第4章 明渡裁決申立書等の作り方
収用裁決申請等の手引き・第2編第4章 明渡裁決申立書等の作り方
明渡裁決申立書等の作り方に関する説明です。
第4章 明渡裁決申立書等の作り方
第2編第3章で明渡裁決申立書の記載例を見ていただきましたが、この章はこれらの書類の作成上、留意しなければならない主な点を整理したものです。
明渡裁決の申立てをしようとするときは、明渡裁決申立書とその添付書類が必要です。
(法第47条の3第1項)
1 明渡裁決申立書
2 添付書類
- ア 市町村別に土地の所在、地番、地目、土地にある物件の種類等を記載した書類
- イ 物件調書又はその写し(物件の有無にかかわらず作成してください。)
3 提出部数
正本1部及び写し(写しの部数については、収用委員会にご照会ください。)
1 明渡裁決申立書の様式は、次のとおりです。
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2 申立てに当たっての具体的な留意点
- ア 明渡裁決の申立人の氏名及び住所並びに法人である場合はその代表者の氏名等は、これらを証する書面の記載と一致させてください
- イ 明渡裁決申立書には、申立人又はその代表者の記名押印をしてください。
- ウ 申立人又はその代表者が記名押印をする場合には、正規の印鑑を利用してください。
- エ 明渡裁決の申立てを申立人又はその代表者の代理人等で行う場合には、代理人等であることを表示し、その者の記名押印をしてください
- オ 明渡裁決の申立てを申立人又はその代表者の代理人等で行う場合には、代理人等の権限を証する書面に、その代理人等が申立てをする権限を有することを明示してください。
- カ 明渡裁決申立書に申立人又はその代表者の代理人等が記名押印する場合には、その印章は印鑑を証する書面に表示の印鑑と同じものとしてください。
- キ 明渡裁決申立書に申立人又はその代表者の代理人等が記名押印する場合には、その代理人等は、地方自治法第153条等に規定された代理人の資格等を有していなければなりません。
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この添付書類(関係書類)は、明渡裁決の申立てをしようとするとき、起業者が収用委員会に明渡裁決申立書と一緒に提出するものです。記載事項については、細かい点まで留意する必要があります。
1 記載事項
- ア 市町村別に土地の所在、地番、地目等を記載した書類(法47条の3、規則第17条の6)
これらについては、次の事項を記載してください。
- (ア)土地の所在、地番及び地目
- (イ)土地にある物件の種類及び数量
(物件が分割されることになる場合においては、その全部の物件の数量を含む。)
- (ウ)土地にある物件が登記されているものであるときは、登記簿上の表示も記載すること。
- (エ)土地所有者の氏名及び住所
- (オ)土地に関して権利を有する関係人の氏名及び住所
- (カ)土地にある物件に関して所有権その他の権利を有する関係人の氏名及び住所(登記されている物件につき登記されている権利を有する関係人について、当該権利についての登記申請書受付年月日及び受付番号その他登記簿上の表示が記載されていること。)
- (キ)土地所有者及び関係人の氏名及び住所に関し、知ることのできないものがあるときは、その旨を記載すること。
- (ク)土地所有者並びに関係人の氏名及び住所等のうち、裁決申請書の添付書類に記載のものと異なるものがあるときは、その旨及びその理由を記載すること。
- (ケ)法第40条第1項2号ホに掲げるものを除くその他の損失の補償の見積り及びその内訳
- (コ)上記損失の補償の見積りの積算の基礎
- (サ)土地若しくは物件の引渡し又は移転の期限
- イ 物件調書(法第37条第2項から第4項まで、規則第15条第1項、様式第9)
- (ア)物件調書の記載事項
- (1) 起業者の氏名及び住所
- (2) 事業の種類
- (3) 起業地
- (4) 事業の認定の告示の年月日
- (5) 収用又は使用の手続を保留した起業地があるときは、手続開始の告示の年月日
- (6) 土地所有者の氏名及び住所
- (7) 関係人の氏名及び住所(土地に関する所有権以外の権利を有する関係人並びに土地にある物件に関して所有権その他の権利を有する関係人を含む。)
- (8) 物件がある土地の所在(物件がなくても記載すること。)
- (9) 地番(物件がなくても記載すること。)
- (10) 地目(物件がなくても記載すること。)
- (11) 物件の番号
- (12) 物件の種類(大きさを含む。登記されている物件の場合には、登記簿(登記事項証明書)上の表示を含む。)
- (13) 物件の数量
- (14) 物件の所有者の氏名及び住所
- (15) 物件に関する所有権以外の権利の種類及び内容(登記されている権利の場合には、その登記申請書受付年月日及び受付番号を含む。)
- (16) 所有権以外の権利者の氏名及び住所
- (17) 実地の状況
- (18) 物件が建物であるときは、建物の種類、構造、床面積等の記載(登記されている建物であるときは、登記簿(登記事項証明書)上の所在、家屋番号、種類、構造及び床面積を含む。)
- (19) 物件調書を作成した年月日
- (イ)物件調書は土地所有者ごとに作成すること。
(規則第15条第1項、様式第9備考を参照)
- (ウ)物件調書の添付図面及びその内容(法第37条第3項)
(規則第15条第1項、規則別記様式第9)
物件が建物であるときは、実測平面図を添付すること。
- (1) 実測平面図は、縮尺50分の1から500分の1程度までのものであること。
- (2) 実測平面図には、建物の耐用年数、利用の状況等を記載すること。
2 添付書類作成上の留意事項
- ア 市町村別に土地の所在、地番、地目等を記載した書類
- (ア)土地の所在、地番及び登記簿上の地目の記載は、登記簿(登記事項証明書)の記載と一致すること。
- (イ)土地にある物件の種類及び数量の記載は、物件調書の記載と一致すること。
- (ウ)土地にある物件のうち登記されたものについての登記簿上の表示の記載は、登記簿(登記事項証明書)の記載と一致すること。
- (エ)土地所有者の氏名及び住所は、これらを証する書面に記載されてされているものと一致すること。
- (オ)土地に関する所有権以外の権利を有する関係人の氏名及び住所は、これらを証する書面に記載されているものと一致すること。
- (カ)土地にある物件に関して所有権その他の権利を有する関係人の氏名及び住所はこれらを証する書面に記載されているものと一致すること。
- (キ)土地にある物件のうち登記されているものに対する所有権その他の権利で登記されているものの表示は、登記簿(登記事項証明書)の記載と一致すること。
- (ク)土地にある物件のうち登記されているものについての登記簿(登記事項証明書)上の権利者と、その物件に関して所有権その他の権利を有するものとが同一人でない場合は、その関係が明らかにされていること。
- (ケ)土地所有者並びに関係人の氏名及び住所に関して知ることのできないものがあるときは、起業者に過失のないことが認められること。
- (コ)土地にある物件に関して、所有権その他の権利を有する関係人の氏名及び住所について起業者に過失がなくて知ることができないものがあるときは、起業者に過失がなくてこれらを知ることができなかったことを証する資料、例えば、戸籍謄本、除籍謄本、戸籍附票写し、住民票写し、法人等登記簿謄本(登記事項証明書)などを、また、土地所有者及び関係人の間に所有権その他の権利について争訟などがあるときは、その争訟の内容が分かるような資料等(調査報告書、その他調査の過程で集めた資料等)を添付すること。
- イ 物件調書
- (ア)次の事項について、他の書面における記載と一致していること。
- (1) 事業の種類
- (2) 起業地
- (3) 事業の認定の告示の年月日
- (4) 収用又は使用の手続を保留した起業地があるときは、手続開始の告示の年月日
- (イ)起業者の氏名及び住所は、これらを証する書面の記載と一致すること。
- (ウ)土地所有者の氏名及び住所は、これらを証する書面の記載と一致すること。
- (エ)土地に関する所有権以外の権利を有する関係人の氏名及び住所は、これらを証する書面の記載と一致すること。
- (オ)土地にある物件に関して所有権その他の権利を有する関係人の氏名及び住所は、これらを証する書面の記載と一致すること。
- (カ)物件がある土地の所在、地番及び登記簿上の地目の記載は、土地登記簿(登記事項証明書)の記載と一致すること。
- (キ)物件が登記されたものである場合は、その登記簿上の表示は、登記簿(登記事項証明書)の記載と一致すること。
- (ク)土地にある物件についての登記された所有権以外の権利についての記載は、登記申請書受付年月日及び受付番号の記載を含め、登記簿(登記事項証明書)の記載と一致すること。
- (ケ)登記された物件の所有者が、登記簿(登記事項証明書)上の所有者と同一人でないときは、その関係が明らかにされていること。
- (コ)登記された物件について、所有権以外の登記がされた権利を有する者が登記簿(登記事項証明書)上の権利者と同一人でないときは、その関係が明らかにされていること。
- (サ)物件調書についての起業者の署名押印については、以下の点に留意すること。
(法第36条第1項)
- (1) 物件調書には、起業者又はその代表者の署名押印をすること。
(”記名押印”でないことに注意。以下、同じ。)
- (2) 起業者又はその代表者が署名押印をする場合には、その押印は、印鑑を証する書面に表示の印鑑と同じものであること。
- (3) 起業者又はその代表者の代理人等が署名押印する場合には、その代理人等本人が署名押印をすること。
- (4) 代理人等が署名押印をする場合には、代理人等の権限を証する書面に、その代理人等が起業者又はその代表者に代わって、又は委任を受けたものとして、署名押印をすることができる旨の記載があること。
- (5) 代理人等の署名押印の場合には、その押印は、印鑑を証する書面に表示の印鑑と同じものであること。
- (6) 代理人等の署名押印の場合には、その代理人等が、地方自治法第153条等に規定された代理人の資格等を有していること。
- (シ)物件調書作成の際の立会人等について(法第36条第2項など)
- (1) 土地所有者(共有のときは共有者全員)が立会い、物件調書に署名押印をすること。
- (2) 土地に関する所有権以外の権利を有する関係人全員が立会い、物件調書に署名押印をすること。
- (3) 土地にある物件に関して所有権その他の権利を有する関係人全員が立会い、物件調書に署名押印をすること。
- (4) 土地所有者及び関係人が署名押印をしない場合には、市町村長又は市町村吏員若しくは埼玉県の吏員が立ち会い、物件調書に署名押印をすること。
この場合、市町村長又は市町村吏員若しくは埼玉県の吏員は、起業者又はその代表者であったり、法第61条第1項2号又は3号に該当する者でないこと。