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掲載日:2025年9月19日

令和7年度新規研究課題(土壌・地下水・地盤担当 R7~R9 抗菌剤を適用したフランボイダル黄鉄鉱の酸化抑制手法の開発)

(土壌・地下水・地盤:石山、濱元、柿本、髙沢;水環境:渡邊)

海成堆積物中のフランボイダル黄鉄鉱は、酸素や水にさらされると、硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌の働きにより鉄と硫酸とに分解する。硫酸により酸性化された堆積物からは、カドミウム、鉛や砒素など有害な重金属類が溶出することが知られている。

従来の対策技術としては遮水工封じ込めや多機能盛土工法が利用されているが、これらの技術では大掛かりな土木工事が必要であるため、多大な労力、時間やコストが必要となる。申請者は、堆積物中に炭酸カルシウムなどのアルカリ性材料を添加し、土壌pHを弱アルカリ性に制御して土壌微生物の活性を低下させることで黄鉄鉱の酸化を抑制する新規技術を開発した。本技術は、従来の対策技術よりも簡便であるため、汚染対策に要するコストを大幅に削減することができる。

本研究では、黄鉄鉱の酸化抑制効果の更なる向上を目指すため、堆積物に抗菌作用を有する物質を追加し、pH制御と抗菌作用のダブル効果を有する新規対策技術の開発を検討する。

《研究の概要》(PDF:539KB)

令和7年度第1回研究審査会コメント

  • 様々な新しい利用が考えられる技術である。いい抗菌材がみつかれば、黄鉄鉱だけでなく、実際の土木の現場で利用されている鉄の補強材の酸化防止にも利用できる内容である。黄鉄鉱の酸化抑制という視点で考えると、場所によっては、産業革命以降のコンクリートの使用等で、実際の自然界でも生じている現象と考えられる。社会科学的な展開も可能である。 広い視野で進められるとよい。
  • 研究目的やその意味の説明がとてもわかりやすく、社会実装まで視野に入れた計画であり、評価に値する。
  • 黄鉄鉱の酸化抑制に抗菌剤を用いるという着想は興味深く、成果が期待されます。抗菌剤が生態系や環境へ与える影響が軽微であることを何らかの形で示すことができれば、実際の使用についての安心感が増すものと考えられます。
  • 社会的な貢献度が高いだけでなく、新規性にも優れた研究であると評価されます。実用化を見据えてコストや適用方法についてもよく考慮して研究計画が立てられており、成果の実用的な活用が大いに期待されます。
  • 土壌汚染対策の従来技術に比べて処理時間とコストを削減できる新技術の開発に取り組む研究として評価できる。
  • 細菌増殖抑制による酸性化抑制という新規性の高い検討課題といえる。また、長期的な課題であるパイライトの酸化について検討しており、抗菌剤の合理的な選択により実用化の期待が持てると考える。他への環境影響を与えない抗菌剤供与方法などが見つかることを期待している。

お問い合わせ

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郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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