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掲載日:2025年9月19日

令和7年度新規研究課題(温暖化対策担当 R7~R9 天候パターン分類を用いた極端気象の発生率の統計的解析および予測可能性研究)

(温暖化対策担当:山上、大和、河野、嶋田)

地球温暖化による気温上昇は観測、モデルの両方から示されている。気温上昇の分布は全球一様ではなく、北極域では中緯度よりも大きいなど地域によって大きく異なる。そのため、温暖化の影響を正確に理解することは適応・緩和策を行うために重要である。

埼玉県は国内最高気温を記録した熊谷市に代表されるように、熱中症リスクの最も高い地域のひとつである。その背景として、北西風に伴うフェーン現象、弱風時の県内のヒートアイランドなど、総観規模変動(>1000kmの気象場、数日から数週間で変動)と暑熱による災害が密接に関係している地域であることが挙げられる。また、赤道や極域を起源とするテレコネクションは全球的な影響を与えるため、それらが総観場にどう影響し、それが局所的にどのような影響を与えるかを正確に評価する必要がある。

本研究では、総観規模の気象場を分類する手法である天候パターン分類を用いて、関東域に極端現象をもたらすパターンを抽出し、その頻度・持続・遷移と極端気象の発生率との関係を調べる。また、気候データセットを用いて自然変動と温暖化影響という二つの視点から将来の極端現象の変化を調べ、防災・減災に資する情報を発信することを目的とする。

《研究の概要》(PDF:516KB)

令和7年度第1回研究審査会コメント

  • 本研究では、主に、全球的な気象パターンの影響が対象になっているようであるが、地域レベルになると、これに地形の影響など、別の要素の影響が顕著になり、より複雑になる。そうした影響を取り込むことで、より利用しやすい形にすることも可能である。短時間の影響の評価にも結び付けることができそうです。
  • 天候の極端現象は、近年の環境問題の中では最も必要な研究課題であり、取り組み自体を高く評価する。
  • 全球的なテレコネクションも考慮して関東地域/埼玉県の極端気象を予測するという興味深い研究で、本解析法が普遍化できれば学術的意義も大きいと考えられます。研究成果を実際の対策にどう活かすかについても提案されることを期待します。
  • 埼玉県の防災・減災に役立つ情報の発信ができるよう、分解能と精度の向上を目指して計画的に研究を進めてほしい。研究成果は、行政と連携しながら県民に分かりやすく伝えることで、県民の意識向上にもつながることが期待されます。
  • 気候変動下に伴う地域の防災および適応策を検討する際に、科学的基盤となる研究として評価できる。
  • 全球レベルの気象パターンが、埼玉県周辺など地域的な気象にどのような影響を与えるのかという大きなテーマであり、近年の極端気象について予測ができる可能性を検討することは新規性も高いといえる。まだまだ統計手法などの計画について詰める必要はあると考えるがセンターとして取り組むテーマとして適切である。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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