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掲載日:2023年7月10日

令和2年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(内沼博史議員)

県産木材の利用による林業振興について

Q  内沼博史  議員(自民)

林業、木材産業を活性化させるためには、県産木材の利用促進が重要です。県においても県産材を利用した住宅に補助金を交付し利用促進を図っていただいておりますが、公共施設の木造化や県産木材の利用は進んでいないのが現状ではないでしょうか。林業地域にある自治体では公共施設などに県産材を使用し、県産木材の利用促進を図っています。しかし、都市部においては公共施設への県産材利用がまだまだ進んでいないと考えます。
近年、木造建築の技術革新が進み、耐火性、耐震性に優れたCLTと呼ばれる新たな木質部材が利用されるようになってきました。こちらが実物のCLTであります。CLTとは、丸太を厚さ3センチメートル程度の板にし、この板と板を直交で貼り合わせて作られた建材です。コンクリートに比べ軽いことから、建築基礎の簡素化や低価格化が図れることや、工期の短縮、高い耐震性を確保できることなどが特徴です。
平成28年、建築基準法に基づく告示により、CLTを構造部材として用いるために、施設ごとに必要だった大臣認定が不要となりました。その結果、CLTを使った中高層、非住宅施設の建設が活発になりました。例えば、日本最長の屋内練習走路である山梨県の富士ウッドストレートや、世界的な建築家、隈研吾氏がデザイン監修した東京都のCLTパビリオンなど、様々な建物が建設されています。
県内でも、今年の5月、飯能市で地元の西川材のCLTを使った木造2階建ての商工会議所がオープンしました。この施設は飯能地域において川上である素材生産者、川中の製材工場、川下である建設会社が共に連携しながら造られました。林業イノベーションによる林業振興を図る観点からも、象徴的な建物ではないかと考えます。このように川上から川下までが連携すれば、木材の安定供給や流通コストの削減が期待され、林業振興に役立つと考えます。
そこで、質問します。
まず、県内にCLTで建てられた建物は幾つぐらいあるのでしょうか。
このCLTの普及が林業振興、県産材の普及促進、ひいては内需拡大に大いに役立つと考えますが、CLTの普及についていかがお考えでしょうか。農林部長にお伺いします。
また、CLTの拡大、コスト削減、工期短縮にはプレカット工場が重要ですが、県内はもとより関東圏にもありません。県産木材の利用促進のためには、プレカット工場の県内誘致が必要と考えますが、農林部長の御所見をお伺いします。

A  強瀬道男 農林部長 

まず、県内にCLTで建てられた建物はいくつあるのか、についてでございます。
平成26年に建てられた和光市内の民間施設を皮切りに、これまで飯能商工会議所会館も含めて13施設でございます。
次に、CLTの普及についてどう考えるのか、についてでございます。
CLTは強度が高いため、これまで木材があまり使われてこなかった中高層建築物にも活用でき、県産木材の新たな需要が期待できます。
また、CLTは木材を大量に使うため、「伐って、使って、植えて、育てる」森林の循環利用を促進します。
さらに、議員お話のとおり、コンクリートに比べて軽いことや工期が短縮できることなど、建築を行う上でもメリットがございます。
一方、CLTは歴史が浅いため、CLTを使った木造建築物を設計できる人が少ないなどの課題があります。
このため、県では設計技術者に対する講習会の開催を支援するなど、CLTの普及に取り組んでまいります。
また、CLTは木材を大量に使うが故に、CLTに向く木材の安定供給が必要となることから、間伐した丸太を木材として活用する搬出間伐などの取組を通じて、原材料となる木材の安定供給を推進してまいります。
次に、CLTのプレカット工場の県内誘致についてでございます。
現在、CLTを加工するプレカット工場は全国で18カ所ありますが、関東地域にはございません。
CLTのプレカットについては、既存のプレカット工場にCLTを加工する機械を整備するという方法も含め、県内に立地することも考えられます。
こうしたことを踏まえ、今後のCLTの普及状況を勘案しながら、採算性などの観点も含め木材加工業者など関係者と意見交換を行い、対応を検討してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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