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掲載日:2024年4月3日

令和6年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(松澤正議員)

災害時におけるペット同行避難について

Q 松澤正 議員(自民)

年明けに発生しました能登半島地震では、多くの人命が失われ、地域に多大な被害をもたらしました。亡くなられた方々の御冥福と被災された方々にお見舞いを申し上げます。また、一日も早い復旧復興をお祈り申し上げるところでございます。
地震から2か月近く経過しても、今なお多くの方が厳しい避難生活を余儀なくされていますが、ボランティアの受入れや仮設住宅の入居も始まるなど、一歩ずつですが前に進み始めています。
さて、被災地に対する支援以外にも、ペットに対する支援も必要と考えております。
一般社団法人ペットフード協会が毎年行っている全国犬猫飼育実態調査の令和5年調査結果によれば、国内で飼われている犬と猫の数は約1,591万頭とされており、国民の約8人に1人は犬か猫を飼っていることになります。ペットも大切な家族の一員であり、ペットを置いて避難することに抵抗のある飼い主も多いと思われます。私もその1人ですが。
能登半島地震においても、ペットを飼っているため避難所へは行かず、自宅や車の中で避難生活を送っている方の報道を目にしました。ペットを守るために倒壊のおそれがある自宅や狭い車中などにとどまることは、飼い主自身の安全や健康を損なうおそれがあります。
石川県でもペットの災害対策に取り組んでこられたと思いますが、それでもいまだ避難所へ行くことを諦める方がいます。そういったことのないよう、避難所におけるペットの受入体制が整備され、ためらわずにペットを連れ避難できるようにすることが大切かと思います。
本県においても、飼い主がペットと一緒に自宅から避難する、いわゆるペット同行避難を推奨する立場から、避難所でのペットの受入れを推進するためガイドラインを策定しているのも承知しております。災害時に十分機能し、避難所でペットの受入れが円滑に進むために、避難所を設置・運営する市町村や避難所を利用する飼い主などに対して日頃からガイドラインについて周知し、ペット同行避難への理解を深めておくことが必要です。
また、同行避難推進のためには、埼玉県版ペット動物のための防災手帳の利用の促進も重要です。これはワクチンの接種状況や個体情報の記載、写真を貼付した災害時の同行避難に備える持ち歩くことのできる記録簿です。同行避難の受入れなどの際にすぐに情報確認でき、スムーズな受入れの一助となります。万が一、離れ離れになってしまっても、写真があることにより迅速な捜索に役立つと思われます。
ペット同行避難ガイドライン、埼玉県版ペット動物の防災手帳の周知等への取組状況及び今後の更なる周知への取組について、保健医療部長にお伺いいたします。
また、ガイドラインについては、時勢の変化にも柔軟に対応しながら、これまでの災害対応で得た知見なども補足し適宜内容を見直すことで、少しでも実効性の高いものにしていく必要があります。ついては、今般の能登半島地震を踏まえ、ペット同行避難について、何か新たな課題や教訓などガイドラインに反映させ、見直すべき点はあったのか、保健医療部長に伺います。
さらに、避難所でペットの受入れが円滑に進められるようにするには、ペット同行避難に関する実施訓練の実施や資材、器具の準備といった平時からの備えも重要です。そこで、ペット同行避難に関する平時からの備えについて、県ではどのような取組を行っているのか、保健医療部長にお伺いいたします。

A 表久仁和 保健医療部長

まず、「ペット同行避難ガイドライン」及び埼玉県版「ペット動物のための防災手帳」の周知等への取組についてでございます。
県では、「避難所を設置する側」と「避難する側」それぞれの立場からペット同行避難に理解を深めてもらうため、「市町村向け」と「飼い主向け」に、それぞれ内容の異なる2種類のガイドラインを作成しました。
また、ワクチンの接種歴やマイクロチップ番号などペットの記録を携帯できるよう、「ペット動物のための防災手帳」も併せて作成しております。
市町村向けガイドラインにつきましては、すべての市町村に提供しております。
飼い主向けガイドラインやペット防災手帳につきましても、動物愛護フェスティバルなど県主催のイベントをはじめ、動物愛護推進員やボランティアが行うイベント会場などで配布しております。
また、県の広報誌をはじめ公式アプリや公式SNSなど各種広報媒体も積極的に活用しながら、これまで幅広く周知を行ってきたところです。
最新の取組といたしましては、昨年11月にスタートした「バーチャル埼玉」の中に「ペット防災ブース」を設けて周知を始めたところであり、今後とも様々な機会を捉えガイドライン等の周知に努めてまいります。
次に、能登半島地震を踏まえガイドラインを見直すべき点はあったのかについてでございます。
これまでのところ、「ペットを連れていける避難所が少ない」、「ほかの避難者への遠慮から避難所に行き辛い」といった課題が被災地から報告されています。
本県のガイドラインでは、ペット専用の保管スペースを確保して人々の居住空間と分離することを原則とした上で、ペットの保管に関する基本的ルールやマナーについても示し、他者の迷惑とならないよう配慮した同行避難を推奨しているところです。
しかし、これまで市町村や飼い主だけを対象にガイドラインを周知してきたため、同行避難はペットを飼っていない人に配慮して行なわれることが十分に伝わっておらず、ペットの受入れが進まない面もあると思います。
そこで、今後はペットを飼っていない方に対しても、ガイドラインに示す同行避難の基本的ルール等の周知に努めるとともに、ペットを飼っていない方の御意見も伺いながら、ガイドラインに反映してまいります。
次に、平時からの備えに関する県の取組についてでございます。
議員御指摘のとおり、ガイドラインで定めたペットの受入れに関する手順やルールを実際に機能させる上で、実地訓練や平時からの備えは非常に重要であると考えます。
そこで、県では九都県市合同防災訓練をはじめ、市町村と協働で実施する防災訓練において、ガイドラインに沿って避難所でのペット受入れを想定したシミュレーションを行い、運用の具体的な注意点の確認や改善すべき点の助言を行っています。
また、平時からの備えとして、動物指導センターに防災備蓄庫を設置し、ケージやフードなど同行避難に必要な物資を計画的に備蓄しております。
さらに、県に登録されている動物救護活動ボランティアに対し、動員要請が速やかに行えるよう、定期的に通信訓練も実施しております。
今後とも、実地訓練や平時からの備えをしっかりと行い、避難所におけるペットの受入れが円滑に行われるよう努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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