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掲載日:2023年10月23日
Q 柳下礼子 議員(共産党)
埼玉県は、コロナピーク時、1,400床体制に向けて病床確保を進めています。しかし、病床を担う医療機関が赤字経営に苦しんでいます。党県議団は、6月定例会で日本病院会や埼玉県保険医協会の調査を紹介し、医療機関の経営難を取り上げました。先日訪問させていただいたある大学病院では、46床のコロナ感染症病床、母体・胎児集中治療室(MFICU)を確保し、治療に当たっています。糖尿病や透析など合併症の感染症患者、特にほかの病院では受入れ困難な精神疾患者、周産期の患者を受け入れ、最後のとりでとして奮闘していただいています。病棟を整備し新たな病床を確保したり、認知症や自殺のおそれのある患者への安全配慮のためにモニタリングを設置するなど新たな支出がある一方で、去年の4月、5月と比べて病床稼働率、手術の数、入院、外来などは4分の1程度減っており、初診に至っては5月は半減とのこと。
6月の答弁では、こうした医療機関の減収を知事は認識しておられるとのことでした。改めて、医療機関の損失を補償するよう国に働き掛け、実現していただきたいのです。知事の答弁を求めます。
先ほど看護師さんたちのストレスについて述べましたが、慰労金交付事業が6月30日まで勤務した医療従事者に限定されています。国によると、緊急事態宣言が終了したからとの理由ですが、その後も第2波が到来したと言われ、医療労働の大変さも変わることはありません。なぜ6月30日で終了するのか疑問です。
さらに、東京、大阪、奈良、長野、宮城などでは、医療従事者全てに特殊勤務手当が支給できるよう支援金を出しています。埼玉県は、特殊勤務手当支給の支援金について、看護師、保健師、助産師、准看護師のみの支給に限っており、医師さえ受け取っておらず、差別を生んでいます。
まず、慰労金については6月30日以降についても支給できるよう国に求めるべきです。また、特殊勤務手当について他県のように地方創生臨時交付金を使って、全ての医療従事者に支給できるようにすべきです。保健医療部長の見解を求めます。
知事はフェーズ4に備え、コロナ専用医療施設整備への助成として37億5,400万円を盛り込んだ補正予算を本定例会に提出しました。県は施設整備費を助成しますが、先ほど述べたように、医療機関はコロナを受けての減収により経営危機に陥っています。施設整備のみではなく、空床補償、協力金、手当などの更なる拡充を求めますが、保健医療部長の答弁を求めます。
A 大野元裕 知事
医療機関の損失を補償するよう国に働きかけ実現すべきについてであります。
私はこれまで、西村
康
稔
経済再生担当大臣などに、医療機関の経営に支障が生じないよう、様々な緊急要望を行ってまいりました。全国知事会としても、診療報酬の引上げや福祉医療機構による無利子・無担保貸付の拡充を国に提言いたしました。
こうした要望をしっかりと受け止めていただき、国の第2次補正予算や予備費の活用により、新型コロナウイルス感染症対応を行う医療機関の空床確保料や診療報酬が引上げられました。
また、福祉医療機構の無利子・無担保貸付についても拡充されたところであります。
9月26日には、全国知事会として、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れていない医療機関も含め、経営悪化に歯止めをかけるよう緊急提言を行いました。
引き続き、県内の医療機関の窮状についても、御指摘のとおり、機会を捉えて、国に訴えてまいります。
A 関本建二 保健医療部長
慰労金については6月30日以降についても支給するよう国に求めるべき、についてでございます。
慰労金については国が全額費用負担し、全国一律に実施している事業です。
お尋ねの6月30日までの対象期間については、今後、追加的な慰労金の給付を想定しているのかという質問に対して、国からは想定していないとの回答を得ております。
次に、特殊勤務手当をすべての医療従事者に支給できるようにすべき、についてでございます。
国は、医療従事者に対する手当については、基本的に診療報酬で対応することとしており、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の補助対象としておりません。
そこで、県では、医療機関や県看護協会からの要望も踏まえ、独自の取組として、入院病棟に勤務する看護職員への手当に対して1人1日4,000円を上限とした助成を行っており、既に9月30日までに8億6,477万1,000円を概算払いしております。
本来、こうした支援は、国が責任を持って実施すべきであり、財源の確保の観点から、全ての医療従事者に対象を拡大することは困難と考えております。
次に、コロナ専用医療施設の整備に、施設整備費のみならず空床補償、協力金・手当などの更なる拡充を求めることについてでございます。
病床確保料については、国から予備費を活用した更なる増額が9月15日に示され、重点医療機関であれば、従来1床あたり1日5万2,000円だった単価が、7万1,000円などに引き上げられるとの通知がありました。
平成30年度病院経営管理指標によると、医療法人の一般病院の患者一人一日当たりの入院収益は、4万6,380円となっており、増額後の病床確保料はこれを上回ります。
県といたしましては、こうした病床確保料の増額の動きに対応しながら、専用医療施設を整備する医療機関の支援を検討してまいります。
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