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掲載日:2023年6月28日

令和2年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(塩野正行議員)

第2波への備えについて - 医療提供体制の拡充について

Q  塩野正行  議員(公明)

PCR検査で陽性となった人は、速やかに医療機関への入院又は宿泊施設での療養が求められます。特に重篤・重症患者、肺炎の症状がある人や基礎疾患のある人などについては、いつでも入院できる環境を整えることが不可欠です。
県は、確保した602床を一時的に240床まで縮小するものの、再拡大時には再度600床に戻すとしています。帰国者・接触者外来を実施している医療機関で実際の対応状況などを伺いましたが、簡単には縮小できない状況がありました。同病院はワンフロア44床分のスペースを活用して、中等症10床、軽症20床の内訳でありますが、30床の入院体制をとりました。4床室を1人から2人で使用するため、受入可能な患者数は、通常の入院患者数の3分の2に減少します。最も切実だったのは、手術の延期などもあり、病床稼働率が50%近くに落ち込み、経営が著しく悪化していることでした。また、新型コロナウイルスの陽性患者を受け入れるフロアには他の患者は入れられず、30床はそのままにしておくしかないとのことでもありました。縮小期に陽性患者の受入病床を確保するには十分な財政支援が欠かせない、そう強く感じました。具体的な支援策についてお答えください。
また、県は再拡大時、中等症病床は従来の329床から400床に増やす計画です。400床を目指していたが、329床にとどまってしまった経緯もあります。再拡大時にどのように確保するのか。さらに、最大2,400床といわれる病床に対して、どのように確保していくのかについてもお答えください。
再拡大を要請する時期についても伺います。
知事は縮小期の240床の50%が埋まった段階で検討し、まずは420床、3日から1週間程度で段階的に600床を確保する意向のようですが、それでは遅いのではないかと感じています。感染拡大が始まると、感染者数の倍化時間は急速に短くなり、1週間どころか数日のうちに倍増します。また、縮小期の240床には重症以上の60床が含まれます。重症以上の病床使用率は10%前後と最初は低いため、大半が中等症以下になります。全体で50%を目安にすると、中等症以下の病床利用率はその時点で6割を超えることになります。検査体制の拡充に伴い陽性患者発生の立ち上がりが、前回より早くなることなども考慮する必要があります。より早い時期に再拡大期の準備に入ることについて、またメディカル・アラートの発出についても、併せてお考えをお示しください。
さらに、臨時医療施設としての宿泊施設における療養について伺います。
4月23日、本県での死亡事例を教訓に国は、軽症や無症状の陽性者は原則宿泊施設での療養とするよう方針を転換いたしました。医療資源の乏しい本県であるが故に、貴重な病床をより有効に活用するためにも、宿泊施設を最大限活用することが必要になります。
しかし、宿泊施設での療養が思ったほど増えませんでした。全国的な傾向のようですが、宿泊療養が進まなかった原因を詳細に分析し、明確な基準を設けることはできないでしょうか。一方で、宿泊療養における快適性の向上も必要かもしれません。今後の取組についてお答えください。

A  大野元裕  知事

まず、縮小期に陽性患者の受入れ病床を確保するための財政支援についてでございます。
感染症患者は、一般の患者と同じフロアの病床で受け入れることが困難であり、専用病棟を確保する医療機関では空床が生じやすくなるため、しっかりと財政支援をしていく必要があります。
このため、県といたしましては、国の第2次補正予算を活用し、専用病棟の空床確保料の単価を、例えば中等症の病床の場合、1床あたり、これまでの16,000円から52,000円に拡充するなど、大幅に増額してまいりました。
さらに、専用病棟の病床確保のために休止した一般病床についても、中等症の場合、52,000円を単価として新たに支援の対象としてまいります。
次に、再拡大期に中等症病床をどのように確保するのか、さらに最大2,400床までどのように確保していくのかについてでございます。
肺炎症状があるなど、入院が必要となる中等症の患者の治療では、酸素吸入など一定の設備が必要となります。
そこで、今回、再拡大期に備え、人工呼吸器や呼吸モニタリングを行う患者モニターなど、医療機関に対して機器整備を助成する予算を拡充し、中等症患者の受入れ病床の確保を行ってまいります。
また、国の予測するピーク時には2,400床が必要となると設定しております。
これは、あくまで外出自粛等の公衆衛生学的介入を全く行わなかった場合の予測であり、最悪のケースを想定したものであります。
このピーク時における2,400床については、病床確保の対象となる医療機関の病院長などに、6月1日に会議を開催して具体的な割り振り案をお示しするとともに、再拡大期の病床再確保のための御協力についても御理解をいただいております。
各医療機関では、院内でピーク時のシミュレーションを行うなど検討を進めていただいているところであります。
次に、検査体制の拡充に伴い、より早い時期に再拡大期の準備に入ることについて、またメディカルアラートの発出についてでございます。
検査体制を拡充すれば倍加時間が短くなるのではないか、とのご指摘もありますが、検査体制を拡充し、早めに感染状況を把握すれば、早期に感染拡大防止対策に着手できます。
例えば、東京と比較して埼玉県がピークを押し下げ、ピークに至るまでのスピードを遅くできた理由の一つには、相対的に早期の感染拡大対策を行ったことがあります。
検査体制の拡充は、早めの対応を可能にするため、一概に陽性患者発生の立ち上がりが早くなれば、感染拡大が早くなるとは限りません。
しかしながら、最悪の事態を想定するという危機管理上の観点に立てば、感染者が倍増するまでにかかる日数である倍加時間が急速に短くなるケースにも対応できる準備を行うべきと考えます。
そこで、県では240床から600床への再拡大期では、倍加時間を6日と考え、その上で、病床利用率が5割となる120人以上が入院した場合に、公立・公的医療機関には3日間、そして、民間医療機関には7日間で病床を確保いただくよう要請することとしており、すでに先ほど申し上げたとおり、各医療機関の責任者に丁寧に説明をさせていただいております。
再拡大期において、入院患者が120人から600人に達するまでに、倍加時間が6日間の場合、13日間を要するため、3日間、あるいは7日間で戻すという要請は十分な期間ではないかと考えております。
さらに、120人の入院を待つことなく、例えば、病床利用率が3割の80人以上となった時点で、メディカルアラートを発出することとしております。
なお、去る6月19日、国から再拡大期の患者数の推計方法について、新たな考え方が示されました。
そこでは、国内での実際の感染動向をもとに、実施された外出自粛要請等の公衆衛生学的介入の効果を反映するなど、これまでよりも精緻な推計となっています。
現在、この新たな考え方に基づき、ピーク時の患者数や、ピークに到達するまでの増加スピードを改めて見込んだ上で、段階的なフェーズを再設定し各フェーズの必要病床数を推計する作業を進めているところでございます。
今後、新たな確保病床数を関係医療機関に割り振った上で、各地域の医療関係者等で構成する地域医療構想調整会議などにおいて、確保可能な病床数や救急医療など地域での役割分担について更なる協議を進めてまいります。
次に、宿泊療養が進まなかった原因を分析し、明確な基準を設けることについてでございます。
本県では、患者のうち入院が不要な軽症者・無症状者については、原則、ホテル療養という明確な基準を設け、運用をしてまいりました。
同居する家族に感染させたくない、医師や看護師の健康観察を受けたいという理由からホテル療養を希望する方はたくさんおられました。
このため、4月下旬の感染拡大期において、一部の事情を抱える方などを除き、多くの軽症者・無症状者の方にホテルで療養していただきました。
感染の拡大期に開設をいたしました「アパホテルさいたま新都心駅北」は累計で95人、「ホテルヘリテイジ」では累計で87人を受け入れていただき、自宅療養者の解消に大きく貢献をしていただきました。
一方で、宿泊療養施設では、感染拡大防止の観点から、原則、部屋の中でお過ごしいただくことや、感染が確認されていない小さなお子様と一緒に入所できないなど、一定の制限がございます。
このため、小さなお子様を抱える方などは、ホテルではなく自宅療養を選択する場合もありました。
このように、自宅療養を選択する原因は、主に家庭の事情などでありますが、今後は、個別の事情についてより丁寧に相談を受けながら、宿泊療養を進めていきたいと考えます。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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