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掲載日:2021年10月11日

平成30年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(小林哲也議員)

子宮頸がん予防ワクチンの情報提供について

Q   小林哲也  議員(自民

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスの感染を主な原因とするがんです。罹患率は出産年齢と重なる20代後半から40代前半にかけて上昇し、国内では年間約1万人が罹患、約2,700人もの方々が亡くなっています。子宮頸がんは早期に発見できれば完治する可能性が高い病気ですが、病状が進むと子宮を摘出する手術に至るなど妊娠、出産に影響するだけでなく、若い女性の命に関わる深刻な病です。
主な原因であるヒトパピローマウイルスの感染を予防するためにはHPVワクチンを接種することが有効であり、海外の調査ではワクチンの導入により感染率が減少したとされています。現在70か国以上で唯一がんを予防できるワクチンとして定期予防接種の対象となっており、さらにオーストラリアなど11か国では、感染源となる男性も接種対象となっています。
一方、日本では、平成25年4月から12歳から16歳の女性を対象として定期接種となり、公費による助成を受けられるようになりました。しかし、ワクチン接種後に体の痛みなどの健康被害を訴える事例が多数報告されたことにより、同年6月14日からは積極的な推奨が行われなくなったため、一時は70%以上に達した接種率は1%未満まで減少しています。
私は、去る4月22日に、埼玉県産婦人科医会が主催する子宮頸がんの公開講座に参加する機会を得ました。この中で、子宮頸がんの治療経験を持つ女性からの貴重な体験談を伺うことができました。お話を伺いながら、ワクチン接種率の極めて低い我が国においては、多くの女性が子宮がんで子宮を失い、出産の機会を失うとともに、将来ある若い世代の大切な命が奪われる事態となってしまうのではないかとの危惧を抱きました。
治療により子供を持つ望みを断たれた方からは、「がんになる前に戻れるなら絶対にワクチンを接種したい」との声も耳にする中、ワクチンの有効性や健康への影響など正しい情報を得ることにより、接種の対象となる若い女性や保護者が自らの判断で接種の是非を決断することができます。
そこで、国がワクチンの積極的奨励の中止を継続している状況であるとはいえ、子宮頸がんの予防が期待できるワクチンとして県民に正しい情報を速やかに提供することが極めて重要と考えますが、保健医療部長の見解をお伺いいたします。

 

 

 

 

A   本多麻夫   保健医療部長

子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染であり、国は、HPVワクチン接種による子宮頸がんの予防効果について、45%から65%と推計しています。
ワクチン接種によって子宮頸がんの発症そのものを防ぐことができれば、子宮頸がんで苦しまないですみます。
このため、HPVワクチンの予防効果について、県民に正しい情報を提供していくことは、重要なことであると考えております。
一方、国内におきましては、ワクチン接種後の症状として、慢性疼痛や機能性身体症状など、重い症状も報告されております。
国では、この問題について、「厚生科学審議会、予防接種・ワクチン分科会、副反応検討部会」におきまして検討しておりますが、まだ、因果関係について明確な結論は得られていない状況となっております。
県民の皆様がワクチンの有効性について理解して、安心して接種を受けていただくためには、国において十分な検証を行い、一刻も早い因果関係の解明や国民への適切な情報提供が必要と考えます。
県といたしましては、これまでに分かっている知見をまとめた保護者向けのリーフレットを市町村や医療機関に提供し、ワクチンの有効性や副反応に関する情報提供に努めているところです。
因果関係の解明について国に要望するとともに、県として情報の速やかな提供に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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