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掲載日:2021年10月21日

令和3年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(武内政文議員)

盛土による土砂災害の危険への対策について

Q   武内政文 議員(自民)

本年7月3日に起きた熱海市の土石流災害は多くの犠牲者を出し、いまだ行方不明の方々がおられます。犠牲になられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げます。
今回の災害では、盛土の不適正な処理が大きな問題になりました。原因の全容は現在調査中ですが、少なくとも規定を越えた盛土の堆積が土石流を引き起こしたことは間違いありません。
翻って、県土の3分の1の山間地域を有する本県においても、今回の災害は他人事では済まされません。崖崩れや土石流といった土砂災害から県民の命や財産を守るため、本県では5,225か所もの土砂災害警戒区域が指定されております。万が一、このような災害リスクの高い箇所に不法に盛土が行われているとすれば、県民の安心・安全を脅かす大きな問題であります。
国では危険個所の総点検を実施し、新たな残土処分制度を検討していくと伺っておりますが、県としてもまずは県の所管範囲のみならず、市町村管理分も含めた県内全体の盛土の現状を早急に把握し、対応を検討すべきと考えます。
そこで、盛土の総点検の実施状況と今後の対応方針について、県土整備部長のお考えをお伺いします。
また本県では、土砂の排出、堆積等の規制に関する条例により、堆積を行う土地の面積が3,000平米以上を対象に許可制により規制しております。一方、県内市町村の状況を見ますと、県の基準より小さい500平米以上から県の対象面積を含む独自の条例を制定しているところが8市町、県条例の対象を外れる小規模な面積から3,000平米未満を対象とした条例を制定しているところが44、要綱対応が3、残りの8市町は条例を制定しておらず県条例を適用しております。このように規制条例の適用が県と市町村でまちまちであります。このことから規制の緩い自治体に残土が多く持ち込まれることも危惧されます。
また、土砂の盛土は面積によって県と市町村の規制対象が分かれているので、市町村で許可を受けた盛土が予定の面積よりも大きく積まれることで、県条例の対象となるものの県への許可申請がないことにより、結果として県条例に違反した無許可の盛土となる場合があります。
熱海の土石流の原因となった盛土も、静岡県土採取条例により熱海市に届出が出された当初の計画よりも面積や土量が大幅に超過する規模だったと聞きます。このように一旦は届出や許可申請が出されたとしても、予定していた面積を無視して土砂が継続的に堆積されれば、災害を引き起こす可能性は高くなります。
こうした状況について、県と市町村の情報の共有、監視や規制のための連携体制を含めどのように対応していくのか、環境部長にお伺いいたします。

A 北田健夫 県土整備部長

盛土の総点検の実施状況と今後の対応方針についてお答え申し上げます。
令和3年7月に発生した熱海の土石流災害を契機に、全国の盛土について、土地利用規制等に係る法令を踏まえ、国と地方公共団体が連携して総点検を実施することになりました。
県では、国の点検要領に基づき、土砂災害警戒区域など災害リスクが高い場所に重点を置きつつ、許可・届出資料等から確認した盛土や、過去の地形図との標高差により推定される盛土等から点検箇所を抽出しました。
現在の実施状況でございますが、市町村が土地利用規制の権限を有する盛土も含め、総点検の対象として県内で合計461箇所の抽出が完了いたしました。
今後、年内完了を目途に許可・届出等の手続き内容と現地の状況が一致しているかどうか、災害防止の必要な措置がとられているかどうかなどの観点から目視等による点検を実施し、盛土の実態把握に努めてまいります。
また、点検の過程で災害危険性を有する盛土が判明した際には、関係法令に従って是正措置を講ずるなど、速やかに適切な対応を図ってまいります。
引き続き、関係部局とともに、市町村の協力を得ながら、盛土による災害の防止に取り組んでまいります。

A  小池要子 環境部長

県と市町村の情報の共有、監視や規制のための連携体制も含め、どのように対応していくのかについてお答え申し上げます。
議員お話しのとおり、土砂のたい積は面積によって県と市町村の規制対象が分かれておりますが、その隙間を突かれることのないよう、県と市町村間で情報を共有し、不適正な土砂のたい積の防止に努めてまいりました。
具体的には、たい積されている面積にかかわらず、巡回パトロールで不適正と思われる現場を発見した場合や住民からの通報、市町村からの相談があった場合には、環境管理事務所に配置した警察OBの指導員などが市町村職員と合同で監視や指導を行っております。
それでもなお、指導に従わない悪質な事業者に対しては、警察などとも連携し、厳しく監視や追跡調査、指導、案件によっては告発も行っているところです。
不適正な土砂のたい積を防ぐためには、早い段階での対応が極めて重要です。
今後とも、関係機関でより速やかに情報を共有し、これまで以上に連携を密に厳格に対応してまいります。
また、土砂等は県境を越えた移動がある上、条例で定める罰則では地方自治法による上限があり十分な抑止力になっていないという課題もあることから、国に対する法制化の要望も引き続き行ってまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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