トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和元年9月定例会 > 令和元年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 10月3日(木曜日) > 飯塚俊彦(自) > 令和元年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(飯塚俊彦議員)
ここから本文です。
ページ番号:166362
掲載日:2022年10月13日
Q 飯塚俊彦 議員(自民)
先般、環境農林常任委員会として、豪雨災害の被災地や太陽光パネルのリサイクル施設の視察を行うため、岡山県に行ってまいりました。倉敷市、真備町などで多くの被害を生じた平成30年7月豪雨において、岡山県全体で推計44万トンもの災害廃棄物が発生し、今もなおその処理が続いている現状を視察させていただきました。
比較的災害が少ないと言われている埼玉県においても、これだけ異常気象が叫ばれていますと、いつ何どき甚大な自然災害が起きるか想定できません。災害廃棄物について、円滑かつ迅速な処理体制をあらかじめ構築しておくことが重要であると、強く再認識いたしました。
また、金属や使用済み家電、自動車のリサイクル事業を営む岡山市の平林金属株式会社様を訪問させていただきました。この平林金属様は、自らが岡山県内最大手のリサイクル事業者であることの責務として、環境省の設備導入促進事業にいち早く手を挙げるなど、太陽光パネルのリサイクル推進に積極的に取り組んでいる企業であります。
平林社長によれば、さきに述べた平成30年7月豪雨において、多くの太陽光パネルが災害廃棄物として排出された状況を目の当たりにし、資源循環型の社会を構築する産業に携わる者として、太陽光パネルの適正なリサイクルを絶対に実現しなくてはならないという決意を新たにされたとのことでした。私もその話を伺い、深い感銘を受けました。
平林金属様は、国内の太陽光パネルメーカー等で構成される太陽光発電協会が公表する適正処理可能な処理業者19社のうちの1社として名を連ねております。この企業の先進的な取組は、太陽光パネルの適正処理を推進していく上で、本県の事業者にも大いに参考になると思われます。行政団体としては初めて視察に来てくれたと、会社のホームページに記事を載せてくださいました。
さて、太陽光発電設備は2012年の固定価格買取制度の導入以降、急速に普及が進み、2012年において全国で911万キロワット規模であったものが、2017年においては4,773万キロワットと、その導入量が5年間で約5倍に増加しました。太陽光パネルの寿命は20から30年と言われており、急速に拡大した太陽光発電設備のパネルが今後使用済みとなり、大量に排出されるということが確実とされております。国の推計によれば、その量は2030年代後半に全国で年間50から80万トンとなる見通しだそうです。
現在、平林金属様のように、素材の再生利用を含めたリサイクルが実際に行われている事例は少ないと聞きます。平林社長からは、太陽光パネルのリサイクルを更に拡大していくに当たり、まずはパネルを構成する素材をきちんと分離、分別できること。そして、効率的に多くのパネルを改修処理できる仕組みを構築することが課題となっていると伺いました。持続可能な循環型社会を構築していくために、埼玉県としてもこれらの課題を踏まえて太陽光パネルのリサイクルを推進していくことが重要だと感じます。
そこで、環境部長にお伺いいたします。本県でも平成28年から産業廃棄物処理業から環境産業へのステージアップ事業として、太陽光パネルのリサイクルについての検討を始めていると聞いております。さきに述べた課題なども踏まえ、環境科学国際センターの知見、技術なども積極的に活用し、太陽光パネルのリサイクルを推進していく必要があると考えますが、今後、どのような取組をしていくのか、またその工程はどうお考えなのかをお伺いいたします。
A 小池要子 環境部長
将来、大量排出が想定される太陽光パネルについては、排出が本格化する前に適正処理やリサイクルを進める体制を構築する必要があります。
県では、平成28年度に埼玉県環境産業振興協会と協働して太陽光パネルリサイクルに関する検討会を立ち上げました。
この検討会には、産業廃棄物処理業者やパネルメーカー、パネル処理装置メーカーなど、様々な分野の企業に参画いただいており、これまで処理装置に関する情報共有や最適なパネル回収の仕組みなどについて議論を重ねてまいりました。
今年度からは、環境科学国際センターに破砕機を設置し、協力企業と協働してパネルを破砕する実証実験を開始しております。
この実証実験では、ガラスを剥したあとの発電セルとバックシートを、中小の産業廃棄物処理業者が持っている一般的な破砕機で効率的に処理できるようになることを狙ったものです。
現在、試行錯誤を繰り返しながら、リサイクルに最適な破砕機の刃の形状や投入スピードなどの運転方法について検討しているところです。
今後の行程といたしましては、まず環境科学国際センターが有する知見や課題分析力などを基に運転方法の改善や結果の解析を行い、その検証結果を県内処理業者に情報提供し、実際のリサイクル現場の破砕機で活用していただき、そのデータを収集したいと考えております。
さらに、技術的支援を行いながらノウハウを蓄積し、県内の処理業者全体に展開していくことで、リサイクル技術の確立につなげていきたいと考えております。
20年後ともいわれるパネルの大量排出に備え、環境科学国際センターや県内企業の知見・技術を生かし、太陽光パネルのリサイクルの推進に積極的に取り組んでまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください