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掲載日:2022年7月12日

令和4年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(水村篤弘議員)

知事の政治姿勢~物価高対策について~

Q   水村篤弘 議員(民主フォーラム)

4月以降、日本を含む世界各国でインフレが加速して物価が高くなってきています。身近な生活に関わるところでも、ガソリンの値段やスーパーやコンビニに行くたびに食料品の値段が上がり、私たちの財布を直撃しています。6月17日から19日の日本経済新聞社などによる世論調査では、資源高騰や円安などによる足元の物価上昇について、「許容できない」との回答が64%に上りました。
御承知のように、インフレは基本的には需要と供給で決まります。新型コロナの流行以降、アメリカをはじめ先進国で経済対策、前代未聞の金融緩和をやってきて、ものすごく買う力、需要が強くなっていました。一方で、供給要因としては、コロナ禍からの再生の中で物流の停滞、物不足という状況や人手不足もありました。
そこに来て、2月のロシアによるウクライナへ侵攻での原油や食料の高騰、中国の都市封鎖による原材料の調達難など世界的な情勢に加えて、日本の場合は急速に進む円安なども影響しています。アメリカの8%台のインフレに比べれば日本は2%台ですが、先進国の中で我が国だけが賃金が上昇せず格差も拡大している中で、多くの県民が物価高にあえいでいます。
私は、3月の予算特別委員会で知事に、強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議の早急な開催を求めました。県では、4月27日に「原油・原材料価格高騰に対応した今後の経済対策などについて」を議題として開催されました。そして、今回の補正予算案では、原油価格や物価高騰の影響を受ける生活者や事業者への様々な支援策が盛り込まれています。
以上を踏まえて質問は、1点目、当面の対策としては、生活者や事業者への資金的な支援は評価をいたします。その上で、原材料費の高騰というやむを得ない価格転嫁、値上げを県内企業が行えるような環境づくりが必要です。なぜならば、企業努力で価格を据え置こうとすれば、人件費を抑えるべく更に非正規雇用を積極的に雇うようになり、正社員の賃金も上げず、賞与も減少させていきます。そうなると、将来不安は加速してデフレスパイラルに陥り、景気は悪化して人々は将来に希望を持てなくなります。物価が上昇するときには賃上げもしないと、景気回復にはつながりません。県内企業で働く方の賃金が上昇するような取組も必要です。知事の御見解を伺います。
2点目、物価高の中でも日々の食生活を支える食料品の値上げが私たちの生活を直撃しています。4月に取りまとめられた関係閣僚会議によるコロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」では、「輸入小麦から国産の米・米粉、国産小麦への切替えなど、原材料価格の高騰を受けた原材料の切替え、価格転嫁に見合う付加価値の高い商品への転換や販路開拓、生産方法の高度化等による原材料コストの抑制等を支援するほか、国産小麦の生産拡大等を支援する」とあります。
埼玉県は麦の主要な生産県となっており、生産量は全国第9位です。中でも、小麦については製粉業界等の実需者から、安定した品質、産地と工場が近い地理的な条件などにより高い評価を受けているとのことです。今後は小麦をはじめとして更なる食料の生産拡大や地産地消に取り組み、県民生活を支えていくことを検討するべきであり、そのためにも農業関係者も戦略会議に御参加をいただいてはどうかと考えますが、知事の御見解を伺います。

A   大野元裕   知事

まず、価格転嫁や値上げを県内企業が行えるような環境づくりについてでございます。
県の四半期経営動向調査では、価格転嫁ができている企業の割合は6月1日現在で84.8%となってはいるものの、このうち、ほぼ全て転嫁できているとする企業の割合は16.2%にとどまっています。
また、今後賃金を上げると回答した企業の割合は25.6%と1年前と比較して10.0ポイント増加しているものの、賃金の上昇分については価格転嫁が困難で苦慮しているとの声も聞いています。
このため、まずは発注者の責務として、県の公共工事では契約約款にスライド条項を規定しており、契約後に急激な価格変動があった場合には、請負金額を適切に変更できるよう対応しています。
また、価格転嫁の円滑化のため、下請代金支払の適正化や価格交渉における受注側企業への不当なしわ寄せ防止などについて、経済団体を通じて県内受注者への周知をお願いをしているところであります。
さらに、親事業者が下請事業者との望ましい取引慣行の遵守を宣言する「パートナーシップ構築宣言」や、事業者向けの相談窓口である「下請かけこみ寺」などについて、メルマガやSNSなどを活用しプッシュ型で周知を行っています。
今後は、円滑に価格転嫁を行っている好事例を収集し、情報発信を行うなど、価格転嫁を言い出しやすい環境づくりにも取り組んでまいります。
次に、県内企業で働く方の賃金が上昇するような取組についてでございます。
賃金の上昇を図っていくためには、県内企業が生産性を高めていくことが不可欠です。
ビジネスの変革につながるデジタルトランスフォーメーションの推進や、世界的に要請されている脱炭素化の取組を進めることで新たな価値やサービスを創造し、生産性を高めていくことが可能です。
このため、県では国や商工団体等の支援機関や地域金融機関などで構成される「埼玉県DX推進支援ネットワーク」を設置し、企業同士のマッチング支援やデジタル人材の育成等により県内企業のDXを推進しています。
また、昨年10月に設置した埼玉県事業再構築支援センターにおいては、国の事業再構築補助金のグリーン成長枠の獲得など、生産性の高い新たな分野への業態転換が図られるよう企業の取組を支援しています。
一方で、新たな成長分野に適切な労働移動が行われるよう雇用の流動性を確保することも重要です。
御質問にあった価格転嫁の円滑化をはじめ、今申し上げた企業の業態転換や雇用の流動性確保は、いずれも中長期的な視点から取り組む必要のある構造的な課題です。
そこで、この3つの課題について集中的に対応策を検討するため、産業界や労働界の提言を受けて、「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」に国と県による部会を設けました。
部会では、専門家などのオブザーバーの御意見もいただきながら、具体的な取組についての検討作業を進めています。
引き続き、戦略会議を中心にオール埼玉で効果的な施策を推進し、適切な価格転嫁を進めるとともに、県内中小企業の稼ぐ力を高め、ひいては賃金の向上につながっていくよう全力で取り組んでまいります。
次に、農業関係者の戦略会議への参加についてでございます。
エネルギー・原材料価格の高騰は長期化が見込まれており、食料品等の価格も上昇しています。
戦略会議においても経済団体の議員から農業分野について意見が出るなど高い関心が寄せられています。
4月27日に開催した戦略会議では、農林部から畜産経営への影響の緩和や生産活動における省エネ化などについて報告し、このことが今回の6月補正予算案にもつながったところであります。
戦略会議は産官学金労のそれぞれの立場から現状認識や将来的な方向性について御意見をいただいており、具体的な施策については部会で検討をしています。
また、現場からの意見を踏まえた対応も重要であり、例えば上里町は国産小麦への切替えに重要な種子小麦の主要な産地でありますが、今月2日に降ひょう被害を受けました。
その際、金子農林水産大臣に対し私より直接働き掛けを行い、小麦の生産拡大に影響が出ないよう求めたところ、他県から種子小麦を提供できるようにするなど、県内小麦生産への配慮を頂いたところです。
今後も農業関係の具体的な施策については、戦略会議での方向性を踏まえ、必要に応じて部会において農業関係者の御意見も伺いながら検討を進めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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