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掲載日:2021年10月21日
Q 武内政文 議員(自民)
産業廃棄物の取扱いに関しては、廃棄物の搬出から収集、運搬、中間処理、最終処分というそれぞれの段階で事業者に対する許可制が適用されております。しかし、この流れの中で、事業者が建設工事等に伴い発生する産業廃棄物をその事業場外で自ら保管する場合は、県の許可ではなく保管届を提出すれば済むことになっております。
こうしたことから、東松山環境管理事務所管内で事業者が不適正に産業廃棄物を保管し、住民の安全を脅かしている事案があります。その保管場所には半年ほど前から解体工事などで出された廃棄物が保管されるようになりましたが、住宅面に面しており、付近の住民の方々は大変不安な日々を過ごしております。例えば夜中にトラックが廃棄物を搬入、搬出する騒音により目が覚める、廃棄物が基準に反して危険な状態で積まれている、狭い住宅地をトラックが通りブロック塀が壊されるなどの状態が続いています。
環境管理事務所はこれまで繰り返し是正指導を行っているとのことですが、県の指導に従って改善されているとは言い難い状況です。私も住民の皆さんとともに現場を確認しましたが、大変危険な状態でした。
産業廃棄物の処理基準の中には保管場所の制限や廃棄物の搬入、搬出の時間、頻度の制限、保管期限などがないため、住民などから通報があって初めて事業者に対して注意や口頭指導を行うことになります。また、許可ではないので事業者は保管基準を守らないことが多く、県が指導を促す行政指導を繰り返すことになっていると思われます。ただ、このケースのように法令の処理基準にないからといって、住民生活の安全が損なわれている状況を作り出してよいのでしょうか。熱海市の盛土による土砂災害では、市の改善指導が繰り返し行われていたにもかかわらず事業者はそれに従うことなく、結果として今回の災害を引き起こしてしまったということです。
国は、県の産業廃棄物行政に関して行政指導に偏った対応を見直すよう通知を出しております。その内容は、行政指導を継続し法的効果を有する行政処分を行わない結果、違反行為が継続し、生活環境の保全上の支障の拡大を招くといった事態は回避されなければならないところであり、緊急の場合及び必要な場合にはちゅうちょすることなく行政処分を行うなど、違反行為に対しては厳正に対処することというものです。
そこで、環境部長にお伺いいたします。
届出の段階で届出者に対し法に定められた保管現場の処理基準を遵守するよう厳格な行政指導を行うとともに、指導に従わないことを繰り返す事業者に対して、必要な場合はちゅうちょなく改善命令などの行政処分に移行すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
また県は、産業廃棄物の保管において処理基準にはありませんが、保管場所や廃棄物の搬入・搬出の時間、頻度など住民生活に悪影響を及ぼす可能性のある事項について、今後どのように対応するのか、お伺いいたします。
A 小池要子 環境部長
事業場外保管届出制度は、不適正な保管が行われる事案の多い建設工事に伴う産業廃棄物を対象に、平成23年に新設されたものです。
環境管理事務所では、届出を受ける際に、産業廃棄物の種類、保管方法、保管量を厳密に確認し、処理基準に従うよう指導を行っております。
保管開始後には、監視パトロール等を行い、違反が確認された場合には厳しく指導しているところです。
ほとんどの事業者は処理基準に従っておりますが、再三の指導に従わない事業者や一旦は指導に応じるもののまた戻ってしまい、違反状態が長期的に継続している事業者もおります。
こうした事業者に対しては、緊急性や必要性を見極め、必要な行政処分を躊躇なく行ってまいります。
次に、処理基準にはないが住民生活に悪影響を及ぼす可能性のある事項についての対応です。
廃棄物の搬入・搬出の時間・頻度などは処理基準に定められておらず、法的な行政処分等はできませんが、その状況によっては、地域住民の生活環境に重大な悪影響を及ぼすことも想定されます。
そのため、今後は届出の際に、処理基準はもとより、夜間搬入など配慮すべき事項についても具体的に示して事業者に指導するなどの対応をしてまいります。
また、騒音や悪臭等の規制を所管する地元市町村と情報共有を密にするとともに、状況によっては警察の協力もいただき、現場に合同で立入検査を実施するなど、十分に連携して対応してまいります。
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