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掲載日:2024年2月27日
ただいま、御提案申し上げました議案につきまして、御説明いたします。
はじめに、第55号議案「令和5年度埼玉県一般会計補正予算(第7号)」の主な内容について申し上げます。
まず、歳入についてでございます。
県税につきましては、個人県民税や法人二税などを中心に増収が見込まれることから、170億円の増額を計上しております。
地方譲与税につきましては、特別法人事業譲与税の増収が見込まれることから、約102億円の増額を計上しております。
地方交付税につきましては、国の補正予算に伴い地方交付税総額が増額され、普通交付税の再算定を行った結果などにより、約256億円の増額を計上しております。
また、県債につきましては、臨時財政対策債の減額や事業執行に伴う調整により、合計で約169億円の減額を計上しております。
次に、歳出のうち、国の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づく補正予算への対応についてです。
公立小中学校等における情報機器の整備に要する原資について公立学校情報機器整備基金に積み立てるとともに、これを活用し、市町村が令和6年度に予定している1人1台端末の更新等の費用の一部を補助します。
また、県立高等学校におけるデジタル分野等の人材育成に向けて、ICT機器の導入等の環境整備を行います。
さらに、介護・障害福祉サービス従事者の処遇改善を図るため、職員の処遇改善に取り組む事業所に対して、一人当たり月額6,000円程度の賃上げに必要な費用を補助します。
次に、その他の歳出についてです。
給与費につきましては、執行見込額と既定予算額との調整を行います。
公債費につきましても、執行見込額と既定予算額との調整を行うほか、満期一括償還に係る経費を計上しております。
その他の経費につきましては、国庫支出金の確定や年度内の執行見込みに基づく事業量の増減などに伴う補正を計上しております。
なお、財源調整のための基金につきましては、本年度の収支の見通しを踏まえて一部取崩しを中止することとし、その上で、県税収入額が地方交付税算定上の見込みを上回ったことに伴う普通交付税の精算への対応など、より安定した財政運営を図るため、財政調整基金に450億円、県債管理基金に約91億円を積み増すこととしております。
歳入歳出予算以外では、年度内に完了する見込みが立たない事業に係る繰越明許費の設定などをお願いしております。
以上の結果、一般会計の補正予算額は、632億862万4千円の減額となり、既定予算と先に御提案申し上げました補正予算第6号、そして今回の補正予算第7号を合わせた累計額は、2兆2,281億4,449万1千円となります。
次に、その他の議案について、御説明申し上げます。
第56号議案から第66号議案までの11議案は特別会計について、第67号議案から第70号議案までの4議案は企業会計について、それぞれ事業量の確定などに伴い、所要の補正をお願いするものです。
第71号議案は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく補装具費支給申請手続において、本県が不合理な判定等を行ったとした損害賠償等請求事件の判決に対し、控訴を提起するためのものでございます。
本事件につきましては、去る2月16日、さいたま地方裁判所越谷支部において、県に損害賠償金の支払いなどを命ずる判決が言い渡されました。
この判決内容を詳細に検討した結果、特に総合リハビリテーションセンターの医師が作成した意見書に誤りがあったとされた部分については、今後の補装具費支給認定事務に及ぼす影響が極めて大きいと考えられることから、判決を不服として控訴するものでございます。
なお、本議案につきましては、控訴期限の関係から急施を要しますので、他の案件に先立って御審議をいただきますよう特段の御配慮をお願いするものでございます。
以上で私の説明を終わりますが、何とぞ慎重審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げます。
本日ここに令和6年当初の定例県議会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては御参会を賜り、令和6年度の予算案をはじめ、県政の重要課題について御審議を頂きますことに、心から感謝を申し上げます。
はじめに、去る1月1日に「令和6年能登半島地震」が発生してから間もなく2か月が経とうとしております。
改めまして、亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に対し心からお見舞いを申し上げます。
本県では、このたびの震災に対しまして、健康相談や心のケアを行う保健師や看護師、被災宅地危険度判定士のほか、避難所運営や罹災証明書発行を支援する職員を派遣するなど、支援に取り組んでまいりました。
被災地では復旧・復興が進められているものの、今なお避難所での生活を余儀なくされている方々が多くいらっしゃいます。被災者の方々が一日も早く日常の生活を取り戻すことができるよう、今後とも可能な限りの支援を行ってまいります。
また、本県においても、災害はいつ起こるとも限りません。引き続き、県の災害対応力の強化にしっかり取り組んでまいります。
〔県政運営及び予算編成に関する基本的考え方〕
それでは、諸議案の説明に先立ちまして、令和6年度の県政運営及び予算編成に関する基本的な考え方を御説明申し上げます。
猛威を振るった新型コロナウイルス感染症は、感染症法上の位置付けが「2類相当」から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に変更となり、社会経済活動の正常化が進みました。海外情勢を背景にしたエネルギー・物価の高騰は続いているものの、県民生活にも活気が戻ってまいりました。
一方で、本県は、今、「人口減少・超少子高齢社会の到来」、そして「激甚化・頻発化する自然災害などへの危機対応」という、時代の転換期における2つの歴史的な課題に直面しています。
社会全体の生産性向上や住み続けられるまちづくり、気候変動やコロナ禍の経験を踏まえた持続可能な社会経済の構築など、社会の変革を求めるニーズはこれまで以上に高まっており、これに的確に対応していく必要があります。
また、社会の在り方が変化し、多種多様な価値観が広がっている中、あらゆる人に居場所があり、活躍でき、安心して暮らせる社会の実現を一層確かなものにしていかなければなりません。
これら歴史的課題に敢然と立ち向かい、10年後、20年後を見据えた未来志向の施策を展開することで、持続的に発展していく社会を構築してまいります。
このような課題認識の下、令和6年度は、「歴史的課題への挑戦と未来への確かな布石」をテーマに、大きく2つの考えに基づいた施策を中心に取り組んでまいります。
第1に、「歴史的課題への挑戦」です。
このうち、一つ目の柱は「人口減少・超少子高齢社会への対応」です。
「更なるDXの推進による県民サービスと生産性の向上」として、デジタル技術の活用による新しい働き方や暮らし方の更なる定着はもとより、人口減少下でも生産性を向上させることで持続的に発展することができる社会の構築に取り組んでまいります。
また、「持続可能なまちづくりと経済成長の実現」として、超少子高齢社会の諸課題に対応するため「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」をより一層加速させていきます。加えて、サーキュラーエコノミーを推進するとともに、オープンイノベーションやスタートアップの創出支援などにより、地域経済の持続的な発展を目指してまいります。
さらに、「あんしん しあわせ たのしい こども支援の充実」として、安心して出産・子育てできる環境の整備をはじめ、こどもの居場所づくりや児童虐待の防止など、子供を生み育てることに希望が持てる社会、子供たちが未来に希望を抱ける社会の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。
次に、二つ目の柱は「激甚化・頻発化する自然災害と新たな危機への強固な備え」です。
関係機関との連携に主眼を置き様々なシナリオ作成や図上訓練を繰り返す埼玉版FEMAをより一層充実させ、県全体の危機管理・災害対応力の底上げを図ってまいります。
第2に、「『日本一暮らしやすい埼玉』の実現に向けた取組の深化」です。
「埼玉県5か年計画」で掲げた3つの将来像「安心・安全の追究」、「誰もが輝く社会」、「持続可能な成長」の実現に向けて各施策に更に力強く取り組んでまいります。
令和6年度当初予算案につきましては、ただ今申し上げました基本的な考え方に沿って編成を行いました。
その結果、令和6年度の予算案の規模は、一般会計で2兆1,197億4,400万円、対前年度は4.1%の減となっております。
また、特別会計で1兆2,226億3,800万9千円、対前年度は2.2%の減、企業会計で2,121億4,711万5千円、対前年度は7.7%の増となっております。
さらに、国の補正予算に伴い、公共事業の追加等を内容とした補正予算案を編成し、防災・減災対策などを充実することといたしました。
〔令和6年度予算案の概要〕
次に、令和6年度予算案の主な内容につきまして、御説明申し上げます。
まず、歳入についてです。
歳入の中心である県税につきましては、法人二税などに増収が見込まれる一方で、定額減税の影響により個人県民税の大幅な減収が見込まれるため、前年度を96億円下回る8,052億円を計上いたしました。
また、地方財政対策を踏まえ、地方交付税は前年度を245億円上回る2,682億円、臨時財政対策債は前年度を292億円下回る288億円を計上し、これらを合わせた実質的な地方交付税としては前年度を46億円下回る2,971億円を計上いたしました。
県債につきましては、公共施設の長寿命化改修や防災ヘリコプターの整備など投資的経費が増加する一方で、臨時財政対策債の発行額が減少することから、前年度を205億円下回る1,802億円を計上いたしました。
また、財源調整のための基金につきましては、財源不足を補塡するため、1,284億円を取り崩すことといたしました。
続いて、令和6年度予算案における主要施策の構成ごとに、歳出の主な内容につきまして御説明いたします。
1 歴史的課題への挑戦
(人口減少・超少子高齢社会への対応)
(1)更なるDXの推進による県民サービスと生産性の向上
まず、「歴史的課題への挑戦」の一つ目の柱である「人口減少・超少子高齢社会への対応」のうち「更なるDXの推進による県民サービスと生産性の向上」です。
効率的で利便性の高い行政サービスの提供に向けて、全庁GIS基盤の拡充や全庁共通メタバース空間の整備を図るとともに、生成AIやノーコードツールなどのデジタルツールを用いて業務プロセスを変革する「タスク・トランスフォーメーション」を推進してまいります。
また、入学者選抜を実施する全ての県立中学・高校で出願手続のオンライン化、入学選考手数料のキャッシュレス化に取り組みます。
さらに、県内中小企業のDX推進のため、DXコンシェルジュの体制を強化し、企業のデジタル化のステージに応じたきめ細かい支援を実施してまいります。
(2)持続可能なまちづくりと経済成長の実現
次に「人口減少・超少子高齢社会への対応」のうち「持続可能なまちづくりと経済成長の実現」です。
埼玉版スーパー・シティプロジェクトを推進するため、引き続き市町村への財政的・技術的支援を行うほか、市町村と企業等とのマッチングを強化してまいります。加えて、プロジェクトを加速させる新たな市町村支援として、高齢者や子供を地域で見守るコンパクトなまちづくりを進めるための認知症高齢者グループホーム等や子供支援活動拠点の整備などに対する補助制度を創設するほか、市町村事業と連動することで相乗効果が期待できる、県道や水辺の整備などの県事業を実施してまいります。
また、県内企業のオープンイノベーションの創出のため、業種や規模が異なる企業や起業家などが交流する「渋沢栄一起業家サロン(仮称)」の令和7年度の開所に向けた準備を進めてまいります。
さらに、サーキュラーエコノミーを推進するため、廃棄物処理業者の高度な再資源化設備等の導入や、サーキュラーデザインに基づく製品等の試作開発に対する新たな補助のほか、環境整備センター埋立跡地を活用した資源循環農場・公園の整備等を進めます
(3)あんしん しあわせ たのしい こども支援の充実
次に「人口減少・超少子高齢社会への対応」のうち「あんしん しあわせ たのしい こども支援の充実」です。
子供の医療費助成について、補助対象年齢を現在の未就学児までから、通院は小学校3年生まで、入院は中学校3年生までに拡充、所得制限も撤廃することで市町村による子育て支援の充実を後押しするとともに、安心して生活できる場のない妊婦に対する緊急一時的な居所の提供や、生活に困難を抱える妊婦や産後の母子に対する生活支援を実施してまいります。
また、こどもの居場所の更なる確保・充実を図るため、地域ネットワークの立上げやこどもの居場所支援団体の育成支援を行うとともに、子供や若者が安心して気軽に参加できる居場所として「バーチャル・ユースセンター(仮称)」を設置し、交流や体験、相談の場として活用するほか、利用者のニーズに応じてリアルの居場所や専門の支援へつなげてまいります。
さらに、児童虐待の防止や社会的養育の充実を図るため、中央児童相談所一時保護所の建替えに向けた設計や里親支援センターの新規設置を行うとともに、児童養護施設等職員の人材確保等を促進するため、住居手当を支給する施設へ補助し、職員の家賃負担の軽減を図ります。
(激甚化・頻発化する自然災害と新たな危機への強固な備え)
続いて、「歴史的な課題への挑戦」の2つ目の柱、「激甚化・頻発化する自然災害と新たな危機への強固な備え」についてです。
災害対応力の底上げを図るため、埼玉版FEMAの取組をより一層充実させ、林野火災に係る新たなシナリオの作成及び図上訓練を実施するとともに、ジェンダー視点を踏まえた避難所の開設・運営を推進するため、県標準手引き及び映像資料を作成し、全市町村における市町村版マニュアルの策定を支援してまいります。
また、中川・綾瀬川流域において、国が指定する「特定都市河川」の制度を活用し、流域治水をより強力に推進するとともに、令和5年6月の大雨及び台風第2号等を踏まえ、道路冠水が多い箇所に冠水感知センサー及び警報装置を設置し、道路冠水発生時の対応を強化してまいります。
2 「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向けた取組の深化
次に、「『日本一暮らしやすい埼玉』の実現に向けた取組の深化」として、5か年計画における3つの将来像、12の針路に基づく主要な施策について御説明いたします。
(1)災害・危機に強い埼玉の構築
まず、「災害・危機に強い埼玉の構築」についてです。
コロナ禍の経験を踏まえ、新たな感染症の発生・まん延時に備えて、病床を確保する協定締結医療機関が行う施設・設備整備への補助など感染症対応力の向上支援や、衛生研究所の機能増強を行うほか、訓練を実施して地域の連携体制の構築を進めてまいります。
また、県立学校における受変電設備等の重要設備の浸水対策として防水扉・排水ポンプ等を設置し、学校の水害対策を進めます。
(2)県民の暮らしの安心確保
次に、「県民の暮らしの安心確保」についてです。
警察の犯罪捜査力の強化のため、情報通信機器に保存されている重要な証拠を迅速・確実に収集する環境を整備するとともに、警察力の向上のため、テレワーク環境を拡充し、職員一人一人が持てる能力を十分に発揮できる柔軟な勤務環境を整備します。
また、仕事と介護の両立を支援するため、働きながら介護をするいわゆるビジネスケアラーなどを対象とした、介護の相談窓口への早期相談などを促す動画を作成し、企業等を通じて周知してまいります。
(3)介護・医療体制の充実
次に、「介護・医療体制の充実」についてです。
医師不足の地域や診療科の解消を図るため、地域枠医学生奨学金の新規貸与枠を拡大するとともに、看護職員の更なる確保・定着のため、ICTの導入による看護業務の効率化を目指す病院へ、アドバイザーを派遣し、モデル事例として横展開を図ってまいります。
また、救急搬送体制の強化を図るため、救急隊と医療機関が利用する救急医療情報システムに画像等の送信機能を追加するとともに、ポストコロナにおける電話相談窓口を整備するため、「救急電話相談#7119」に「県コロナ総合相談センター」を統合し、体制を強化します。
(4)子育てに希望が持てる社会の実現
次に、「子育てに希望が持てる社会の実現」についてです。
子供や子育て当事者からの意見を聴取し、県の施策へ反映する仕組みとして「こども県政サポーター(仮称)制度」を創設するとともに、育児と仕事の両立を推進するため、男性の育休取得に積極的に取り組む企業の表彰やイベント等の実施、共育てに関するハンドブックの作成を行います。
また、潜在保育士がワンストップで就職に向けた情報収集ができるポータルサイトの構築や、保育補助者の雇上げ補助の対象を保育士資格保有者に拡大するなど、保育士の確保を図ってまいります。
(5)未来を創る子供たちの育成
次に、「未来を創る子供たちの育成」についてです。
生徒の学びの機会の充実等を図るため、教員の確保が困難な教科等においてICTを活用した遠隔授業の展開に向けた実証を進めます。
また、県立学校の保護者が負担している空調費用のうち、普通教室の維持管理費等に対して補助するとともに、保護者負担で整備された普通教室の空調設備について、県負担により順次更新し、保護者負担の軽減を図ってまいります。
さらに、教師や教頭等の負担軽減のため、市町村立小・中学校の「教員業務支援員」の配置校を拡充するとともに、市町村立小・中学校及び県立特別支援学校の小・中学部に新たに「副校長・教頭マネジメント支援員」を配置します。
(6)人生100年を見据えたシニア活躍の推進
次に、「人生100年を見据えたシニア活躍の推進」についてです。
令和6年5月開所予定の運転免許に係る「岩槻高齢者講習センター」において、社会参加・健康づくり、交通安全教育、及び口腔機能ケアの普及啓発といった3つの付帯機能を併設し、シニアの総合的な支援を進めてまいります。
また、市町村との共催による自殺予防相談会の開催のほか、電話相談及びSNS相談の応答率向上のための体制強化など、総合的な自殺対策を展開してまいります。
(7)誰もが活躍し共に生きる社会の実現
次に、「誰もが活躍し共に生きる社会の実現」についてです。
メタバースや対面での企業説明会の開催や、企業ガイドのウェブサイトにより大学生等の地元就職を促進するとともに、若者自立支援センター埼玉における相談や交流会をメタバースでも実施し、働くことに悩みを抱える若者への支援を強化します。
また、困難な問題を抱える女性を対象として、メタバース相談の開設など相談支援の充実や女性自立支援施設の機能充実を図り、相談から施設退所後のアフターケアまで切れ目ない支援に取り組んでまいります。
さらに、「ジェンダー主流化」の視点により県庁全ての部局で事業点検を行い男女間格差の解消を図るほか、市町村・企業向け研修を通じて「ジェンダー主流化」の取組の社会全体への浸透を図ってまいります。
(8)支え合い魅力あふれる地域社会の構築
次に、「支え合い魅力あふれる地域社会の構築」についてです。
外国人観光客向けの魅力あるコンテンツの選定と集中的なプロモーションに取り組むとともに、ビッグデータ等を活用した観光事業者の支援や旅行者の属性に合わせた情報発信、県産いちごの魅力発信等により、本県への誘客を促進してまいります。
また、屋内50m水泳場の整備に向けてPFI事業者による設計を着実に進めるとともに、スポーツ科学拠点施設については、上尾運動公園の再整備と一体的に行うPark-PFI手法による事業者の公募・選定を行います。
さらに、未来の県庁の先行モデルとして位置付けている北部地域振興交流拠点の基本構想を策定するとともに、仕事の内容等に応じて働く時間や場所を自由に選択できるABW型の働き方に対応したオフィスを整備し、職員のワークエンゲージメント向上を図ります。
(9)未来を見据えた社会基盤の創造
次に、「未来を見据えた社会基盤の創造」についてです。
「あと数マイル・プロジェクト」の推進として、引き続き、埼玉高速鉄道線延伸の早期実現に向けたさいたま市との共同調査等を実施するとともに、直轄国道の整備効果を最大限発揮させるため、関連する県管理道路を重点的に整備するほか、交流の活性化や災害発生時の円滑な避難や輸送を可能とするため、ミッシングリンクを解消し幹線道路網の多重化を進めてまいります。
(10)豊かな自然と共生する社会の実現
次に、「豊かな自然と共生する社会の実現」についてです。
スマートなエネルギー利用を進める中小企業等の設備導入経費に対する補助を行うとともに、県有施設への再エネ活用設備の導入等を進めてまいります。
また、下水汚泥を活用した堆肥の本格製造に向けた事業検討を行うとともに、下水汚泥焼却灰についても肥料への利活用ができないか検討を進め、下水道資源の有効活用に取り組んでまいります。
さらに、令和7年度の春に本県で開催する第75回全国植樹祭の成功に向けて、準備を着実に進めていくとともに、会場となる秩父ミューズパーク内の施設改修等を行います。
(11)稼げる力の向上
次に、「稼げる力の向上」についてです。
令和8年度の開所に向け、「SAITAMAロボティクスセンター(仮称)」の拠点施設と実証フィールドの整備を進めるとともに、アグリテック・フードテック促進のため、ロボットのデモ実証等を実施してまいります。
また、中小企業等の人手不足に対応するため、ITツール等を活用し省力化に取り組む中小企業に対し、設備投資に要する経費を補助するとともに、県北企業の人材確保を支援する「企業人材サポートデスク熊谷」を開設するほか、外国人材に多言語で県内企業を紹介するポータルサイトを開設します。
さらに、産業振興や地域の均衡ある発展を図るため、産業団地の整備を5地区で継続するとともに、新たに美里甘粕地区の整備を進めてまいります。
(12)儲かる農林業の推進
最後に、「儲かる農林業の推進」についてです。
アグリテックによる栽培・生産技術の向上を図るため、施設園芸農家や企業等で構成する協議会を設置し、IoTを活用した栽培データ等の活用体制の構築を図るほか、県育成いちご品種の生産拡大に向け、育苗期間を短くできるセル苗の実証や苗生産に必要な施設等の整備費用を補助するとともに、水産研究所に陸上養殖施設を整備し、ワカサギの育成・採卵技術の開発に取り組みます。
また、新規就農の促進のため、明日の農業担い手育成塾に農業法人研修コースを創設するとともに、第三者経営継承に向けたマッチング支援や女性が働きやすい環境整備に向けて支援してまいります。
次に、その他の議案のうち、主なものにつきまして、御説明申し上げます。
第24号議案「埼玉県職員定数条例の一部を改正する条例」は、児童虐待防止対策の強化等のため、知事部局の定数を21人、公営企業管理者の定数を12人、下水道事業管理者の定数を4人、それぞれ増員するものでございます。
第42号議案「埼玉県公立学校情報機器整備基金条例」は、初等中等教育段階の公立学校における情報機器の整備を目的とした基金を新たに設置するものでございます。
第46号議案は、川口市内に整備を予定している屋内50m水泳場の整備・運営に当たり、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆる、PFI法に基づき、特定事業契約を締結するものでございます。
その他の議案につきましては、提案理由等により御了承を頂きたいと存じます。
〔国の補正等に伴う補正予算案〕
続きまして、第53号議案「令和5年度埼玉県一般会計補正予算(第6号)」について、御説明いたします。
この補正予算案は、国の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づく補正予算に迅速に対応し、防災・減災、国土強靭化のための公共事業の追加や、経営発展を目指す農業者への支援などに要する経費を計上したものでございます。
補正予算額は319億5,822万円で、既定予算との累計額は、2兆2,913億5,311万5千円となります。
この補正予算案につきましては、令和6年度当初予算と切れ目なく執行するためにも早期の事業執行が必要であることなどから、他の案件に先立って御審議いただきますよう特段の御配慮をお願いするものでございます。
以上で私の説明を終わりますが、何とぞ慎重審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げます。
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