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掲載日:2023年12月18日

令和2年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(水村篤弘議員)

悪質クレーム対策について

Q  水村篤弘  議員(民主フォーラム

消費者からの苦情については、真摯に受け止めて対応することがサービス向上や社会全体の利益につながります。しかし、ここ数年、人格を否定するような暴言や同じ内容を何回も繰り返すクレーム、長時間拘束や土下座による謝罪の要求など、明らかに一般常識を超えた悪質クレーム、迷惑行為が深刻な問題として注目されています。このようなクレームは働く人に大きなストレスを与え精神疾患を招くだけでなく、働く魅力を阻害して働き手不足を助長しています。また、販売機会のロスや対応コストの負担により企業利益を損なうことはもちろん、働く方の賃金の減少や物価の上昇という形で消費者の利益も損ないます。
流通業やサービス業などで働く方を中心に組織される労働組合UAゼンセンが2017年に行った悪質クレーム対策アンケート調査では、「業務中に来店客からの迷惑行為に遭遇したことがありますか」という問いに対して、70%の方が「ある」と回答しており、その結果、9割の方が「ストレスを感じた」と回答しています。特に今年はコロナ禍の中でマスクや消毒液の欠品が続いたことから、早く商品を陳列するよう要求したり、マスク着用を求めることへのクレームなど、エッセンシャルワーカーの方々に対して理不尽な悪質クレームが相次ぎ、私の元へも多数の相談が寄せられました。
以上を踏まえて質問は、一点目、コロナ禍においても悪質クレームを行わないような倫理的な行動を促すために、関係業界や団体と連携して啓発活動や消費者教育を更に行っていくべきと考えますが、県民生活部長の御見解をお伺いいたします。
二点目、埼玉県でも実態を把握して対策を研究するために、東京都で実施したような実態調査を行うべきと考えますが、産業労働部長の御見解をお伺いいたします。
三点目、悪質クレーム対策のよりどころがないため労働者が困っている現状があります。例えば悪質クレームか否かを客観的に判断できる目安を作成したり、事業主に悪質クレームから労働者を守るための措置を義務付けるなど、悪質クレーム対策のよりどころとなる基準の策定が必要だと考えますが、産業労働部長の御見解をお伺いいたします。

A  山野均  県民生活部長

悪質クレームを行わないような倫理的な行動を促すために啓発活動や消費者教育を更に行うことについて、お答えを申し上げます。
商品やサービスの購入において不都合があった場合に、消費者が事業者に交換や取消を求めることは正当な権利として認められております。
しかし、その要求が一般的な常識の範囲を超え、議員御指摘のように従業員の安全な就労環境を脅かすようなものであってはなりません。
豊かで安定した消費生活を実現するには、責任ある消費行動によって、事業者と消費者が互いの立場を尊重しあう社会を構築することが必要です。
そこで県では、消費生活講座を令和元年度267回開催した他、彩の国くらしレポートを5万3,000部、リーフレットを4万7,000部発行・配布して、消費者の自立を促しています。
その中で、例えば令和元年12月の「彩の国くらしレポート」では、「悪質クレーマーにならないために」と題して、消費者に冷静な行動を求めました。
また、本年6月、新型コロナウイルス感染症の拡大により、生活必需品に欠品が生じた際には、一人ひとりの気づかいが大切であることをリーフレットで呼びかけました。
今後とも、関係団体などの意見を伺いながら、コロナ禍においても適切な消費行動が行われるよう啓発活動や消費者教育を強化してまいります。

A  加藤和男 産業労働部長

悪質クレームに対する実態調査についてお答えを申し上げます。
一部の顧客等からの悪質クレームや暴力等の著しい迷惑行為は、ハラスメントの一つとしてカスタマーハラスメントと称され、労働者に大きなストレスを与え、就業環境の悪化に繋がります。
県では、毎年、県内事業所を対象にした就労実態調査を実施しており、現在調査中の今年度の調査ではテーマの一つとして職場のハラスメントを取り上げ、カスタマーハラスメントの有無についてお尋ねをしております。
まずは、今年度の調査結果をしっかり分析をし、その上で、さらなる詳細調査について検討してまいります。
次に、悪質クレーム対策のよりどころとなる基準の策定についてでございます。
悪質クレームを含むカスタマーハラスメントについては、職場のパワーハラスメント対策を定めた労働施策総合推進法に基づく指針において、対策を取ることが望ましい取組に位置付けられております。
この指針では、カスタマーハラスメントを防止する有効な手段として、対応マニュアルの作成などが挙げられております。
悪質クレーム対策のよりどころとなる基準の策定につきましては、来年度、厚生労働省がカスタマーハラスメント対応企業マニュアルを作成する予定とお聞きしております。
県といたしましては、事業主がカスタマーハラスメントに適切に対応できますよう、厚生労働省が作成予定のマニュアルについて、県のホームページやセミナーにより、県内事業者に対する周知を徹底してまいります。
今後とも、悪質クレーム対策について県内事業者にしっかりと周知し、就業環境の悪化防止の支援に努めてまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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