新たに飼われた犬と猫は、合計で約95万頭となり、2019年と比べて約15%の顕著な伸びとなりました。
一方、動物を虐待するケースは後を絶ちません。国は、動物の愛護及び管理に関する法律を改正し、この6月には動物取扱業者に対する数値規制など具体的な基準が施行されました。また、本県も法改正に伴い、埼玉県動物愛護管理推進計画を改定し、動物取扱業の適正化を推進しております。
それでは、お伺いいたします。
1点目は、動物取扱業が犬猫を飼養する、すなわち飼うに当たり、管理基準が厳格化されたとお聞きしましたが、具体的内容をお答えください。
2点目は、県所管の動物取扱業の施設数をお答えください。あわせて、厳格化された管理基準を経過措置期間中に遵守、適用させるために、保健所はどのように施設調査、確認を行っていきますか、お答えください。
3点目は、マイクロチップの装着についてです。
来年6月から義務付けされるとお聞きしました。以前、保健所の職員の方からは、「首輪が外れても飼い主が分かるのがマイクロチップです。マイクロチップさえつけていれば」というお話を聞きました。獣医師の方からは、「一生一緒にいようねという飼い主とペットとの愛の絆、それがマイクロチップなのです」とお聞きしました。マイクロチップの装着と登録について、飼い主が関わるその手順と負担が県民には分かりません。本県はどのように啓発するのかお聞かせください。
4点目は、災害時のペットの同行避難について伺います。
ペットを連れた被災者が周囲への遠慮から避難所での生活を避け、車中泊や損壊した自宅にとどまる、こういったケースが2011年東日本大震災や2016年熊本地震の折に報じられております。正にペットの同行避難の難しさです。
本県は、ペット同行避難ガイドライン(避難所運営編)を作成し、市町村に提供しております。このガイドラインにのっとって市町村が開設、運営、図上訓練をする避難所の好事例、これをお示しください。今後、市町村からの意見や要望などを基にバージョンアップを図られていくと考えます。どのような意見や要望が市町村から寄せられておりますか、お答えください。
以上、保健医療部長の御所見をお伺いします。

A 関本建二 保健医療部長

「動物取扱業者が飼養する犬猫の管理基準について」でございます。
動物取扱業者が飼養する犬猫の管理基準につきましては、動物愛護法の改正に伴い具体的な数値基準が示されたことで、動物取扱業者には、自らが飼養する犬猫について、より厳格な管理が求められることになりました。
数値基準のうち主なものといたしましては、従業員1人当たりの飼養頭数について犬20頭又は猫30頭を上限とすることや、犬1頭当たりの生涯出産回数について6回を上限とすることなどをはじめ、収容スペースの大きさに関しても細かく数値化された基準が示されました。
次に、「動物取扱業の施設数と経過措置期間中における保健所の施設調査等について」でございます。
県が所管する動物取扱業は本年7月時点において2,012施設であり、そのうち新たな数値基準の適用対象となるのは1、502施設であります。
法改正に伴う新たな基準につきましては、内容に応じて1年から4年の経過措置期間が設けられておりますが、各事業者においては、この間に基準に適合できるようしっかりと準備していく必要があります。
特に、収容スペースに関する基準につきましては、設備の増設や施設の改修などが必要となるケースもあるため、犬猫の飼養頭数が多い施設ほど、基準の適合に要する費用や時間などの負担が大きくなることが想定されます。
このような施設に対しては、保健所が経過措置期間中に行う現地調査を優先的に行うことで、調査の結果、改善を要する指導が生じた場合でも、業者が時間に余裕を持って改善に当たれるようにしてまいります。
次に、「マイクロチップの装着と登録に関する飼い主の啓発について」でございます。
法改正に伴い、令和4年6月から犬猫の飼い主に対して、マイクロチップの装着と登録が努力義務になるとともに、既にマイクロチップが装着された犬猫の所有者が変わった場合には、飼い主情報の変更登録が義務付けられました。
本県のマイクロチップ登録数は、令和2年度末時点で、犬猫合わせて約22万件、全国第3位となっております。
ただし、この数は県内の飼い犬、飼い猫の総数に対して約21パーセントに留まっており、飼い主の理解を更に促していく必要があります。
近年は、迷子の犬猫がマイクロチップのおかげで飼い主に返還されたケースも増加しており、また、通常の迷子札のように外れてしまうことがないマイクロチップは、災害時の備えとしても大変有効です。
お尋ねのマイクロチップの装着・登録の手順や費用については、今後、国が政省令で定めることとされております。
マイクロチップの利点や、装着・登録の手順、費用負担については、県ホームページをはじめスマートフォンアプリ「まいたま」や公式SNSなどを通じて、啓発・周知に努めてまいります。
最後に、「災害時のペット同行避難について」でございます。
県では、市町村が「ペット同行避難」の体制を整える上で必要な手順等について解説した「ペット同行避難ガイドライン」を令和2年度に作成し、全市町村に配布したところです。
ガイドラインの作成以降、幸いにも、実際に避難所を開設する状況には至っておりません。
なお、図上訓練につきましては、本年2月に環境省、越谷市及び日本獣医生命科学大学の協働による「ペットの災害対応に係る図上訓練」が開催されており、本県もオブザーバーとして参加いたしました。
図上訓練の中では、本県作成のガイドラインに則ったシミュレーションなども行われております。
議員御指摘のとおり、ガイドラインのバージョンアップを図るため、先頃、全市町村を対象にアンケート調査を行い、ガイドラインに対する意見などをお寄せいただいたところです。
アンケートの結果につきましては、現在集計中ですが、寄せられた意見には、「ペットの避難所におけるトラブルの防止や対処法を例示してほしい」や「限られたスペースを有効活用する方法を示してほしい」といったものがございます。
こうした意見を取り入れながら、より実効性の高いガイドラインにバージョンアップを図ってまいります。
今後も、市町村と連携を図りながら災害時にペット同行避難が円滑に実施されるよう一層努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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