埼玉県議会 県議会トップ画像

ここから本文です。

ページ番号:213177

掲載日:2022年3月30日

令和4年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(岡重夫議員)

自殺防止対策について - 相談支援体制について

Q   岡 重夫 議員(県民)

コロナ禍で憂慮すべき問題は感染症だけでなく、病気や経済的困窮などを理由とした自殺者が増加していることです。自殺防止対策については、我々会派は毎年取り上げていますが、現状を見るにまだまだ取組が途上であることを痛感しています。
さて、自殺率は国民の幸福度を知ることのできる重要な指標と言われています。経済的に豊かでなくても、自殺率が低い国は国民の幸福度が高く、逆にどんなに経済力があっても自殺率が高い国は国民の幸福度が低いと言われています。
そこでG7、先進七か国首脳会議で見た場合、人口10万人当たりの自殺者数は、1位が日本で16.1人、次いで2位はアメリカの14.7人、3位はフランスで13.1人で、次いでドイツ、カナダ、イギリス、イタリアの順となっています。こう見ると日本は、国民の幸福度はかなり低いと言えます。最近、テレビなどで自殺の報道がされるたびに、救う方法はなかったのか、残された家族の悲しみはいかばかりかと胸が締めつけられます。
さて、我が国では、平成2年の後半から増加してきた自殺者数は、平成15年の3万4,427人がピークでした。それ以降、様々な対策が功を奏し減少はしているものの、いまだに年間2万人を超えています。一方、埼玉県における自殺者数は、平成21年の1,796人をピークに減少はしていますが、毎年1,000人を超える人がなくなっていて、依然として深刻な問題です。
自殺の多くは追い込まれた末の死であり、誰もが自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指すことが大切です。また、厚生労働省が平成28年に実施した国民の意識調査では、国民の20人に1人が「最近1年以内に自殺を考えたことがある」と回答していて、今や自殺の問題は一部の人や地域の問題ではなく、国民誰もが当事者となり得る重大な問題です。
大野知事は、公約「次世代を担う子供たちを育成する埼玉へ」の中で自殺対策の推進を掲げ、これまでも様々な対策を行い、自殺防止に取り組んでこられました。また、令和3年度にはSNSなどを通して新たな相談体制の構築も行われ、令和3年3月には埼玉県第二次自殺対策計画を策定し、県庁を挙げて対策に取り組んでいます。さらに、令和4年度予算案にも自殺対策の事業が盛り込まれています。
県の支援相談体制には、相談内容によって相談窓口が分かれています。そして、埼玉県第二次自殺対策計画には「精神保健福祉センター及び保健所の相談体制を強化する」と記載されています。一方、県のホームページを見ると、各保健所や市町村の保健センターなどが記載されているほか、こころの健康相談統一ダイヤルや埼玉いのち電話などの民間団体による支援、そして法律相談窓口があり、県民から幅広く相談を受ける体制を取っています。
現在、コロナ禍で私たちにも県民の皆さんからの相談があり、生活面や健康のこと、さらには、家族のことなど以前より多岐にわたり、かつ深刻さが増していることを実感しています。そのような相談を丁寧に聞いてアドバイスができれば、自殺を防ぐことにもつながります。
また、私は、コロナ禍だからこそ身近なところで住民の相談に乗れる行政の窓口があること、さらには、県と市町村の自殺防止の情報の共有体制も大切で、相談体制の強化が求められていると考えています。
そこで、県と市町村との連携した相談体制の強化策について、知事にお考えを伺います。

A   大野元裕   知事

自殺の背景には、精神保健上の問題だけでなく、過労、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤立などの様々な社会的要因があることが知られています。
このため、まずは相談を受けた機関が当事者の困り事や悩み事をしっかりと受け止めるとともに、問題に対応した専門機関につなげられるよう、セーフティネットの更なる充実強化が必要であると考えています。
議員御指摘のとおり、住民に身近な相談窓口である市町村の役割が、コロナ禍にあっては、ますます大きくなっていると認識をしております。
現在、埼玉県下の全ての市町村に自殺予防相談窓口が設置されていますが、県では、相談に当たっての参考となるよう、県内の自殺情報を収集した市町村ごとの自殺実態情報、いわゆるプロファイルを提供しています。
また、県医師会に委託し、市町村職員も含む自殺対策業務従事者に対して、人材養成研修を実施するなど、市町村における自殺予防対策が適切に行われるよう支援しています。
なお、先月末に県内市町村の状況を調べたところ、相談窓口や電話回線を増やしたり、相談時間を延長するなどコロナ禍における相談体制の強化が図られております。
今後も、市町村と連携をし更なる相談体制の強化に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?