トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和2年2月定例会 > 令和2年2月定例会 代表質問・一般質問 質疑質問・答弁全文 > 2月27日(木曜日) > 西山淳次(公明) > 令和2年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(西山淳次議員)
ここから本文です。
ページ番号:174255
掲載日:2020年3月31日
Q 西山淳次 議員(公明)
社会的養護の場として、でき得るなら家庭的な環境である里親の元が好ましいことは論を持ちません。既に国も家庭養育優先の理念を明確に打ち出しております。こうした中、本県は社会的養育推進計画で、里親等委託率を現状の22.1%から、5年後の令和6年度までに32%に引き上げるとの目標を定めました。
そこで、伺います。本県の里親等委託率32%の目標が達成されると、新たに里親委託される子供がどのぐらい増えるのか。また、具体的にはどのような取組を行っていくのかについて、まずお伺いいたします。
また、昨年9月定例会で我が党の橋詰昌児議員が、「里親拡大にはテレビやラジオでの広報、宣伝も含めて、里親制度を広く県民に周知徹底していくことの重要性」を訴えました。里親登録へのハードルを下げるとともに、社会的養育の重要性を正に社会全体が共有することが大切だと思うからであります。この点についてもどのように検討され、今後取り組んでいくのかもお尋ねいたします。
次に、自立支援の強化であります。
里親の元であれ、施設であれ、子供たちはいずれ自立しなければなりません。自立支援は、里親や施設での養育の最後の仕上げともいうべき大変重要な課題です。私は、県が行う自立支援策の一つである施設退所後の児童たちに相談支援を行い、居場所ともなっているアフターケア事業所「クローバーハウス」にお邪魔したことがあります。そこで、実際に訪ねてきた若者と一緒に食事をしながら懇談し、施設職員からも様々な話を伺いました。施設を退所後、頼るべき保護者もない中、一人で社会に立ち向かう困難さは想像するに余りあります。私たち大人はできる限りの支援をすべきと痛感しております。
そこで、伺います。今後、本県の社会的養護の子供たちに対する自立支援策を更に強化していくべきであります。知事のお考えをお聞かせください。
A 大野元裕 知事
里親等委託率の目標達成のためには、新たに里親委託される子供がどのくらい増えるのか、また、具体的にどのような取組を行っていくのか、についてでございます。
虐待や親の病気などにより家庭で暮らすことができない子供を一人でも多く温かい愛情と家庭的な環境で育てていくためには、里親への委託を進めることが必要です。
目標達成のためには、里親等委託児童数を平成30年度末の400人から200人増やし、令和6年度末までに600人とする必要があります。
まずは、子供を養育する里親の登録数を増やさなければなりません。
具体的な取組としては、平成30年度からNPOと連携し、里親の募集から研修、登録など一貫した支援を行っています。
また、子供を里親に委託する上での大きな課題として、保護者の同意が得られないということがあります。
このため、里親に委託することを納得していただけるよう、令和元年度から保護者の方に里親の仕組みを丁寧に説明する専任の職員を各児童相談所に配置したところであります。
さらに、登録した里親が安心して委託を受けられるような支援体制も大切です。
そこで、里親会と連携し、里親が里親経験者の自宅へ実習に行ったり、委託後は定期的に訪問を受けるなど、里親に寄り添ったサポートも充実させております。
今後は、ベテランの里親が養育者となり、自宅で少人数の子供たちを育てながら生活するファミリーホームの開設支援にも力を入れてまいります。
こうした様々な取組を実施することによって、里親等委託率32%の目標達成を目指してまいります。
次に、里親制度を広く県民に周知徹底するため、どのように検討し今後取り組んでいくのかについてでございます。
様々な手段やあらゆる機会を通して、県民に広報することが重要と考えています。
そこで、彩の国だよりや県ホームページ、FMナックファイブを利用し、里親制度に関する情報を県民に提供しております。
また、金融機関やドラッグストア約2,500カ所へのポスター掲示や、県民が多く集まるイベントなどでチラシ1万部を配布しています。
さらに、里親入門講座を県内各地域で開催し、年間約400人の方に参加していただいております。
今後も、里親入門講座の拡充や、テレビ、ラジオ、SNSなどあらゆる媒体を活用した広報を行い、里親委託の推進に取り組んでまいります。
次に、社会的養護の子供たちに対する自立支援策を更に強化していくべきではないか、についてでございます。
施設や里親の下で生活した子供たちが自立の道を進む際、最大限の支援をすべきとの議員のお考えに、私も同感であります。
県では、塾に要する費用や教材費、大学受験料を補助したり、自動車運転免許の取得費用や施設退所後の家賃・生活費を貸し付けるなど、経済的な支援を実施しております。
また、民間アパートを借り上げ、進学した方に低額で貸し付けるとともに、将来への不安などに生活相談支援員がマンツーマンで対応する「希望の家」事業を県内4か所で実施しております。
就職支援としては、職業意識やコミュニケーション能力を身に付けるセミナーの開催や、就職後に支援員が職場を訪問し、本人からの相談に応じるとともに、アドバイスするフォローアップも行っております。
こうした支援に加え、議員お話しのとおり、施設退所後の子供たちの居場所である「クローバーハウス」をさいたま市内に設置しております。
ここは、進学や就職に関わらず、仲間と気軽に交流したり、悩みを相談することができ、自分一人ではない、助けてくれる人がいるということを実感してもらえる場所となっています。
自立支援には、様々な手厚いメニューが必要となります。
今後も当事者である子供や児童養護施設の意見を聞き、更に必要な支援策を検討したいと考えております。
生まれ育った環境のいかんに関わらず、誰一人取り残さず全ての子供たちが社会で活躍できるよう、自立支援の更なる強化に全力で取り組んでまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください