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掲載日:2023年9月4日

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「共創」を実現するためのセミナー 動画・テキストページ

講演動画

「共創」を実現するためのセミナー動画

講演内容

登壇者自己紹介

登壇者 秋田大介

秋田と言います。よろしくお願いします。今日は、15分だけ(お時間を)いただいて、「共創の実現に向けたヒント」(についてお話をします)。

これから埼玉県内で埼玉県内の自治体の方とここに居られる民間企業の方が一緒に事業を興していこうっていうようなプロジェクトがたくさん起こると思うんですけれども、その際にヒントになるようなことを少し話せればと思っています。

冒頭にいきなり自分の写真で恥ずかしいのですが、これは8年前に僕が神戸市役所(の職員)だったんですけど、神戸市役所で書いたボードです。『1000スマイルプロジェクト』って言うんですけど、よくこれ8年前に書いたなと思ったんですけど、「行政だけじゃ街は変われない!」と書いてですね、このプロジェクトをスタートしました。僕は神戸市役所に21年いたんですけど、役所だけでやれることって本当に限られているなというふうに思っていて、今回みたいに官民連携とか、企業の方や住民の方と一緒にやらなきゃ、最近の課題はなかなか解決しないと思って、今かなり実感しています。よくこれを8年前に書いたなと思い、久しぶりにあげてみました。

これは覚えてくださいっていうわけでは全然ないです。ちょっと頭の片隅ぐらい残してもらったらと思いますが、「クアトロ・ヘリックス」っていう言葉が実はありまして、デンマークなんかでよく使われるんですけれども、合意形成ですね。いろいろな社会課題に対応していくときに、こういうことが必要だよというので、日本でいうと、産官学民。「クアトロ(QUATTRO)」は4つって意味ですね。その4つが合わさるというか、越境しないとこれからの社会課題は解決しないよっていうところで、産っていうのはいわゆる企業で、官は行政、政府ですね。学はアカデミア、大学とか高校とかそういうところになると思うんですけど、民は市民活動、住民というところで、この辺がしっかりどんどんそれぞれの立場を越境していって、境界がなくなるぐらいが理想かなというふうに思っています。

そういうのを実現していくために、例えばコーディネーターっていう、僕も一応社会課題解決コーディネーターと勝手に名乗っているんですけど、特に資格はないので皆さんも名乗ってもらったらいいと思うんですけど、バウンダリースパナって言葉が出てきたり、インタープレナーっていう越境人材みたいな言葉が最近出てきたりしています。今回、運営している官民連携事業研究所がまさにそういうところをやっている会社になります。

僕の紹介ちょっとだけさせてください。僕は元々神戸市職員でした。その頃からあちこちで副業するっていうので珍しい人材だったので、あちこちで取り上げていただいたんですけど、NPO法人を立ち上げたり、アートプロジェクトを立ち上げたり、国家公務員はできないのですが、地方公務員は実は会社の代表にもなれるので一般社団法人を立ち上げたり、みたいなことをやっていました。3月27日に神戸市職員としてはもうちょっと限界かなと思って辞めまして、今は辞めた瞬間に週5の仕事がなくなったので、いろいろな仕事がたくさん降ってきてですね、その1つに官民連携事業研究所でも働いており、この場に立たせていただいています。

なので産官学民、いろいろな立場で今、活動していまして、まさに越境しながら皆さんをつなぎながらやっているような感じです。

役所時代ってずっとこんな感じで、基本的には都市計画・まちづくりっていうのをやっていまして、最後の方は環境とかエネルギーとかっていう、いわゆるSDGsみたいなことをやっていました。自己紹介はこのへんだけですね。

1.なぜ官民連携が求められてきたのか

登壇者 秋田大介

今回の共創のコツみたいなところでお話をすると、そもそも官民連携がなんで求められてきたのかという話なんですけれども。やっぱり社会課題って言われるものが、昔から別に単純だったわけじゃないですが、すごい複雑化しているっていうふうに言われています。

何でかというと、皆さんのニーズがすごく個別化してきたからです。よく言う「LGBTQ」とかそういう話とか、どんどん個人のニーズに沿ってきた。個人のニーズがちゃんと社会課題として顕在化してきたっていうのがあるんですね。どんどん複雑になってきた。単純に「困っている人をこの補助金で救おう」みたいなことができなくなってきたのが現状です。

なので、行政の立場からすると、社会課題がめちゃくちゃ増えてきて、複雑化している。すごく個別対応しなくてはいけないような状態になっていて、どんどん増えてきている。今まで見過ごしてきたというか、スポットを当てていなかった課題まで見えてきたっていう状態ですね。

なのに、行政の立場、僕もいたからよく分かるんですけど、どんどん予算が減るんですよね。人口が減っているんで、当然予算は減っていきます。予算が減って、当然、DXとかいろいろ効率化もしなくてはいけないっていうので頑張ってはいるんですが、その分職員だって減らされていくっていう状態なんで、結構、行政内って人手不足で、実は困っています。

企業側からすると、企業の方が今日はたくさん来られているんですけれども、皆さんのほうでもよく分かると思うんですが、やたら銀行さんとかでも、例えば「ESGやってください」とか、「SDGsちゃんとやっていますか」とかいうような形で、必ず企業の評価にこういうものが加わってきた状態になっていますね。

一方で、これはネガティブな話ではないんですけども、ポジティブな話で言うと、この社会課題というのがすごくビジネスになるっていうのがだんだん浸透してきまして、みんなが欲しいものを売るとかいうようなビジネスじゃなくて、困っているからこそ、我々がビジネスで解決するみたいな、そういった形がたくさん出てくるようになってきたと思います。

逆に言うと、今、社会課題にコミットしてない企業ってあんまり選ばれないですし、これから生き残っていけるかどうかは結構微妙だなというふうに思っています。

自治体の側からすると、いろいろな企業と包括連携協定、事業連携協定などいろいろなものがありますが、そういうのがどんどん締結されています。いろいろニュースとか新聞とかにも出るんですけども、実際に自治体に話を聞くと、例えばこんな声が出てきます。「包括連携協定を締結したけど、包括だから何をするか決めていなくて、具体的な話が一個も進まない」とか、「結局営業の話ばっかりしてすごいお金を取られるだけの話になっています」とか、「企業の名前を売っているだけになっているんじゃないか」みたいな、いろいろ心配している声や残念がっている声も聞こえてきます。別にそれは企業さんが悪いわけじゃなくて、ちゃんとお互いにできていないから悪いんですよね。

実際に、この「官民連携を阻む壁」というホームページがあります。東北経済産業局の『官民パートナーシップを実現する100の心得』というもので、こういうものが載っています。皆さんも企業で、役所の人と一緒に仕事をした方は、なるほどなっていうふうなところがたくさんあるとは思います。

例えば、よく言われるのは2つ目の前例主義の話。これはまた後で話します。あとは文化の壁、言葉が全然通じないとか、多いのが人事異動で、「せっかくあの人とやっていたのに、4月になったら違う人が来て、全然話が通じない」みたいなことが結構あったりします。こういうふうにたくさん壁があって、なかなか官民連携事業がうまくいかないっていうふうに言われています。

ただ、本当は官民連携事業のイメージで言うと、行政と民間企業が対等にパートナーシップを組んでやるべきことなんですよね。

行政から何が提供できるかっていうと、そもそも課題があるっていうのはある意味、企業からするとビジネスのネタになるので、そういったものをちゃんとお渡しする、示していくっていうことがすごく大事だなと思っていますし、それに対して何かをやろうとした時に、実証の場、例えば住民と一緒にやりましょうとかいうような、場が提供できるというのが行政の大きな特徴です。さらに言うと、行政がやるのだからと、割と地元の人たちが協力してくれることがあるので、これが結構大きな行政の強みになっています。

一方でやっぱり解決策とかになると、民間企業がたくさん持っています。いろいろなノウハウやナレッジを持っているので、たくさん提案が出てくる。実際にやる力もあるので、この辺がうまくかみ合わさると対等な立場でお互いに”win-win”っていう形で、よく言われる話ですが、企業と行政が組むことができるというふうに思っています。

今必要なことは、今までだと行政はすぐ「委託」という形で、委託も本当は対等な関係なんですけど、どうしても委託者・受託者みたいな上下関係が発生してしまうというのがこれまでの慣習みたいなものなんですけど、そうじゃなくて、やっぱり対話ができる対等な関係をつなぐことや、お互いが対等な関係でやってみて、お互いにこれで成功だっていう小さな成功体験を積んでいくっていうのが今、求められています。そのためには、今回やっている官民連携事業研究所みたいな中間支援というのも非常に大事です。なかなか、官と民だけでは言葉が通じないとかいろいろあるので、その辺を我々がサポートしています。

2.官民連携の肝

登壇者 秋田大介

これは僕がずっとまとめて、いろいろなところで喋っていることなのですが、官民連携の肝ということで、行政の方に言いたいことが4つあります。

まずは、行政から連携を持ちかけるのはよくあるパターンなのですが、これだけでは実はうまくいかないです。行政って連携を持ちかける時は、ほとんど上司の許可を取るので、「あれとこれとこれをこうやってやればいいよね」ってほとんど決めてくるんですね。そんなほとんど決まったものを持ち掛けられても、企業からすると「それを呑むだけですか」みたいな話になってしまうので、それって委託・受託とほとんど変わらないって話があるので、それだけじゃうまくいかないですね。

もう一つは、やっぱりある程度、そうやって決めるんじゃなくて、もっと開いた状態で「何が問題なんです」と言ってもらえれば、企業はアイデアが出せるんです。なので、「何が問題だからあれとこれとこれをやってほしい」ではなくて、「何が問題なんです。これ何とかなりませんか。」ぐらいの大きな段階、開いた段階で民間企業に提案してもらうとすごく皆さんも助かる、出せるものがいっぱいあるというように思うんです。そういうことをやっていく柔軟さは非常に大事だと思います。

そうやって開いて出すと、当然、行政が予想しないところや知らない解決策やアイデアが飛んでくる可能性があります。そうなると、結構行政が多いのは、「いや、ちょっと想像していなかったんで、受けられないです」みたいなことになっちゃうことが多いんです。そうじゃなくて、最初から「予期しないものが来る」という覚悟を持って出すのがすごく大事ですね。それを、「もしかしたらめちゃくちゃそれいいかもしれない」っていうふうに受け入れるところから、官民連携が始まるのかなというふうに思っていますし、一番大事だと思っているのは、やっぱり信頼関係、リスペクトですよね。民間企業は、別に営利だけでやっているわけじゃないっていうことです。民間企業であっても、当然、利益追求していかなくてはいけないんですけど、世のため人のためにやっていきたいみたいなところもしっかりありますし、それと、それをちゃんと回すためにビジネスっていう利益の部分ってのはすごく大事っていうところをちゃんと理解して、組んでいかなくてはいけないというふうに思います。相手のことを知るってことですね。

逆に、ほとんど一緒なんですけど、民間企業側の肝は、よく行政と組むときに民間企業の方にいろいろ聞かれるんですが、「窓口に行ったら断られる、どこに行ったらいいんだ」みたいな話ですね。これに対して僕がよく言っているのは「適正な窓口に行くよりも、適正な人に行った方がいい」ということです。人でつながる方が大事。役職というか部署でつながるっていうよりは、行政の方と本当に対等につながるには人のつながりから始まると思うので、人を探してつながっていくことがすごく大事だなというふうに思っています。また、これも行政の方で書きましたが、ある程度柔軟な段階、要するに、今度は企業から(提案を)持っていくことを想定してください。めちゃくちゃ固まったスキーム図、ソリューションがあって、「これやってくれたら、何か解決できるんです」って言われても、行政もそれをそのまま受け入れるって相当難しいですよね。なので、「こういうソリューションがあるんですけれども、何か使えませんか」ぐらいのちょっと柔らかい状態で、持ってきていただけるといろいろお互いに話ができるんじゃないかなというふうに思っています。

やっぱり大事なのは、このスモールスタートということで、いきなり大きなことをやろうっていうのはやっぱり難しいです。行政にとっても、企業にとっても両方ともチャレンジなので、チャレンジなのにいきなり大きなことやって失敗できないみたいことをやってしまうと、結構リスクがお互いにあって大変です。できるだけ小さく、たとえこけても「仕方ないか、もう1回やろう」ぐらいのレベルでスタートしていくのがすごく大事だと思っています。

やっぱり民間企業の方にいろいろお願いしたいのは、行政もですね、別にさぼっているわけじゃないです。例えば「決めるのがめちゃくちゃ遅い」とか、「なかなか予算がつかないよ」とかいうのはあるのですが、予算の仕組みとか、行政の中の意思決定の仕組みを少し勉強してもらうと、「なるほどな、担当者が一生懸命頑張ってもそれは動かないわ」みたいなのが結構あるので、その辺を知ってもらうと、ちょっとリスペクトできるかなと思っています。

3.官民連携の壁

登壇者 秋田大介

最後に2つだけ。必ず現れる壁があって、「前例踏襲主義」という壁が必ず現れます。これから新しい社会課題に対して新しいチャレンジをするので、正直言うと、今回のガバメントピッチで埼玉県の自治体がいろいろやって、企業の皆さんが「こんなことできるよ、できるかもしれないよ」っていうふうに提案したものは、多分今までにない提案が結構あるんじゃないかなと思っています。逆に言うと、今までにない提案を作っていかないと、新しい複雑な社会課題ってなかなか解決しないんです。

しかし、その時に必ず言われるのが「いや、前例がないんです」っていう話を言うんですよね。どこの自治体に行っても、まず「これどこかでやっていますか」と必ず言われるんですけど、今回の埼玉県ではこれを言わないようにしたいなと思っています。行政の方、皆さん聞いてくださいね。「前例踏襲主義」と言わないというよりは、むしろ前例がないことはチャンスだと思ってください。

実は神戸市の職員のときから「前例踏襲主義」が僕は大好きで、なんで大好きかっていうと、みんな同じところに並んでいるんですね。前例があるところまで、全国の1700の自治体が同じところに並んでいるんです。ある町で、誰かが一歩出た瞬間にこれが前例になるんです。そうすると1700が全員ここに並びに来るんですよ。みんな視察に来て、「どうやってできるんですか」って来て、みんな出てくるんです。一歩出るだけで1700歩ぐらい出られるんで、めちゃくちゃお得なのがこの前例踏襲主義です。どこかでノリの良い自治体と組めれば、すごく大きなビジネスチャンスになるっていうふうに思っているので、これを是非活用してほしいなと思っています。

もう一つ、これは行政職員に向けてなんですが、法律っていう壁をよく言います。よく「法律で決まっています」とか「役所のルールで決まっています」とか「これまでずっとこうやってやっています」みたいなのは、もう本当に禁句ですね。僕に言わせれば、法律は全然変えることができます。法律っていうのは元々、誰かの何かを救うためとか、社会課題が元々あって、それを解決するために法律ができていくのですけど、それが今の社会課題を解決するためにそぐわないのであれば、変えていけばいいというふうに思っていて、変えることは十分できると思っています。

直近の事例でいうと7月1日からだったかな、電動キックボードのシェアリングが始まってですね、例えばヘルメットをしなくていいとか、16歳以上であれば免許がなくても乗れるみたいなめちゃくちゃ大きな改正がされました。めちゃくちゃ大きな改正なのですが、これよりもう6年も7年も前からずっと実は電動キックボードって実験を始めていて、ようやくここまで来たという感じなんです。道路交通法を改正できるというのは、すごく大きなことなんですよね。最初は電動スクーターだって小さな自治体からちょっとずつやっていったんですけれども、これが「すごくいいじゃん」っていう話と、海外のプレッシャーもあって、これがどんどん進んでいって法改正までいったっていう事例があるので、法律は正直に言うと、変えることができるので、こういった言葉は使わない方がいいと思っています。逆に自治体が使ったら、ちょっと怒ってあげてくださいっていうふうに思っています。

今までの話で、特に一番大事なのは、お互いに民間企業の方も行政の方も「社会課題を何とかしたい」とか、「目の前に救いたい人がいる」っていう状態からスタートするのが官民連携事業なので、是非こういった壁もうまく利用したり、うまく抜けながら、今回、いろいろな事例を埼玉県内で作っていけたらなと思っています。官民連携事業の共創で、皆さんで社会を良くできればなというふうに思っています。

私からは以上です。ありがとうございました。

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環境部 エネルギー環境課  

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