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移住体験談

利根地域の農ある暮らし

(行田市・加須市・羽生市・久喜市・蓮田市・幸手市・白岡市・宮代町・杉戸町)

宮代町・杉戸町編 ツアーレポート

身近な自然と触れあい心豊かに暮らす

大澤農園

はんぶん田舎、はんぶん都会

 都心から電車で約1時間、広々とした緑豊かな自然、田んぼや畑といった農地と、河川や農家の屋敷林などが織り成すどこか懐かしさを感じる田園風景、一方では区画整理された新しい街並みも増えつつ豊かな生活を送ることが期待できる宮代町及び杉戸町を巡る農ある暮らし体験ツアーを開催しました。
 12月という寒い時期でしたが、当日は天候もよく、とても暖かい中で、各訪問先を巡ることができました。

新しい村

宮代町『大澤農園』・『新しい村』

 はじめに、宮代町で新規就農をして、野菜や苗を販売している「大澤農園」の大澤さんのところに伺い、ビニールハウスで栽培をしているミニトマトとパプリカの収穫体験をさせていただきました。こちらで栽培しているミニトマトは市場には出回らない柔らかい品種とのことです。収穫の後は、大澤さんと参加者の交流も行われ、大澤さん自身も移住で経験をしてきたことや、宮代町での新規就農にあたっては地元の農家の方がとても協力的であったことなどをお話いただきました。大澤さんは、ハウス栽培、露地野菜、苗の販売と幅広く手掛けておられますが、これは珍しいケースだそうで、農業は自由にできるところがよいという話も、これから移住して農ある暮らしを検討している方にとって参考になったと思います。参加者からも、宮代町を選んだ理由や、ハウス栽培の仕組みや費用などについての質問がされるなど、活発な交流が行われました。トマトは夏野菜で、今の時期よりも夏期の方が美味しいそうです。次はその時期に行きたいですね。

 次に向かったのは、宮代町にある「新しい村」。ここは農でつながるコミュニティエリアとして整備された施設で、地元で採れた農産物の販売のほか、農や食をテーマとした体験事業や講座なども行っています。この施設内にある農産物直売所森の市場「結(ゆい)」に立ち寄りました。とても暖かな日で、外でくつろぐお客さんも大勢いました。時間があればゆっくり施設の散歩をしたかったですね。

noumachi

宮代町『道案内カフェ「noumachi」』

 続いて、東武動物公園駅前にある町の道案内カフェ「noumachi」に伺いました。ここは、町の定住促進サイトを運営してきた会社が始めたカフェで、代表の赤井さんから、シェアキッチンとして、毎日、違う料理人がやってきて、お食事を提供していることや、駅前には大手外食店等が少なく、小さなお店が点在しているため、初めての人が遠慮しがちな面があることなどから、手作りの案内図をお配りして、町の案内をしている取組などのお話しを伺いました。
 赤井さん自身も移住者とのことで、店舗の設計や店内のテーブル作製などに地域の方の協力があったことなど、町のことを明るく熱心に話される赤井さんからは町への愛着を感じました。ここで昼食の時間になり、全員がここで食事をすることはできませんでしたが、赤井さんから案内図にあるお店のお話を聞き、自ら選んだお店に向かいました。

 昼食をとった東武動物公園駅の西口周辺から駅を超えて東方面に向かい、少し歩いて川を超えると、そこは杉戸町です。昼食をとった後は、歩いて訪問先である「ひとつ屋根の下」へ向かいました。天気もよくて、ぽかぽか陽気、食後の散歩兼ねての移動はとても気分が良かったです。

ひとつ屋根の下

杉戸町『ひとつ屋根の下』

 「ひとつ屋根の下」では、女性がやりたいことから、月に3万円の小さな利益を得ながら、地域を盛り上げていこうという活動をしている「Choinaca」の代表の矢口さんから、お話を伺いました。矢口さんは、会社をやめて、何をするか探している中、地元である杉戸町に立ち寄ったときに商店街がシャッター街になっているのを見て「何かやってみよう」という気持ちになり、賛同してくれた同級生もいたこともあって、地元に戻る決意を固めたそうです。 
 好きなことでお店をだせる小さな市場からはじめましたが、周りの女性は自信がないということで、なかなか乗り気になってくれなかったそうで、そのため、小さな仕事をつくる講座である「私たちの月3万円ビジネス」を立ち上げて、活動してきたそうです。今では、他の地域や県外の方も講座の卒業生なっているとのことでした。当日は、施設内で他のメンバーの方がブースを開いており、お話しを伺うことができましたが、皆さん、とても明るく生き生きとしていて、こちらもとても楽しい気持ちになりました。

アールキューブエコ

杉戸町『有機農家「アールキューブエコ」』

 次に向かったのが、有機農家「アールキューブエコ」です。ここでは、夫婦で杉戸町に移住して新規就農し、有機無農薬の田んぼ作りをしている網本さんから、有機農法を始めたきっかけや、苦労したことなどの話を伺いました。
 自分たちが耕作できるわずかな農地で、十分な収益をあげるために、無農薬の米を作るとか、そのお米を小分けのパッケージにして売りやすくするとか、付加価値をつける取組をしてきたそうです。自分が作った米がどのように流れていくかを学ぶことにも役立つということで、お米屋さんをやったことや、無農薬で稲作をやるとどうなるのか試行錯誤した体験談などを聞き、これから稲作を本格的にやってみたいという方にはとても参考になる話を伺うことができました。
 無農薬で稲作をやる時に、草取りばかりやっているようでは大変すぎる。自然の本来持っているシステムを利用して、多様な植物の頂点に稲が来るようにしてやればよい、というお話はとても興味深かったです。無農薬の田んぼには、多様な生物があつまるそうです。次は田んぼに水が入った時期の様子も見てみたくなりました。

 最後に向かったのは、道の駅「アグリパークゆめすぎと」。1日充実したツアーで予定よりも時間が過ぎて、短い滞在時間でしたが、各々が農産物直売所でお土産を購入しました。
その後は、東武動物公園駅で解散しました。
 ツアー参加の皆様、お疲れ様でした。

アグリパークゆめすぎと

地域プロフィール(宮代町・杉戸町)

埼玉県の東北部に位置する宮代町・杉戸町は、都心から電車で約1時間程度。都心へのアクセスも良好ながら、緑豊かな自然が広がり、田園地帯と市街地が共存する心豊かに暮らせる地域です。田んぼや畑といった農地と、河川や農家の屋敷林などが織り成すどこか懐かしさを感じる田園風景、一方では区画整理された新しい街並みもあります。
また、宮代町には、はだしで学べる竜宮城のような建物の小学校もあり、杉戸町は「子どもいっぱい夢いっぱい」を目標とするなど、子育てをするにもおすすめの地域です。