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掲載日:2022年3月30日

令和4年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(岡重夫議員)

みどりの食料システム戦略について

Q   岡 重夫 議員(県民)

島国の日本は、農業に力を入れなければならないのは当然のことです。特に今後中国をはじめ世界は自国民の食料確保に重点を置くために、日本の食料の輸入は困難になると予想されています。
さて、政府は令和3年5月に30年後の農業ビジョン、みどりの食料システム戦略を決定しました。これには、最終的に2050年までに目指す日本の農業の姿が示され、将来の農業の方向性を見据えた長期的な戦略となっています。現在、国はこの戦略の実現に向けて新たな法律の制定を進めており、埼玉県はその法律に示される国の基本方針に従って基本計画の策定の準備を進めていると伺っています。
今回はその中の有機農業について伺います。
有機農業とは、化学肥料や農薬を使わない、そして遺伝子組替技術を利用しないことを基本とし、環境への負荷をできる限り軽減する農業です。そのために、この農業は消費者からは安全で安心した食料が提供されるために評価され、県も推進しています。
一方で、生産者は栽培自体に労力がかかるほか、有機JAS認証を取るにも労力がかかり、農家数は一定数増加しつつも思うように進んでいないのが現状ではないでしょうか。現に日本の耕地面積における有機栽培の取組面積の割合は約0.2%です。一方、世界を見ると一番割合の高いイタリアでは15.8%、ドイツは9.1%、アメリカでは0.6%という状況で、世界的に見ても日本の有機農業の現状は大変厳しいことが分かります。
そのような中、今回政府の定めたみどりの食料システム戦略では、有機農業の取組面積の目標は2050年までに25%となっています。こうした中において、埼玉県の有機農業面積の割合は僅かに0.34%と聞いています。一方、埼玉県5か年計画には、「農薬や化学肥料の軽減など環境に配慮した栽培による高付加価値化」という取組が明記されています。しかし、約30年後までに目標である25%を達成するには、現在よりも70倍以上の結果を出す必要があり、実現には至難のわざではないかと考えています。
私は、国の25%の目標を達成するためには、県が有機農業に取り組む生産者の支援を拡充して埼玉県で成功例をたくさん作ることや、有機農業の技術研究や指導員などの人材育成を横断的に実施することで埼玉県が全国をリードし、国全体で目標達成することが大事だと考えています。
そこで、この政府の戦略における有機農業の目標値を埼玉県として、どのように達成しようとするのか、知事のお考えを伺います。

A   大野元裕   知事

私は、農業は人々の食と命を支えており、食料安全保障の面からも重要な産業であると考えています。
その中で有機農業は、SDGsが目指す持続可能で環境との調和が取れた社会の実現にも大きく貢献をするものです。
国の「みどりの食料システム戦略」では2050年の有機農業の取組面積を、2040年までに農業者の多くが有機農業に取り組める技術を確立した上で、その後飛躍的に拡大させるプロセスとして描いています。
こうした技術の確立には大きなイノベーションが不可欠であります。
このため、県としても、国や民間企業と連携しながら、雑草管理や害虫防除などの作業を劇的に省力化する技術など、その時々の革新的技術の普及を推進してまいります。
また、将来の大きな目標を達成するためには、今現場で行われている成功事例を積み重ね、一歩ずつ着実に取組を前に進め、有機農業の拡大に向けた機運を高めることが重要です。
来年度は、有機農業を支えるため、先進農家の栽培技術を生産者の間で共有できる場や、生産者と消費者、流通業者の交流の場を新たに設けるなどの環境づくりを行い、有機農業関係者のつながりの強化を図ります。
さらに、先進農家を核として、生産から流通・消費の観点も取り入れた地域ぐるみの有機農業を確立する取組を支援し、全国のモデルとなる産地を育成します。
また、継続して有機農業を推進していけるよう、技術の進展に応じた研究や普及、栽培指導などを担う人材の育成・確保も図ってまいります。
2050年の目標を見据え、有機農業の拡大に向けた取組を着実に進めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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