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掲載日:2025年9月19日

令和7年度新規研究課題(化学物質・環境放射能担当 R7 ダイオキシン類の29TEF異性体を一斉に分離する測定条件の検討)

(化学物質・環境放射能:蓑毛、落合;研究推進室:大塚)

強毒性・難分解性の環境汚染物質であるダイオキシン類は重要な監視項目の一つであり、「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づき、特定施設からの排出監視や環境モニタリングが実施されている。ダイオキシン類は多数の異性体の総称であり、通常、4塩素化物以上の148異性体が測定の対象とされている。排出基準や環境基準はダイオキシン類の総合的な毒性の指標である毒性等量(TEQ)で評価される。148のうち29の異性体に毒性等価係数(TEF)が定められており、これら29の異性体濃度と対応するTEFを乗じて合計したものがTEQである。したがって、ダイオキシン類分析においては、29のTEF異性体を正確に定量することが求められる。

ダイオキシン類は、キャピラリーカラム(以下カラムと略す)を装着したガスクロマトグラフ質量分析計で測定される。現在のところ、29のTEF異性体を一斉に分離できるカラムは市販されておらず、29の異性体濃度を得るためには異なるカラムで複数回測定する必要がある。1回の測定で29の異性体濃度が得られれば、測定の手間や時間の省力化、資材コストの削減、測定データの取違い防止等による分析コストの低減が期待される。

我々はこれまでに、DB-17ms、VF-17msの両カラム(いずれも60 m、0.25 mm ID)について、ダイオキシン類の溶出順序を確認している。一般に、カラムが長くなるほど化合物の分離は向上することから、60 mのVF-17msカラムを2本継いで120 mにしたもので、29のTEF異性体について分離を確認した。その結果、60 mカラムでは分離できずに他の異性体と共溶出していた3異性体(2,3,7,8-TeCDF、1,2,3,7,8-PeCDF、1,2,3,6,7,8-HxCDF)が、120mカラムではわずかではあるが分離し、一斉に分離できる兆しを見出せた。このことから、市販のカラムでも、長さや内径等の条件を変えることで、十分な分離が得られる可能性がある。そこで本研究では、29のTEF異性体を一斉に分析できるカラム、測定条件を探索する。

《研究の概要》(PDF:612KB)

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