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ページ番号:200745

掲載日:2021年7月9日

令和3年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(岡村ゆり子議員)

離婚前後の支援と養育費確保について- 離婚前の相談体制の強化について -

Q   岡村ゆり子 議員(県民

厚生労働省の人口動態統計を見ますと、2019年の婚姻件数約59万9,000組に対し、離婚件数は約20万8,000組で、離婚件数を婚姻件数で割りますと34.8パーセントという数字になり、3組に1組が離婚していることになります。
そのような状況で、養育費の不払いが大きな問題となっております。
全国で約140万世帯とされるひとり親家庭で育つ子供たちの日々の暮らしに直結する生存保障の問題です。
「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」によりますと、離婚の際に「養育費の取り決めをしている」と回答したのが42.9パーセント、母子世帯において「離婚した父親から現在も養育費を受けている」との回答は24.3パーセントにとどまっており、父母の離婚後、別居している親から養育費の支払いを十分に受けていないことが、ひとり親世帯の貧困の要因の一つであるともいわれております。そもそも離婚の際に養育費の取決めを行っていないというのも問題です。
また、法務省が未成年時に両親の離婚・別居を経験した20代から30代の男女1,000人を対象に、生活に与えた影響や当時の気持ちなど約80項目を尋ねた初の調査結果では、別居後の生活は「金銭面で苦しくなった」「若干苦しくなった」が計40.5パーセントという数字も示されております。
子供のために離婚後は当然のこととして養育費が支払われる、子供のための養育費に親の都合での不払いは許さないという社会の実現には、個々の事情もあり乗り越えるべき問題や課題が多いことは理解しております。
子供の権利の確保や行使のために当事者の負担や簡便性と安全性を十分に図りつつ、各段階で適切な伴走型のサポートを行政が行っていく必要性を強く感じ、以下質問いたします。
離婚前の相談体制の強化についてです。
現在本県では、市町村の窓口にチラシを配布し、離婚に関する法律相談の周知を行っております。離婚を含めた全ての法律相談の件数は、平成29年度82件、30年度109件、令和元年度113件と増加傾向にございます。
そこで県では、今年度より法律相談体制を強化し、休日も相談日を設け対応しているとのことです。一方で、家庭裁判所では、父母に対し父母間の紛争が子に与える影響、紛争下にある子供の心理等に関する知識や助言をする親ガイダンスを行っております。
先ほどの調査では、「別居前に父母の不仲を知っていた、薄々感じていた」と答えた方が計80.8パーセント、当時の気持ちは「仲直りしてほしい」が30.4パーセントという結果に対し、「早く離婚してほしい、別居してほしい」という回答も21パーセントございました。別居時の状況を覚えている人のうち、「悲しかった」は37.4パーセント、「ほっとした」という回答も14.・3パーセントになっており、これらの結果からも子供の複雑な気持ちを推察することができます。
法律相談だけではなく、親ガイダンスのような離婚による子供への影響、子供の心理、それに加え、養育費の取決めの意義について離婚前に情報提供を行うことも必要であると考えます。現在の法律相談に加え、子供の福祉もしっかりと踏まえた相談ができるようにすべきと考えますがいかがでしょうか。福祉部長の御見解をお聞かせください。

A   山崎達也 福祉部長

離婚前の相談対応に当たっては、子供の最善の利益も踏まえ、議員お話しの子供の福祉に十分配慮することが重要と考えます。
現在、主な離婚前の相談支援として、県福祉事務所や市に配置されている母子・父子自立支援員による相談や、県が母子寡婦福祉連合会に委託して行う無料法律相談があります。
母子・父子自立支援員による相談内容は、離婚後に生じるであろう子供の生活や就学・就職も含め多岐にわたります。
親と子供それぞれの視点に立ち充実した相談を行うためには、何より職員の質を高めることが重要です。このため、これまで年3回の研修の中で、寄り添う援助者としてのソーシャルワーク技法など伴走型支援の必要性の講義を行いました。
引き続き相談支援に当たっては、子供の福祉へ配慮していくという職員の意識共有と対応能力の向上を図ってまいります。
また、養育費など法律面からの対応が必要な方には無料法律相談を御案内するとともに、当事者間の問題に加え、面会交流の場の設定や頻度など子供にも配慮した助言が行えるよう努めてまいります。
今後も市町村や関係団体と連携し、子供の福祉を踏まえた相談を実施できるようしっかり取り組んでまいります。

再Q   岡村ゆり子  議員(県民

今の答弁の中で、子供の福祉を第一に考えて、また専門的な研修も更にしていくということが体制強化につながるという御答弁であったと思うんですけれども、そういった相談をよりしていただきやすくするためには、いかにアクセスしてもらうかですとか、SNSを活用するですとか、そういった相談も多様性を持ったほうがいいと私は思っているんですね。
そうすることで相談体制の強化にもつながると考えるんですけれども、福祉部長の御見解をお聞かせください。

再A   山崎達也 福祉部長

確かに議員のお話のとおり、そういった多様性というのは必要だというふうに考えております。
御質問の中にもありました親ガイダンスというようなお話が例としてございましたけれども、これは子供の福祉を最優先とした解決策を探る上で重要性の理解を促すということでございますけれども、そうしたことを職員がみんなで共有してやっていくと。
それで、子供のほうにしっかりと能動的にアクセスしていって、子供の気持ちを引き出していくということが大事だと思っていますので、そのように取り組んでいくよう職員のほうも指導してまいりたいというふうに考えております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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