トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和4年2月定例会 > 令和4年2月定例会 代表質問・一般質問 質疑質問・答弁全文 > 2月25日(金曜日) > 西山淳次(公明) > 令和4年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(西山淳次議員)
ここから本文です。
ページ番号:213227
掲載日:2022年3月30日
Q 西山淳次 議員(公明)
さいたま市の浦和美園地域に順天堂大学附属病院を誘致する計画が大幅に遅れています。当初の計画では、平成30年3月に着工し、令和3年3月に病院が開院する予定でした。ところが、着工期限直前に、病院側から新たなスケジュールが明確にされないまま整備計画変更が申請され、これが認められました。そして、昨年12月に新たなスケジュールを含めた整備計画が提出されました。
それによると、令和8年4月に着工し、令和11年3月に400床稼働、令和12年3月にフルオープンという予定です。当初計画から、丸々10年も遅れることになります。なぜこのように大幅に遅れたのか、まずはその理由を明確に御説明をお願いいたします。
次に、そもそも論になりますが、この際、本県が医師不足解消策として最優先でやるべきことは何かを確認させていただきたい。
本県の人口当たりの医師数が全国最下位であることは有名な話であり、最下位脱出は、当然目指すべき課題でありますが、そのようなアバウトな話ではなく、医師不足といっても、どの地域にどういった課題があるのか。もっと言えば、ある地域では何科の医師が何人不足しているのかといった具体的な課題が明確になっていなくてはなりません。そして、その課題解消がどうしても必要であり、そのために大学病院の誘致が有効であると結論できるなら、多額の建設費補助が慣例化している大学病院の誘致でも、県民の理解を得ることができるでしょう。
この医師不足の具体的実情について、私は、平成29年2月定例会の代表質問で明確にせよと質問しましたが、県の答えは、今後、地域医療構想の調整会議を行うことにより、状況を把握できる可能性が出てきたという不十分なものでした。
そこで、改めて伺います。本県の医師不足という大きな課題の中で、最優先で取り組むべき具体的な課題は何かをお答えください。また、その課題は順天堂大学附属病院を誘致することで解消できるのか。加えて、新たな整備計画どおりに進めた場合、県の補助額、負担はどの程度になるのでしょうか。
3点目として、今後の方針について伺います。
昨年12月に提出された順天堂大学附属病院の新たな整備計画について審議している埼玉県医療審議会は、1、開設時期の前倒しはできるのか、2、県内の医師確保困難地域へいつから医師派遣ができるのかという2点について、順天堂大学側に回答を求めておりました。2月21日に返ってきた回答は、開院時期については18か月の前倒しは可能、開院前の医師派遣については明確な答えがなかったとのことであります。
そこで、伺います。順天堂大学附属病院の誘致は大幅に遅れてきた経緯がありますが、今後も順天堂大学附属病院の誘致という方針に変わりはありませんか、それとも別の選択肢もあり得るとお考えでしょうか、伺います。
A 大野元裕 知事
整備の遅延についてでございます。
順天堂大学は建設に際して様々な要求を行い、また事業地内での候補地の一部整備に時間を要したこともございましたが、平成30年3月の当初の着工期限までには県市ともに、着工を可能にするための準備を整えることができました。
しかしながら、平成30年3月に大学側から県に対し、着工期限を示すことなく着工の遅延を認めるよう要請があり、医療審議会も了承する旨の答申を行いました。
その後、度重なる県からの大学に対する要請にもかかわらず、着工には至らず、議員御指摘の昨年12月の新たな整備計画の提出に至りました。これが遅延の経緯です。
次に、本県の医師不足に関し最優先で取り組むべき具体的な課題についてでございます。
本県は全国一のスピードで高齢化が進むと同時に人口も増えていることから医療ニーズが増加している中、勤務医の地域偏在や診療科偏在の解消が最優先で取り組むべき課題です。
そのため、県では、医師確保が困難な秩父、北部、利根の3つの2次保健医療圏を特定地域とし、また救急、小児、周産期の3つの診療科を特定診療科として、自治医科大学や地域枠の卒業生、あるいは奨学金や研修資金の貸与者に義務年限中、働いていただいているところです。
次に、誘致による課題の解消についてでございます。
大学附属病院を誘致することにより、利根地域や県北地域の医師確保困難地域に対する医師派遣が可能となり、また、先進医療の提供や医師、病床の確保にもつながります。
特に、医師派遣においては、大学附属病院から1つの診療科を担えるような複数の医師をチームとして派遣し、医師確保困難地域にある病院の診療科を計画的、恒常的に支えることを目指すものでございます。
医学部新設を国が認めない中、医師派遣の拠点を構築するとともに、救急及び周産期のように特にニーズが高い分野において、県内で勤務する医師を確保するには、今現在においても大学附属病院の誘致が有効な手段であることから、早期開院に向け引き続き取り組んでまいります。
次に、県の補助額・負担についてであります。
今回提出された整備計画における整備費は、県が見積もるものではなく、あくまでも順天堂大学が見積もるものでございますが、確認書に従い、整備費の半分程度を県が支援する先例を尊重することとなっております。
次に、今後も順天堂大学附属病院の誘致という方針に変わりがないか、別の選択肢もあり得るのかについてでございます。
平成27年度に医療審議会の答申を受けて順天堂大学の整備計画を採用いたしました。
しかしながら昨年末に大学側から新たな整備計画が提出されたことを踏まえ、計画を承認した医療審議会に対して、改めてこの整備計画を諮問しているところでございます。
来月開催予定の医療審議会において、順天堂大学の回答を審議の上、整備計画の変更について答申を医療審議会からいただくことになっており、医療審議会の結論を待ちたいと思います。
県としては、早期の医師派遣の実現と早期開院により、県内の医療提供体制の一層の充実に取り組んでまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください