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掲載日:2022年10月13日
Q 飯塚俊彦 議員(自民)
まず知事の公約の工程表について、具体的にどのような方法でどのようなものが示されるのかお伺いいたします。
我が郷土埼玉県は、3,798平方キロメートルという広大な面積を有し、都市部、平野部、山間部、人口密集、過疎地などなど、海岸や湖はないものの、日本の地理上における縮図的な地域を有していると思います。埼玉県内、人口が増えている地域もあれば減っている地域も存在します。
知事は、埼玉版スーパー・シティ構想を提唱されております。少子高齢化が進む中、エネルギーを効率的に利活用し、企業も市町村も家庭に至るまでメリットが受けられるコンパクトなまちが埼玉版スーパー・シティだと御答弁していらっしゃいます。そして、職住近接によるワークライフバランスや子育て、高齢者の見守り、空き家対策などにも寄与していく中で、これからの埼玉県をつくろうとされております。
どうも私から知事の公約を見ると、県南の人口が多く、生活圏のシステムがしっかりでき上がっている方々の地域での目線ではないかと感じます。今回の一般質問でも話題となっております南北格差や人口増加の地域がある半面、当然、人口減少の地域もあります。
例えば、地方自治体では移動確保のためにデマンド交通や乗り合いタクシー、シャトル便などを称して国庫補助金などを活用し、運行を助成していますが、それだけでは運行費用が不足するため、単独での助成をもしております。また、地域の足である路線バスの運行も、地域間幹線バスの国庫補助金を活用しておりますが、バス路線の運行による経常収益が経常費用に満たない差額については、関係市町で助成を行っております。
このように、埼玉県でも県南と県北の移動手段は違います。県西北地域においては、人口1,000人当たりに普通自動車保有率は高く、今後の高齢者免許証の返納に伴う公共交通の維持は重要な問題でもあるのにもかかわらず、県西北地域では、路線バスを維持することが困難な路線が現れております。神川町の旧神泉村矢納地区は、道路事情もありますが、一旦群馬県を経由しないと行けない地域もあります。
そこで、知事に伺います。第1に、知事はどの地域も取り残すことない社会をつくると述べているわけですから、北部地域にスーパー・シティプロジェクトを行って、地域を活性化することも可能とお考えでしょうか。
また、きのうの答弁では、人口をそこに集め、民間から投資をしてもらい、エネルギーをインセンティブにしてまちづくりをすると述べられておりましたが、そのような認識でよろしいのでしょうか。
第2に、スーパー・シティ構想プロジェクトにおける工程表を12月議会までにお示しいただきたいと思います。現在、この件に関して、聞くところによると職員の皆さんは大変困惑しているとのことです。知事が自ら定めた公約に対して、具体的な内容と目標がないからではないでしょうか。よって、議会でも議論を行うため、12月定例会1週間前までに御提案をいただきたいと思いますが、知事の御見解を求めます。
次に、知事が考える危機管理体制についてお伺いいたします。
知事は、参議院議員の辞職の時期をめぐって、「自分は国会議員として人の命を守る政治を標榜し、事態対処などについては専門性を生かした活動を行ってまいりました。仮に、このような事態が発生した際に、国会議員が大きく欠けているにもかかわらず、自分が何の役割も果たせないとすれば、政治家として一生悔いが残ります。このような分野を専門にしてきた政治家として、国民に対する責任は果たさなければならない」と述べられました。この言葉から察するに、知事は危機管理に1日の空白も許されないという持論が根底にあると御推察いたします。
一方、知事は、公約の中で危機管理体制については、埼玉版FEMAを立ち上げると述べております。FEMAはアメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁のことで、危機管理に関連する各省庁を統合し、運営されるものとされます。
そこで、お伺いいたします。千葉県に甚大な被害をもたらした台風15号が関東に近づいていたときに、埼玉版FEMAは稼働していたのでしょうか。知事の持論から推察すると、危機管理は時間との戦いであり、知事に就任した時点で公約実現に着手され、あの時点で埼玉版FEMAが稼働していなければならない状況と考えますが、埼玉版FEMAの稼働状況について伺います。
A 大野元裕 知事
まず、知事の公約の工程表についてでございます。
私は、知事公約が県行政においてどのような方向性で取り組むのかを県民の皆様にイメージをしていただくため、「知事公約に係る『取組の方向性』」を発表いたしました。
この「取組の方向性」に基づき議論を深め、具体的に施策をどのように進めるかなど、この4年間の進め方をお示しさせていただきたいと考えております。
例えば、「検討委員会を設置し、中間報告書を作成した上で、翌年度の当初予算案に反映する」などの進め方を工程表に記載をする考えであります。
公約の中には、すぐに取り組むもの、来年度の当初予算において御議決いただいて取り組むもの、4年で道筋はつけるものの将来の埼玉を見据え長いスパンで対応すべきものなども、できる限り明らかにしていきたいと考えています。
現時点でお示しできる情報を整理した上で工程表として取りまとめ、12月定例県議会前までに私からご説明をさせていただきたいと考えております。
次に、スーパーシティプロジェクトで北部地域が活性化するかについてでございます。
「埼玉版スーパー・シティ」は、来る超少子高齢化社会に対する課題解決を、コンパクトでスマートなまちづくりの中で進めていこうとするものであります。
北部地域に限らず、地域の条件に応じて形成していくことが肝要と考えます。
北部地域においては、飯塚議員御指摘のとおり人口減少が厳しい地域でありますところ、人口減少地域の活性化に繋がる効果が見込まれます。
次に、エネルギーをインセンティブにして街づくりをする認識で良いのかについてでございます。
まず、「埼玉版スーパー・シティ」は、民間から投資を促す仕組みを取り入れる工夫を行っております。
エネルギーの地産地消、安心・安全で強靭なまちづくりを行うことが、インセンティブの一つになり、おのずと人の集積が進むことを期待しております。
次に、スーパーシティプロジェクトの工程表でございます。
「埼玉版スーパー・シティ」は、エネルギーの地産地消の仕組みづくりが重要であり、5GやAI、IoTの導入を含め、様々なステークホルダーが調整を重ねる時間も必要であります。
また、まちづくりは、完成形が一朝一夕にしてできるものではなく、段階的に成長、発展をしていくものと考えます。
こちらも、他の公約の工程表に合わせ考え方を整理し、12月定例県議会前までに私から御説明をさせていただきたいと考えております。
次に、埼玉版FEMAについてでございます。
毎年のように全国各地で大きな災害が発生し、甚大な被害をもたらしています。
本県が、いつ災害に見舞われてもおかしくない状況にあると考えています。
台風15号が関東に接近した際には、災害の発生に備えて、直ちに対応できるような体制を整えておりました。
しかしながら、私は、現在の危機管理体制に満足することなく、更に強化していく必要があると考えております。
県は、消防、警察、自衛隊などの実動部隊を持たず、また国と異なり専門知識を有する人材も限られております。
そこで、FEMAのように、危機や災害ごとに対処すべき具体的なシナリオを作成し、図上訓練を重ねながら、専門的な知識や能力を有する様々な官民の機関、組織を連結させていくことが重要であります。
人命に直接関わることでございますので、シナリオ作りや専門機関との連結を丁寧に行いながら、本県の危機管理体制を強化し、確固たるものとしていきたいと考えております。
専門家や関係機関の御協力もいただきながら、今後、埼玉版FEMAの体制を構築してまいります。
再Q 飯塚俊彦 議員(自民)
まず、この埼玉版スーパー・シティ構想なんですけれども、今、知事のほうからは北部地域の人口減少の活性化に効果が見込まれるというふうなお話が出ました。この具体的にその効果が見込まれるというのは、どんなイメージでそれが見込まれていくというふうなことなんでしょうか。
大変、御就任以来、日が短いわけでもございますが、もし今の回答が出ないならば、今度の12月の今おっしゃったいろいろなものを発表してくださる説明の中に、それが具体的な方向としてこんなふうなことができれば活性化に向けてのコンパクトシティの構想というものが、県北に限らず、県西のほうでもできるのかどうかという部分について1点お伺いさせていただきます。
そして、危機管理の部分のFEMAの関係なんですけれども、私、台風15号のときにこのFEMAという組織が立ち上がったか否かというふうなことをお伺いさせていただいたつもりなんです。そして、このFEMAという非常事態の場合のものと、現状で言う災害対策本部というものが立ち上がると思いますけれども、この違いというか、整合性というものはどんなものなんでしょうか。2点お伺いさせていただきます。
再A 大野元裕 知事
北部地域での活性化のイメージ及び12月までに御報告をする工程表を踏まえてのイメージについてお答えを申し上げます。
まず、工程表をお示しする上では、具体的に北部地域でという形ではなく、全体の工程表をお示しすることを考えておりますが、イメージといたしましては、北部地域においては飯塚議員から御指摘をいただきましたとおり、人口減少という厳しい課題を抱えているものと私も考えております。
北部地域においては、特に現状を放置している中では、地域の衰退すら懸念をされるという声もお伺いをする場合がございます。
一般論として、人口減少地域においては、コンパクトシティ化の効果は高いのですが、その一方でハードルが高いとも指摘をされているところであり、これまでの取組だけでは十分ではない中では、最大限の効果が得られるモデルを示していくことが必要だと思っています。
具体的なイメージといたしましては、エネルギーを呼び水としたコンパクトシティ化を進めることによって、地域の孤立、あるいは選択と集中によるインフラへの投資、こういったものを可能にする環境を整えるというイメージを持っております。
2番目に、「知事の選挙公約・政治姿勢について」の御質問のうち、FEMAでございますが、FEMAが立ち上がったかということと、それから災害対策本部との違いについての御質問がございました。
まず最初の、FEMAが立ち上がったかという御質問でございますが、台風15号が関東に接近した際には、これまでの既存の災害に対する体制を整えたところでございまして、新たな組織としてのFEMAを活用したということはございませんでした。
そして、二つ目でございますけれども、災害対策本部との差でございますが、県におきましては多様化する危機に対する対応が問われている中で、災害対策本部がいつも同じメンバーで立ち上がるということが必ずしもよいかどうかということについても検討をさせていただく中で、災害対策本部は危機時に立ち上がるものであります。
FEMAは常時これを設営した中でシナリオやあるいは机上演習等を繰り返し、様々な外部の組織との連結を図るものでございますので、災害対策本部とは異にするものでございます。
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